豆柴の大群 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

豆柴の大群『まめジャー!』

全員が作詞に参加!メジャー初アルバムに込められた“見返したい気持ち”

10月にメジャーデビューを果たした豆柴の大群が、メジャー初アルバムとなる『まめジャー!』をリリース。TBS系「水曜日のダウンタウン」内のアイドルオーディション企画「MONSTER IDOL」から誕生し、華々しくデビューを飾ったものの、直後にコロナ禍という試練が訪れてしまった彼女たち。全12曲中6曲でメンバー作詞による楽曲が収録された本作には、そんな彼女たちの見返したい気持ち、そして未来に対する前向きな気持ちが詰め込まれている。アイカ・ザ・スパイ、ナオ・オブ・ナオ、ミユキエンジェル、ハナエモンスター、カエデフェニックスの5人に、それぞれの個性が強く浮き出た歌詞について解説してもらった。

■12月で結成1年を迎えられましたけど、コロナの影響で想像していたものとは違う1年になったと思うんです。

ナオ 番組が終わってからが本当のスタートだなと思っていた矢先に、世の中がコロナになって……。ライブやイベントが全部中止になってしまい、がんばりたいと思っていたものが、がんばれない状況になって、やるせない想いはありました。でも、配信ライブも経験させていただいて、10月には有観客のワンマンライブもできて、今も不安定な状況ですけど少しずつ進めているのかなと思います。

■思うようにいかないことも多かったと思いますけど、ツラかったことはありましたか?

カエデ 私だけ後から加入して、初めてのお仕事がテレビ出演だったんですけど、加入から1週間くらいしか時間がなかったんです。だから、ボロボロのパフォーマンスしかできなくて、ネットでめちゃくちゃ叩かれて……。その時は結構精神的にきましたね。

■「ひとりだけフリが揃っていない」みたいな?

カエデ そうです。もともと私はオーディションでクロちゃん(元・豆柴の大群プロデューサー、現在はアドバイザー)に落とされていたので、「やっぱりクロちゃんの判断は正しかった」とか、「お前いらないよ」とか言われて、最初の方は「ごめんなさい!」と思いながら活動していました。

■それはツラいですね。今はもう大丈夫ですか?

カエデ はい!メンバーみんなが何から何まで教えてくれて。ライブができない期間に、みんなで練習していたこともあって、ようやくライブを楽しめる余裕が出てきました。

ナオ それまでのライブは、ずっと表情が固まっていて。

ハナエ キョロキョロしてたよね。(笑)

ナオ ずっと心配だったんですけど、最近は笑顔で踊れるようになってきたり、マイクを離さずに歌えるようになったり。以前は歌い終わる前にマイクを口から離しちゃって、最後の一音だけ聴こえないとかあったんですよ。(笑) でも、今はファンの方から「カエデちゃん、ダンスも歌も上手くなったよね」って言われることも増えて。この1年で大きく成長できたんじゃないかなと思います。

カエデ ありがとう……。

■やっぱりネットの声は気になりますか?

ナオ そうですね。自粛期間中が本当に。

■ネットでしかファンと交流できる場がなかったですしね。

ミユキ 私はネットの声に耳を傾けちゃうタイプなので。ようやく最近、有観客でライブできるようになってきて、生の声が聞けて幸せだなって思えるようになりました。

ナオ 生配信もコメントとかもありますけど、匿名だとなんとでも言えるじゃないですか。的を射ている時もあるので、見ることも無駄ではないと思うんですけど、やっぱり生の声は重みが全然違いますね。

■そんな中でメジャー初アルバム『まめジャー!』がリリースされますけど、6月にもインディーズでアルバム『スタート』を出されていて、その時と違いはありましたか?

ハナエ 今回はすごい挑戦的なアルバムだなと思っていて。メンバーが作詞した曲がたくさん入って、5人全員で書いた曲もあるんです。より自分たちで作った感が強いアルバムになりました。

■「作詞してください」って言われたんですか?

ナオ 『スタート』の時も同じだったんですけど、とりあえず全員が全曲の歌詞を書くんです。それをスタッフさんに提出して、良かった人の歌詞が選ばれたり、誰も選ばれずに違う人が書いた歌詞になったり。

ハナエ WACK(所属事務所)では、他のグループもみんな同じシステムでやっていて。今回はシングルに入っていた“サマバリ”、“恋のかけ算 ABCDEFG”、“今”の3曲以外は、全部一回みんな書きました。

ナオ 前回はハナエしか選ばれなかったんですけど、今回はみんな何かしらの形で使われているんです。私は5人共作の“MOTiON”でしか採用されませんでしたけど。

■“MOTiON”はみんなでテーマを決めて作ったんですか?

ナオ 特に相談とかはしていなくて、それぞれが書いた歌詞をスタッフさんが組み合わせて作ってくれたんです。でも、ちゃんとつながっていて、しかもいい歌詞なんですよ。

■別々に作ったとは思えないほど違和感なかったです。それぞれ何をテーマに書いたんですか?

ナオ 私は今の豆柴の状況と、これからどうがんばっていくかを書きました。

ハナエ 私は今の豆柴の状態から、もっともっと上に行きたいっていう気持ちを書きました。

アイカ うちも豆柴のことで、やっぱりアイドルは笑顔が大切って言うじゃないですか。それと、結構「豆柴はオワコン」とか言われるので、「先は真っ暗だな」みたいなことを書いてみました。

カエデ 私は豆柴の大群を一部しか見ないで批判する人たちを見返したくて、「もっとできる、がんばろう」みたいなテーマで書きました。

■「舐められたくないの」という歌詞を書いたのはカエデさんですか?

ナオ そこは私です。(笑)

カエデ でも、みんな同じことを思っているのかなって。

■じゃあ、ミユキさんも?

ミユキ 私だけ豆柴のことじゃないんです。(笑) 好きなアーティストの事を想って、「どうしているのかな?」という感じでサビを書きました。

■好きなアーティストを心配している曲?

ミユキ もっと聴かせて欲しいなっていう感じで書きました。

ナオ でも、全体を通して見ると今の豆柴に当てはまっていて、すごいなって思いました。

■ちなみに「抉り取ってよ内臓」は誰が書いたんですか?

ミユキ そこは私です。

ハナエ サビはミユキですね。

アイカ ミユキっぽさが出てると思う。

■すごい表現ですよね。さっきカエデさんが「見返したい」と言っていましたけど、そういう気持ちは強いんですか?

カエデ そうですね。

ナオ 番組が終わってから、番組しか見てない人たちから「最近テレビで見ないけどどうした?」という声も多くて。テレビに出ていないだけで、一応活動しているんですけど……。

■一応どころかメジャーデビューしていますから。(笑)

ナオ はい。そういう側面しか知らない人たちにも、私たちの存在を届けたいし、あわよくば好きになってもらいたいし、今はいろんな人に知ってもらう期間だなって思うので、このアルバムを聴いてライブに行ってみたいなと思ってもらえたら嬉しいです。

■それぞれが書いた歌詞についても聞かせて欲しいんですけど、まずアイカさん作詞の“LUCKY!!”にラッキー要素が見当たらなくて……。

カエデ そうですよね。(笑) サビのところで「Say! Lucky!!」っていうガヤみたいなのが入っていて、それで『LUCKY!!』になっただけなんですよ。

ミユキ レコーディングの時に、このガヤをどうするかという話になって、松隈さん(サウンドプロデューサーの松隈ケンタ)が、「作詞したアイカが考えてよ」って急に振ったんです。それで出た答えが「Say! Lucky!!」で。(笑)

■もともとは何をイメージして書いた歌詞だったんですか?

アイカ なんだろう……次の日が来て欲しくないような曲。

ハナエ 全然ラッキーじゃない。(笑)

アイカ 過去の自分を思い返したりして書いたので、内容はラッキーじゃないんですけど……。

■何かツラい過去があったんですか?

アイカ 学生時代に先生と相性が合わなくて、悪いことをしていないのになぜか怒られたりして。「お前、もう終わり」みたいな感じで。

ミユキ そんなこと言われるの!?

アイカ なんかバカにされていたので、見返していきたいなって思います。

■今は見返す絶好のチャンスですね。

アイカ はい!

■カエデさんは“まめのうた”の作詞をされていて、童謡みたいな歌詞ですよね。

カエデ 他の曲はわりと現実的な歌詞を書いていたので、まさかこれが採用されるとは思わなくて。

ナオ 帰りの電車で15分くらいで書いたらしいんですよ。

カエデ そうなんです。捨て曲のつもりで書いた曲で。(笑) 仮歌の時点で「まめまめまめ」と連呼するところは入っていて、そのワードをそのままお借りしたので、松隈さんと共作になっているんですけど、豆の気持ちになって書きました。豆って嫌われがちじゃないですか。でも、おいしいし「主役にだってなれるはずなのに!」と思って。

■枝豆を意識したんですか?

カエデ さやえんどうです。さやえんどうこそ嫌われがちじゃないですか?

■僕は好きですけど。(笑)

カエデ 嬉しいです!あと、自分たちとも重なるところがあるなと思ったんです。豆柴の大群も世間からいろいろ言われるけど、もっともっとおいしくなるから、それまで待っておいしく食べてねという気持ちです。

■それが「いつか主役のあの子みたいに」という歌詞に込められているわけですね。

カエデ そうですね。「いつか大きいステージに!」っていう気持ちです。

■15分で書いたとは思えない完成度なので、ぜひ続編も作って欲しいです。

カエデ 擬人化シリーズいいですね!いろんなものの気持ちになれるようにがんばります!