Maison de Queen『MAKE THE QUEEN』ライブレポート@Zepp Shinjuku

ここから始まる6人の旅路。豪華ゲストを迎えたお披露目公演。

Maison de Queenのお披露目公演『MAKE THE QUEEN』が9月11日(水)、東京・Zepp Shinjukuで行われた。「それぞれの人生を歩んできたQueen達が世界中へ旅をしながら、その国の住民たちと繋がり強く美しく革命を起こしていく物語」をコンセプトとして、もいちゃん、つづく、ジェニー、黒魅らら、羽島めいの5人に、車掌のぁぃぁぃを加えた「5+1」形態のMaison de Queen。お披露目公演のゲストには、我儘ラキア、INUWASI、ジエメイが出演した。

開演時間を過ぎ、満員の会場で先陣を切ったのはジエメイの4人。「新たな時代の幕開け!準備はいいか新宿〜?!」の煽りは高らかに、「ジエメイ、始めます。」の合図は秘めやかに。見事な歌声と挑発的なステージングでフロアは一気に沸き上がる。MCも入れず“ラ・ラ・リバース”、“な?”、“レアリゼ”などを含む8曲を続け、重厚なサウンドの中で舞い踊り、ジエメイはステージの華となった。続くINUWASIは大きなコールの中で迎えられ、柔らかな袖を翼の如くはためかせる。アイドルと聞いて誰もが想像する可愛らしさをシャウトが貫き、聴く者の脳を揺さぶるパフォーマンス。高らかなコールと手拍子の中で“Hyper Nova”、“Altair”、“REONE”など8曲を披露し、最後にはニューアルバムを引っ提げた全国ツアーを予告して、INUWASIはステージを去った。3組目の我儘ラキアは、これまでの2組が持つ「アイドル」のイメージから一変。ハイブーツにファッショナブルな衣装を合わせ、hip-hopとガールクラッシュを思わせる楽曲はメンバー自らの手によるもの。ディスコ風の派手なライトが彩る中で歌い踊る4人は異国感を醸し出し、その雰囲気で初見の観客をも圧倒する。「今日はMaison de Queenに向けて良いバトン繋いでいきたいので、最後までよろしくお願いします」そう語ったのは我儘ラキアの星熊南巫。“IDOl”、“M”、“GR4VITY G4ME”など7曲を歌った4人は、自らを「アウトローなグループ」と称しながら、新しい物語の始まりの場に呼ばれた喜びと感謝を語った。

そしていよいよ待ちに待ったMaison de Queenが、壮大な音楽のもとに煌めく舞台の上へ立つ。青と白で統一された衣装でひとりずつ舞台に現れ、観客に背中を向ける6人。観客たちが色とりどりのペンライトを振って出迎える中、ふと静寂が訪れた。「Let’s go Maison de Queen」その声と共に鳴り響くのは重々しいイントロ。彼女たちが初めて披露した“MAKE THE QUEEN”は、力強い音楽とともに自身の存在を表明する楽曲だ。ひとりひとりが順に歌声を響かせて、6人は堂々たる足取りでステージを闊歩する。ビビッドに幕を開けた彼女たちのステージは、2曲目の“Life is A GAME”でパフォーマンスの個性を見せる。指先や視線の流れまで神経が通ったダンススキルで魅了するジェニー。淑やかな手振りで美しい黒髪をなびかせるつづく。小悪魔的な歌声で人形めいたドレスの裾を揺らす黒魅らら。観客ひとりひとりの瞳を見詰める羽島めい。柔らかく可愛らしい仕草が正統派アイドルらしいもいちゃん。そして力強い一挙手一投足で人を惹きつけるぁぃぁぃ。6人それぞれの個性がMaison de Queenの世界観を作っていく。

3曲目の“偶像ファンタジア”はコール&レスポンスが華やかな正統派アイドルソング。これまでの2曲で想像以上のラウドさを見せてきただけに、意外性で観客を喜ばせる。息の合った観客たちとの掛け合いは、とても初披露とは思えない。「みなさん初めまして!私たち、Maison de Queenです!」羽島めいの挨拶で一礼した6人は、集まった観客に感謝を述べて自己紹介。キャッチフレーズもポーズも無い初々しい自己紹介だったが、観客は温かい拍手と惜しみない歓声を贈る。そしてジェニーがゲスト出演した3組にも感謝を述べるが、彼女たちは楽屋でゲストのパフォーマンスを見ていたそうで、「もいちゃんは(観客の様子を見ながら)『オタクになりてぇ!』って言ってたよ」とぁぃぁぃから暴露される。ここからMaison de Queenの初ステージは後半戦へ。時計の針が進む音を思わせるイントロに、針を重ねたような照明。その中で歌い出される“Tiny Days”は未来的な雰囲気を纏う。“Killa”では観客たちの上にミラーボールが輝きを撒き散らし、ステージでは6人の歌声の個性が際立つ。

ラストソングとなった“i mean”は、エキゾチックで官能的な旋律を持つナンバー。フォーメーションを重視した図形的なダンスはこの先の“Maison de Queen”のシンボルとなるのだろうか。重厚なサウンドとアイドルらしい可愛さが混在する楽曲に、未来的なデザインとゴシックさを併せ持つ衣装がよく似合う。そんなことも気付かせるのは、ステージの見事さゆえだ。「以上、Maison de Queenでした!ありがとうございました!」そう言ってステージを去った6人を、満場一致のアンコールが呼び戻す。つづくが感謝の言葉を声に乗せ、色とりどりのサーチライトが回転する中で再び“偶像ファンタジア”を披露する。掛け合いと振り付けが楽しいこの曲は、今後の定番曲となっていく予感がした。公演の最後に公式YouTubeチャンネルのスタートと、ファンクラブの開設を発表したMaison de Queenは、次なる大阪公演、そして海外公演へと歩みを進める。数々のステージを踏んで来たゲストたちに劣らぬパフォーマンスで満員のZepp SHINJUKUを魅了した6人は、ここからどこへ向かっていくのだろう。その旅路に期待が募る。

Text:安藤さやか
Photo:TERU

Maison de Queen『MAKE THE QUEEN』@Zepp Shinjuku セットリスト
01. MAKE THE QUEEN
02. Life is A GAME
03. 偶像ファンタジア
04. Tiny Days
05. Killa
06. i mean

ENCORE
01. 偶像ファンタジア