LUNA SEA『復活祭 -A NEW VOICE- Day2「Naked Voice」』ライブレポート@日本武道館 8月27日(土)

充電期間からの早期復活!「約束の地に戻って来れて嬉しい!」と笑顔を見せたRYUICHI

8月も終わりに近づいてきた8月27日(土)、日本武道館にて、LUNA SEA『復活祭 -A NEW VOICE- Day2「Naked Voice」』が開催された。2022年1月に開催された30th Anniversary Tourのグランドファイナル公演の終了をもって、RYUICHI(Vo)が、声帯に出来た静脈瘤(りゅう)を除去する手術を行う為、充電期間を設けてから約半年。奇跡の早期復活を果たしたのだ。今回のライブは日本武道館で2日間開催され、1日目は「Silky Voice」、2日目は「Naked Voice」と題され、タイトルもセットリストも変わり、公演は新型コロナウイルス感染対策の為、途中換気のインターバルを設けた2部構成となっていた。

2日目となる武道館の会場は、ライブグッズのTシャツを身に纏ったオーディエンスで超満員だ。チケットもSOLD OUTと、オーディエンスからはLUNA SEAの復活を早く目の当たりにしたいとワクワクした顔が見受けられる。360°客席に囲まれたステージは、赤いライトで照らされ、オーディエンスは手拍子でメンバーの登場を待つ。照明が落ち、メンバーが次々と登場すると盛大な拍手で迎えるオーディエンス。RYUICHIがスタンドマイクの前に立ち拳を挙げると“a Vision”でライブがスタートした。SUGIZO(Gt/Vn)とJ(Ba)はステージの前方に立ち楽器を掻き鳴らすと、RYUICHIの「Come on!」の声に真矢(Dr)がドラムで応える。RYUICHIはステージ後ろにある客席も煽り、オーディエンスは手を挙げそれに応え、続く“TONIGHT”へ。J、SUGIZO、INORAN(Gt)はステージ左右へ動きながらオーディエンスとアイコンタクトで笑顔を送り、会場は一気にヒートアップしていく。

RYUICHIが両手を左右に広げながら回り会場を見渡すと、「武道館会いたかったぜ!昨夜はSilky Voice、今夜はNaked Voice。メンバーやスタッフが僕の為に用意してくれたライブ。約束の地、武道館に戻ってこられて嬉しい!今日は心の声で盛り上がって欲しい。武道館行くぞ!!」と挨拶をして、“Sweetest Coma Again”へ。SUGIZOはステージ床から激しく噴射するスモークを受けながらギターを弾き、Jとステージ左右を行き来する。そこにINORANも加わって3人で中央のドラムの前に集まり、真矢と顔を見合わせながらセッションすると、続く“The End of the Dream”ではスタンドマイクからマイクを取り、ハンドマイクで気持ちを込めて歌うRYUICHI。オーディエンスに指差しをしながら歌うRYUICHIにINORANとJが近づき、中央でアイコンタクトを取りながら歌い、ギターを演奏した。「どうもありがとう!またみんなで新しい夢を見ませんか?30周年を超え、そんな長い時間が経っても、まだ先の夢を見ているんだよね。ワクワクしています!」とRYUICHI。

“宇宙の詩〜Higher and Higher〜”へ移るとブルーのレーザービームでステージが彩られ、ミラーボールに反射した光が宇宙(そら)のような爽やかな空間にチェンジした。“闇火”ではSUGIZOはバイオリンに、INORANはアコースティックギターに持ち替え、幻想的なイントロから始まると、ステージには小さな炎がいくつも灯される。曲の後半に進むにつれ炎が激しく吹き上がり、会場の熱もあがっていく。RYUICHIの力強い歌声に、オーディエンスは拍手喝采だ。「どうもありがとう!武道館、今夜も熱いね!」とRYUICHI。「早くまた新しいツアーに向けて走って行きたいね!早くコロナのトンネルを走り抜けて行こうぜ!武道館、飛ばしていくぞー!」とのRYUICHIの声を合図に“CIVILIZE”へ。オーディエンスがざわめくと、Jは拳を突き挙げヘッドバンギングをしながらベースを弾く姿も見られた。続く“HURT”ではRYUICHIが体をくねらせながらリズムに乗り、SUGIZO、INORAN、Jはステージ左右に走りオーディエンスを盛り上げ、1部が終了した。

途中換気の為にインターバルを設けた後、手拍子で待つオーディエンス。会場に幻想的なSEが流れ、ライトで激しく照らされたステージにメンバーが再登場した。オーディエンスは拍手で迎える。INORANが右手を上に掲げると、オーディエンスも同じく手を挙げ、“LUCA”から2部がスタートした。INORANが手拍子を煽り、オーディエンスは手挙げ頭上で手拍子をしてボルテージを上げていく。続いて披露されたのは“JESUS”。ピンクのライトにステージが照らされると、JとSUGIZOがステージ前方に出てきてオーディエンスを煽る。サビではオーディエンスが一体となって同時にジャンプをすると会場が揺れた。「今夜のライブ楽しんで貰えていますか?今日来ないという選択をした人もいると思う。その勇気に感謝します。LUNA SEAが先頭で走り抜けて行くからね!行こうぜ武道館!」とRYUICHI。そのまま“END OF SORROW”、“SANDY TIME”と畳み掛け、“IN FUTURE”へ。SUGIZOのギターから始まり、真矢の激しいドラム裁きにオーディエンスは飛び跳ねる。JとRYUICHIが中央で近づいて見せると、INORANはステージ左右へ動き回りオーディエンスに近づく。途中、SUGIZOがINORANの近くに行き、向かい合ってギターを演奏すると、その姿にオーディエンスはより一層歓喜する。そのままSUGIZOがINORAN、RYUICHI、J、真矢の順に近づいてキスをしていく姿に会場からは笑いと歓声が漏れる。「武道館、まだまだ行けそうだね!この景色を目に刻んで、まだまだ飛ばして行きましょう!」とのRYUICHIの声に続き“Dejavu”へ。ステージ中央でINORANとRYUICHIが向かい合うと、RYUICHIは笑顔を見せる。そこにJとSUGIZOも加わり4人が並ぶとオーディエンスも最高の笑顔を見せた。

「武道館!本当の声を、心の声を聞かせてくれ!」とRYUICHIの声に拳を高く突き上げて応えるオーディエンス。ヒートアップする会場に“ROSIER”を披露とボルテージは最高潮に。SUGIZOはステージ後ろの客席に近づき、オーディエンスとアイコンタクトをとりながら盛り上げる。RYUICHIは真矢の前に行き、向かい合って歌い上げ、「アリーナ!1階!2階!」とオーディエンスを煽り、「武道館!お前らみんなで暴れていくぞ!」と、ラストに向けて畳み掛ける。最後はRYUICHIが両手を左右に広げ会場を見渡し、ぐるりと回ると「どうもありがとう!」と手を振りお辞儀をした。メンバーそれぞれがオーディエンスに感謝を伝え、2部が終了した。

アンコールを求めるオーディエンスは、手拍子とスマートフォンのライトを点灯し、会場を煌びやかに輝かせ、今か今かと待ち侘びる。すると、SUGIZOも自身のスマートフォンのライトを照らしながら登場し、続いてメンバーも登場した。RYUICHIはステージ一番前方まで歩いていき、深くお辞儀をし、「美しい空です!ありがとう!」とアンコールを待つオーディエンスに感謝を述べた。「いろんなことを試された3年間だった。音楽って人の根幹を大事にすると思う。これからも共に歩んで行きましょう!」とのRYUICHIの言葉に続いて“I for You”を披露。スマートフォンのライトを左右に振りながら、うっとりと声に聴き入るオーディエンス。メンバー紹介に移ると、いつもの順番とは違い、INORANから紹介され「トップバッターかー!(笑)みんなが言いたいこと全部言っちゃうよ?」とINORAN。「今までみんなと共に歴史を刻んできた。みんなのお陰でここまで来られたこと、幸せに思って過ごしています。半年間心配かけたけど、LUNA SEAの未来はキラキラしすぎ!」と笑顔で話したINORANに続き、SUGIZOの紹介へ。「2日間お越し頂きありがとうございます!30周年、キラキラと小僧のように楽しくライブしているってすごいよね!音楽は平和の象徴。これからも音楽の愛の灯火を伝えて行きましょう!」とSUGIZO。続いてRYUICHIの紹介では、SUGIZOが「今回不死鳥のように戻ってきてくれました!」とRYUICHIを紹介し「声が戻るのかなって心配だった。本当に2日間ありがとう!」と、術後の不安があったことを話したRYUICHI。「この2日間、Jがアイコンタクトを沢山してくれて、熱い想いを頂きました。」とメンバー愛を語った。Jの紹介では「これからもまたいろんなことを乗り越えていくんでしょうけど、ここにいられるのは俺達の仲間、スタッフ、今日来れなかった人たちや配信で見てくれている人たちのお陰。」と感謝を述べ、最後に真矢の紹介では、RYUICHIに「先生」と呼ばれステージの前に移動する真矢。途中でJとINORANが真矢に汗を拭くタオルを渡し、真矢がそのタオルで脇を拭く流れでオーディエンスからは笑いが漏れる。「みんながいい話をしたのでね、ここはRYUちゃんの復活を記念して、日本武道館に合わせて、日本チャチャチャ!と手拍子やりましょう!」とオーディエンスに呼びかける真矢。真矢の合図で「日本チャチャチャ!RYUちゃんチャチャチャ!大好きチャチャチャ!」とオーディエンスとともに掛け合いを見せるとRYUICHIは「声が無くてもちゃんと掛け合い出来るね!楽しかったもん!」と喜び笑顔を見せた。

「本当にどうもありがとう!もういっちょ行くぞ!」とのRYUICHIの言葉に続き“WISH”へ。銀テープが飛ぶと、SUGIZOとINORANはステージ左右走り、オーディエンスとコミュニケーションをとる。「本当に最高に幸せな2日間を過ごせました。本当にありがとう!最後に会場に集まってくれたみんな、配信で見てくれてるみんな、世界中で見てくれてるみんなに贈りたいと思います。」とRYUICHIが話し、アンコールのラストは“UP TO YOU”。真矢の前にメンバーみんなが集まりRYUICHIとSUGIZOは肩を抱き合いながら演奏していた。演奏を終えるとSUGIZOがRYUICHI、INORAN、J、真矢を自身のスマートフォンで写真に撮り、5人並んで両手を上げ、RYUICHIの合図で会場全体で一斉にジャンプをして公演は幕を閉じた。そしてRYUICHIはメンバー1人1人にハグをして、最後はRYUICHIを円の中心に5人で抱き合う姿にメンバー同士の仲の良さが見て伺えた。

充電期間に入ってから約半年。奇跡の復活を遂げたRYUICHI、そしてLUNA SEA。時折苦しそうに歌う姿も見受けられたが、ほぼ完璧と言って良い程の歌声に安堵した。公演終了後には、今年の12月17日、18日と、さいたまスーパーアリーナでの「黒服限定GIG 2022 LUNACY」2Daysライブが発表され、LUNA SEAの更なる活躍が期待できそうだ。コロナ禍でもこうしてライブが開催出来るのは「音楽を止めない」と語るLUNA SEAだからこそ出来るのだと感じたライブであった。

Text:隅内かな
Photo:田辺佳子、横山マサト

https://www.lunasea.jp/

LUNA SEA『復活祭 -A NEW VOICE- Day2「Naked Voice」』@日本武道館 セットリスト
第1部
01. a Vision
02. TONIGHT
03. Sweetest Coma Again
04. The End of the Dream
05. 宇宙の詩〜Higher and Higher〜
06. 闇火
07. CIVILIZE
08. HURT

第2部
01. LUCA
02. JESUS
03. END OF SORROW
04. SANDY TIME
05. IN FUTURE
06. Déjàvu
07. ROSIER

ENCORE
01. I for You
02. WISH
03. UP TO YOU