D.Y.T VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

D.Y.T『Juliet』

リアルな男心をキャッチーに描いた『Juliet』リリース

ツインボーカルユニット、D.Y.Tがニューシングル『Juliet』をリリース。大好きな女の子に振り回される男心を描いた表題曲、かつての恋愛に感謝を伝える“To You”、つきあう前の心理が隠された“Secret Drive”。3曲それぞれの登場人物とそのストーリーが、あの日の思い出や感情、そして様々な景色を鮮明によみがえらせてくれる。新たな挑戦ともなったこのシングルについて、千田耀太と菅野陽太にたっぷり話してもらった。

■前回のシングルに続きKMさんの楽曲になりますが、今回はどんな印象でしたか?

千田 D.Y.Tらしくないっていうのがいちばんの印象でした。前作はD.Y.Tが歌っていてもおかしくない雰囲気のメロディでしたけど、今作は結構変化球だったので、「これ絶対いいでしょ!」って、そういう確信みたいなものができたと思います。

菅野 前作もカッコよかったんですけど、今回はそれを越えてきたなって。英語の歌詞で表現するというのも今までにないものだったんですけど、そこに込めたい自分の気持ちを事前にしっかり考えて、その結果すごく良いものになりました。

千田 僕はラップのパートがあって、レコーディングでは苦労したんですけどね。

■ラップでの表現は難しかったですか?

千田 元々プロダンサーなので、そこは負けたくない気持ちが強かったんです。ダンサーなのにリズム感が悪いって思われたくなくて。だから、そこはもうバチバチに頑張りましたね。でも気持ち的にはいちばんやりやすかったかも。洋楽っぽい楽曲なので、今まで挑戦してきた曲の中ではいちばん自分にハマったかなって。

■この曲のテーマ「好きな女の子に振り回される」という点はどのように表現しようと?

菅野 これはもう妄想でしかないです。実際にそういうシチュエーションになってみないと、自分がどんな気持ちになるかわからないんですよね。なので、自分の中では年下のちょっとわがままな女の子ってイメージだったので、そこから膨らませていきました。

千田 僕は実体験の恋愛をリンクさせましたね。今までの恋愛の中でこういう子がいたので、その時のことを思い出しながら。実体験をリンクさせながら歌うと、声も自然と変わってきたりするんですよ。そういう表現の仕方も大事だなと思ったし、やっぱりこの歌詞って共感できる部分がたくさんあるんじゃないかなって思うんですよね。

菅野 歌詞を見たらどういう子かっていうのがすぐにわかりますからね。ラップの部分の、彼女から電話がかかってきて、でもかわいい子からも電話がきて、彼女からはメールまできてって、そういうところは特にイメージしやすいんじゃないかな。

千田 誰もが絶対経験しているし、誰もが一度は通る道です。(笑)

■あはははは、めちゃめちゃリアルですね。

千田 そう。めちゃめちゃリアルなんですよ。だから絶対共感できると思うし、逆に女性には、男の人って「こういうふうに思っているんだ」ってところを感じ取って欲しいです。

■“To You”は作詞をされていますが、2人で書かれる場合はどのように進めていくんですか?

千田 最初に2人でテーマを決めてから、ストーリーや情景を考えていきます。

菅野 そこから書いたものを持ち寄って、お互いのものを上手く織り交ぜていって。

千田 “To You”は、まず「別れた彼女に感謝を伝える」というテーマを決めてから、じゃあどの部分でそれを伝えたいのか、心の中の引っ掛かかりはどこで表現するのかを2人で入念に決めて、Aメロは情景で、Bメロはもうちょい深くいこうかって。

■なぜこのテーマにしようと?

菅野 今まで失恋系の曲が多かったので、ちょっと視点を変えてみようというところからです。別れてはいるんですけど、その先の感謝するというところまでいってみようって。

千田 この曲は、歌詞をつめる作業がバタバタで、提出する当日の夜中から居酒屋に行って、お酒を一切飲まずに朝までいて、でも居酒屋も閉まっちゃったから、今度は駅前の広場みたいなところに移動して、そこで7時くらいまでずっと書いていたんです。

菅野 もう開いているお店がどこにもなくて…。

千田 さすがにちょっと意識飛んでいて、何をやっているのかよくわからなくなる感じで、「もう無理だ!」って家に帰るんですけど、2人ともやっぱり気になっちゃって、そこからまた2人で20時くらいまでずーっとLINEしてね。(笑)

菅野 あー、もう寝れねーって。(笑)

千田 寝ないでずっとやって、「あー、良かった、間に合った~!」みたいな。

菅野 その日はリハーサルもあったし、もう時間がなかったんですよ。でも2人離れちゃうと歌詞のニュアンスが変わってきちゃうから、やっぱり一緒にいて話しながら書いた方がいいよねって。こういう状況だから、そもそもやっているお店も少ない中、人が全然いない居酒屋でこの歌詞を書いたっていう。(笑)

千田 「酒飲みてぇー!」って思いながらね。(笑)

■なかなか過酷でしたね。

千田 たった一文字でニュアンスがガラッと変わっちゃったりするじゃないですか。この曲に関しては、こういう想いをしている人たちが共感できたり、懐かしいなって思ってもらえるものにしたかったので、そこはこだわりたかったんです。

■この歌詞の主人公は、とっても素敵な恋愛をしていたんだなって思いました。

千田 ですよね。「今いる場所が幸せであるといいな 心の底からありがとう」って、普通の文ですけど、この2人の間柄だったからこそ言える言葉だと思うんです。今でもずっと感謝して、幸せを願える関係ってそんなにないじゃないですか。なので、ここはこの関係性だからこその、つまりは大恋愛だったっていうことですよね。

■「ありがとう」と言うことで、また一歩進めるだろうし。

菅野 だから「ありがとう」は絶対はずしたくないって。

千田 別れたら他人になって、その他人に対して幸せを願ったり、感謝を伝えられるって素晴らしいことだし、一歩進めたってことだと思うので、そういう人たちの背中を押す曲になれたかなと思います。

■“Secret Drive”、こちらも作詞に参加されていますね。

菅野 この曲はまさにドライブデートの曲なんですけど、これも手が届きそうで届かない憧れ的な女性が相手で、自分と一緒にいてくれるんだけど、心が通じ合ったり通じ合わなかったり、そういうつきあう直前の気持ちを歌っています。

千田 そういう時期がいちばん楽しいのかなと思うんですよ。まだ手に入っていないからこそ感じること、例えば歌詞の中の「髪がなびきだす」とか、「君が口ずさみだす」とか、普通だったら見落としちゃうような部分も見落とせないというか。この歌詞はそういう部分を上手く表現できたと思います。

菅野 サビの「この気持ちが見透かされても 君はわざと僕に微笑むだろう」って、この部分はうちの千田先生が考えたんですけど、これはもう「きたー!」ってね。

千田 2人で「きたー!」って言ったもんね。「君はわざと僕に微笑む」って、この一文でどういう子かというのがね。

菅野 わかりますよね~、ほんとに、もうもて遊ぶなよって。

千田 “Juliet”か!っつーの。

■確かに。(笑) この曲は実体験の部分はありますか?

菅野 僕はペーパードライバーだけど、ちゃんと運転しますよ。好きな人が助手席に乗っていたら。

千田 車の話じゃないんだよ。

菅野 神経を集中して全力で運転するから、無邪気に口ずさんでいても耳に入ってこないです。

■あはははは。(笑)

菅野 なので、まずは運転の練習をして、ちゃんとこの曲に見合う男になりたいです。