EMANON VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

英里沙(Vo)、Kana(Gt)、Boochan(Ba)、佐藤有紗(Dr)

まずは自分たちが止まらずに進み続けるということが大事だと思う。

「挑戦し続ける音楽」をテーマに掲げ、疾走感あふれるサウンドで新たな旋律を切り開くガールズミクスチャーロックバンドEMANONが、初のCD作品となるミニアルバムとアルバム『NO NAME』を2枚同時リリース。今作には今までのグループの歴史が詰め込まれつつ、「常に新しいことにチャレンジし続け、いろんな音楽を届けていきたい」という思いが込められた作品となっている。ミニアルバムには計5曲、フルアルバムには計10曲が収録される。また、現在は『2ND ANNIVERSARY ONEMAN TOUR』を開催中。ツアーファイナル公演はバンド結成2周年の記念日である2025年3月8日に赤羽ReNY alphaにて開催することが決定している。
今回はそんな彼女たちに、バンドについて、今作について、ツアーファイナル公演に向けての意気込みなど、いろいろと語ってもらった。

■今回初めての取材なので、まずはメンバーの自己紹介からお願いします。せっかくなのでみなさんの趣味と特技も教えてください。

有紗 ドラムの佐藤有紗です。趣味は何だろう……?私、私生活はドラムばっかりしかやっていないからなぁ。(笑) あ、でも洋服が好きなので、たくさん洋服を買って、写真を撮って、インスタとかSNSにあげたりするのが好きです。特技はドラムのスティック回しが得意です。手先が器用です。

Kana ギターのKanaです。趣味は最近、歴史の本をよく読んでいるのと、普段はずっとたまごっちをやっています。

■歴史の本というのは日本の歴史ですか?

Kana そうです。高校時代に世界史をとっていたこともあって、世界史には結構詳しいんですけど、そういえば日本の歴史は全然知らないなと思って、最近は日本の歴史の本を読んでいるんです。本屋さんで面白そうな日本の歴史の本を見つけてしまって、読み始めたら面白くて止まらなくなってしまったんです。(笑)

■今はどの辺を読んでいるんですか?

Kana 今は鎌倉時代が終わったあたりです。そして特技は元々服飾関係の仕事をやっていたので、縫い物とかが得意です。

英里沙 え?!たまごっちがもはや特技なんじゃないの?ずっとやってるし。(笑)

Kana その方がインパクトあっていいかな?(笑)

英里沙 ボーカルの英里沙です。趣味は私も洋服が好きで、仕事でもアパレルのデザインをやっていたりします。あとは歌も好きなので、趣味が仕事にも反映できている感じです。それと最近はデジタルデトックスをやっていて、やる日を決めたら、その日はSNSもやらないし、携帯電話を置いて放置しておくんです。

■その日は連絡がつかない感じなんですか?

英里沙 連絡がつかない日があったら、きっとそれをやっている日なので、その日は自然がたくさんあるところに行っているんだとと思ってください。(笑) 特技は料理です。

Boochan ベースのBoochanです。私はオタク気質で人間関係が上手くなくて、パソコンだけが友達みたいな性格なので、パソコンがめちゃくちゃ得意で、パソコンを使ったデザインだったり、映像編集だったりが趣味であり、特技です。なので、EMANONの衣装やグッズのデザインや、ライブ映像、MVの編集なんかもやっています。

■みなさんが最近ハマっているものや、気になっているものを教えてください。

英里沙 私は最近、ずっと家で料理しています。さっきも特技が料理と言ったんですけど、実は過去にレシピ本にも取り上げられたこともあるんです。クックパッドさんからDMをもらったこともあります。あと、ダイエット検定2級の資格も持っていて、昔ギャルモデルをやっていた時代もあるんですけど、ギャルダイエット親善大使をやっていたこともあるんです。(笑) しかもギャルモデル時代にNHKで5年間、短歌の番組にレギュラー出演していて、歌人を目指していたこともあるという……。ちょっと脱線しましたけど、最近は料理にハマっていて、料理をしている時は何も考えずに無心になって没頭できるので、すごく好きな時間です。

■メンバーのみなさんは英里沙さんの料理を食べたことあるんですか?

Boochan 私は食べたことがあります。すごく美味しいですよ!

英里沙 Boochanは私の家に遊びに来た時に、冷蔵庫に私が作り置きしていたおかずを、知らないうちにこっそり持って帰るんですよ。(笑)

Boochan それくらい美味しいってことです。(笑)

■他のみなさんが最近ハマっていることは?

有紗 私は最近めずらしくゲームにハマっていて、元々そんなにゲームにはハマらないタイプで、昔からやっていたのはツムツムくらいだったんですけど、最近はPUBGにハマってしまってずっとやっています。でも時間を決めてやらないと永遠にやってしまうので、気をつけないと……。

Kana 私は昔から車を見るのが好きで、TOMICAを集めて眺めたりもしていたんですけど、最近はゲームセンターにある「湾岸MIDNIGHT」のゲームにハマってしまって、R35のGT-Rでかっ飛ばすのが密かな楽しみになっています。(笑)

Boochan 私はスロットを打つのが好きで……。(笑) 最近は「スーパーミラクルジャグラー」という最新台が出まして、その台はプレミアが多くてすごく楽しいので、みなさんもぜひ!(笑)

■なるほど。みなさんキャラが濃いですね。(笑) では、みなさんの好きな音楽ジャンルと、一番影響を受けたアーティストを教えてください。

有紗 私はポップス全般が好きで、J-POPとか邦ロックをよく聴いていて、元々ドラムを始める前はボーカルをやっていたので、その頃好きで聴いていたのはポルノグラフィティやflumpoolでした。でも今一番影響を受けているのはMrs.GREEN APPLEですね。

Kana 私は洋楽のロックが大好きです。BON JOVIとかQUEENをよく聴いていました。私の父が趣味でバンドをやっていて、BON JOVIとかQUEENとかTOTOの曲をコピーして、よくギターで弾いていたのを小さい頃から見ていて、「すごいカッコいい!」と思って、それに憧れてギターを始めたので、一番影響を受けたのは父親ですね。(笑)

英里沙 私が学生時代に好きでよく聴いていたのは、UVERworldとか、BUMP OF CHICKENで、RADWIMPSも流行っていたのでよく聴いていました。でも自分に一番影響を与えたというのはVaundyさんですね。表現力にすごく注目しているんです。明るい歌を歌っているのになぜか泣けるんですよ。ライブにもよく行っていて、すごく大好きなんです。

Boochan 私はもうポルカドットスティングレイというバンドのオタクで、ずっと大好きで地方まで追っかけてライブに行ったりもしています。私の音楽の原点ですし、影響を受けているのも、そのバンドのボーカルの雫さんで、雫さんはすごくボーイッシュなんですけど、それに憧れて私も髪もショートカットに切りました。

■ちなみにEMANONさんのバンド名の由来はなんですか?

英里沙 EMANONは最初デモンストレーション期間というのがあって、結成当時、まだ私が別のアイドルグループもやっていて、それと同時進行で活動していたので、「デモンストレーション期間だし、まだバンド名はなくてもいいんじゃない?」ということで、「NO NAME」を逆さにして、「EMAN ON」と書いて「ノーネーム」という名前で活動していたんです。それからバンドが正式に始動する時に、「EMAN ON」の隙間を無くして、「EMANON」にして読み方も「エマノン」になりました。

■なるほど。このバンドの特徴はなんですか?

英里沙 実はそれが自分たちの中でも課題になっていて、「EMANONってどういうバンド?」と言われた時に、今までは即答ができなくて……。最近になってようやくEMANONのバンドスタイルだったり、バンドの形がやっと自分たちでも見えてきて、それを体現できるようになってきたんです。まさにそれが今回、2月4日にリリースするアルバムなんです。結成当時からやっていた曲もあるんですけど、その当時と今はまったく音楽性も違っているので、今の楽曲をライブで聴いてくれたら、「これがEMANONです!」と自信を持って言えるものが出来上がったと思います。ぜひアルバムを聴いていただければと思います。

■僕がこのアルバムを初めて聴いた時の印象は、「プログレか?!」と思うようなイントロで始まるんですけど、曲はプログレみたいに13分とかなくて、3分切るくらい短い曲もあったりして……。

英里沙 そうなんですよ!うちらの曲はパンクかってくらい曲が短くて。(笑) 最近ライブイベントとかでよく起きるのが、時間が巻くっていうね……。(笑) それで「あと追加で2曲やります!」って言って演ったりして。良く言えば「疾走感がある」ってことでいいですか?(笑)

■ちなみにこのバンドが他のバンドには「ここは負けない」と思う強みは?

有紗 やっぱりライブの楽しさは負けないと思います。最近はフロアがすごく出来上がってきている感じがあるので、そこは他には負けないと思います。

■そうなんですね。どんな感じのライブなんですか?お客さんを巻き込む感じだったり?

英里沙 結構激しい曲をやるとサークルがおきたりとか、リフトが上がったりもしますね。でも怪我とかはないし、治安はいい感じですよ。(笑)

■それではみなさんの初のCD作品となる『NO NAME』について、お話を聞ければと思いますが、今作が出来上がった今の率直な感想を教えてください。

有紗 今回はCDという形でリリースできるというのがすごく嬉しかったです。やっぱりどうしても今のご時世的に、盤にするというのが珍しい時代だし、CDをリリースしないアーティストさんも増えてきているじゃないですか。でも今回CDという形になったことで、みなさんに直接手でお渡しできるツールが出来たのが嬉しいです。

Kana 今作のCDは、「これがEMANONだな」というアルバムになりました。残念ながら私は3月14日をもって脱退することが決まっていて、この4人では最後の作品になってしまうんですけど、ここまでの約2年間やってきたことが「ギュッ」と凝縮して詰め込まれていて、すごくいいアルバムになったし、最高傑作だと思います。

英里沙 今作はアルバムとミニアルバムの2枚同時リリースになるんですけど、ミニアルバムに収録した半分まで聴いてもらえれば、最近のライブでやっている楽曲がほとんどなのと、最新曲も入っているので、今のEMANONがこの1枚で伝わるようになっています。言ってみれば、「取り急ぎEMANON」というか、「忙しい人のためのEMANON」という感じです。(笑) それで、フルアルバムの方は、「もっと深くEMANONを知りたい方は続きをどうぞ」という感じですかね。(笑) よくライブ会場で特典会とかもやっていると、ファンの方たちからも「CDはないんですか?」とよく聞かれたりもしていたので、ずっとCDを出したいと思っていたんです。やっとリリースできることになってすごく嬉しいです。今作のCDが出来たことで、ようやく「EMANONってこういうバンドです」という、自分たちを知ってもらうための名刺代わりの1枚になったと思います。

Boochan 私はこのバンドを始めるまで、音楽経験がまったくなかったので、この作品は私が参加した人生で初のCDだしアルバムなので、すごく嬉しく思います。それにCDのジャケットや中のブックレットのデザインを英里沙と一緒に全部やらせてもらったので、すごく思い入れのある作品になりました。本当に小さな文字のフォントにまでこだわって作ったので、隅々の細かいところまで見てもらいたいです。

■アルバムの全曲詳しく聞きたいところですが、時間もないので、みなさんそれぞれ今作でオススメの推し曲と、その理由を教えてください。

有紗 私は5曲目の“憂生少女”という曲がすごく好きで、どの曲も歌詞がいいんですけど、その中でも一番歌詞が刺さるんです。私はたまにネガティブになってしまう時があるんですけど、そういう時に聴くとすごく刺さります。ライブでドラムを叩いている時に、私は結構歌詞を口ずさみながら叩いていることが多いんですけど、この曲はラスサビの辺りから鳥肌が立ちます。みなさんにもすごく届けたいと思うような楽曲になっています。

Kana 私はフルアルバムの7曲目に収録されている“Out of Control”という曲がオススメで、ライブではサークルが出来るくらい盛り上がる曲になっています。歌詞も強いというか、いろいろな想いや気持ちが詰め込まれているんですけど、私自身はあまりそういう感情を表に出すのが苦手なので、この曲がそれを代弁して叫んでくれているような気がして好きなんです。

英里沙 私も5曲目の“憂生少女”には特に思い入れがあって、今作は全曲私が作詞させてもらっているんですけど、実はこの曲は、あるファンの女の子からもらったメッセージがきっかけで作詞した曲なんです。その子は遠方に住んでいるので、なかなか会えるタイミングがないんですけど、たまにライブにも遊びに来てくれていた子だったんです。でもある日突然、「これからはライブにあまり行けなくなる……」と言われて、話を聞いてみたら、ストレスなどから病んでしまって病気になったみたいで。私も実は過去にそういったことを抱えていた時期があって、同じような経験をしていたので、「なにか自分にも出来ることはないか?」と思い、書いた曲なんです。ライブでは楽しんでもらいたいという気持ちも、もちろんあるんですけど、さっき有紗も言っていたように、「音楽を届けたい」という思いも強いので、そういう気持ちを持ってみなさんに向けて歌える曲です。それにこの曲には自分の想いも投影しやすいので、ひとりでも多くの方に届いてほしいですし、寄り添えるような曲になったらいいなと思います。