■そしてDisc1は最後に、唯一表題曲でも新曲でもない“11人が集まった理由”が入っていますけど、やっぱりナナニジにとって大切な曲なのかなと。
白沢 私たちはずっと11人で活動してきて、アルバムのタイトルも『11という名の永遠の素数』で、11という数字はキーワードになっているので、やっぱりこの曲なくして22/7は語れないということが、ここに入っていることで改めて可視化されたなと思います。
宮瀬 もともとファーストシングルのカップリングだったんですけど、この時は先に8人曲が2曲できて、最後にこの“11人が集まった理由”が届いたんです。やっと私たちの願いが叶ったというか、みんなで「11人曲が欲しいです」とスタッフさんにも言ったし、それを経てできた曲が、こうしてアルバムの最後に入っていて、しみじみ過去を感じるというか。今はメンバー10人で活動していますけど、「何人グループ？」って訊かれたら、無意識に「11人」って言っちゃうくらい染みついていて。この曲は絶対に題名は変わったらいけないと思うし、これからもずっと大切にしたい曲です。
■河瀬さんは後から加入して、リリース当時はいませんでしたけど、どういう曲に感じていますか？
河瀬 ライブでも歌ったことはあるんですけど、やっぱり「私が歌っていいのかな？」って思ってしまう部分が大きくて。でも、周りのメンバーが支えてくれて、ファンの方が「詩ちゃんが入って、この曲を歌ってくれてよかった」と言ってくれることもあって。なので、いろんな思いが浮かぶんですけど、自分にできることは最大限やりたいし、10人になったからといって消してしまいたくはない曲なので、これからも歌い継いでいきたいし、ずっと残るような曲になるといいなって思います。
■歌い続けていくうちに、曲に対する気持ちも変わっていきそうですよね。この3人はユニット「蛍光灯再生計画」のメンバーでもありますけど、セクシーがコンセプトなんですよね？
白沢 そうなんですよ。(笑)
河瀬 演じているキャラがセクシータイプで。
■みなさんはグループの中でセクシーな方なんですか？
白沢 私がなんか、担当みたいになっています。(苦笑)
河瀬 ここ2人(河瀬と宮瀬)は真逆と言ってもいいくらいで……。
■宮瀬さんはキャラソンの“Moonlight”でも、めちゃくちゃセクシーな歌を披露されていますよね。
宮瀬 そうですね……。さっき詩ちゃんが言ったように、私は本当にセクシーとは離れた位置にいて。そのキャラソンもものすごく苦労したんです。でも、今回3人の新しい歌をいただいて、「昔よりはセクシーに近づけているかな？」と思うと、その幅を広げてくださったんだろうなと思いますし、自分の糧になっていたんだなと思います。
■河瀬さんもセクシーとは逆とおっしゃられていましたけど？
河瀬 そうですね。(苦笑) 立ち位置的には離れたところにいると思うんですけど、私が演じている斎藤ニコルちゃんも、本人自体はそんなにセクシーという感じではなくて。でも、ニコルちゃんはすごくプロアイドルで、カッコいいも、かわいいも、全部こなせる人なので、セクシーな曲もすぐにできちゃうと思うんです。だから、どんな曲が来たとしても、ニコルちゃんならやるだろうなと思って、私もそうならなきゃなと思っていて。そんなに大人っぽい声を出せるわけじゃないんですけど、「それがアクセントになって、曲に味が出ているよ」と言っていただけることも多いので、自分の中でできることをこれからもやっていきたいなと思っています。
■今回はユニットでの新曲“交換条件”が収録されていて、それぞれのセリフ部分も印象的でしたけど、どの順番で言っているんですか？
白沢 私がいちばん最初の「最低の人間だ 君を愛してから僕は自己嫌悪に陥っている」です。
宮瀬 「周りのことなんか何も目に入らない 正直、世間なんてどうだっていい」が私です。
河瀬 最後の「どんな交換条件も飲もう それが愛だ」が河瀬です。
■パンチあるセリフですよね。セリフを言う時に意識したことはありましたか？
白沢 私の担当する丸山あかねちゃんが、すごく合理的で真面目で、あんまり感情を表に出さないキャラクターなので、そことのバランスを毎回セリフでは意識していて。感情的になりすぎてもダメだし、だからといってまったく感情を見せないと何も伝わらないので、その間の絶妙なポイントを探りながらレコーディングしました。
宮瀬 私は曲に入り込むタイプなんですけど、これをレコーディングした時も、本当に「世間なんてどうだっていい」と思いながらセリフを言いました。それで、その気持ちを感情的に出すパターンと、抑え込んで淡々と言うパターンの2つを録って、曲の雰囲気に合う方を使うことになったんです。その結果、淡々とした方が使われているんですけど、感情的なパターンの方は、思い切り殻を破って言いました。
河瀬 私のパートは「どんな交換条件も飲もう」の直後に、曲の雰囲気が一瞬落ち着いて、そこから「それが愛だ、あーあー」って、ラスサビに向かってキーポイントになる部分なんです。たぶん、これをライブでやる時は、客席がシーンとなったところで「それが愛だ」って言う感じになると思うんですけど、それを想像すると今から緊張してしまって……。でも、セリフは本当にナマモノなので、それぞれの表現の仕方とかがグッと伝わればいいなと思っています。
■22/7はこの曲に限らずセリフが入る曲も多いですけど、ライブだとその時のテンションによって表現も変わってきそうですよね。
白沢 そうですね。意図するわけではないんですけど、毎回違う感じにはなっていると思います。
河瀬 特にライブ終盤で披露する時は、知らず知らずのうちに感情が入っちゃうことが私はよくあります。
■毎回ライブのたびに、今日はこの方向でいこうとか決めても楽しそうですよね。
白沢 あー、楽しそう！
河瀬 最初の人がテンションを決めると勝手に思っているので、最初が淡々としていたら、「あ、今日はそういう感じなんだ……」って、合わせにいく気がします。
■そのテンション次第では、宮瀬さんの感情的なバージョンのセリフを使う機会があるかもしれないですね。
宮瀬 そうですね。どっちになるか楽しみにしていただければ嬉しいです。
■このアルバムがひとつの区切りになると思うんですけど、これからのナナニジはどうなっていきそうですか？
白沢 22/7はキャラクターコンテンツが先行して、その声優を私たちがやるということで活動してきて、私もファンの方から「丸山あかねちゃんを好きになって、中の人である私を好きになった」という声をいただくことも多いんです。私はナナニジにいる限り、丸山あかねちゃんと一緒に活動していきたいなっていうのが今の率直な想いです。
河瀬 22/7はコンテンツがたくさんあって。ゲームもあるし、バラエティ番組もあるし、アニメもあるし、ライブもあるし、どこから手を付ければいいかわからないという人もいると思うんですけど、「アニメは全然わからないけど、バラエティ番組を見て好きになったよ」と言ってくれる人がいたり、その逆の人もいたり。入口がたくさんあるからこそ、どれもないがしろにしてはいけないと思っていて。これから新しいコンテンツが増えれば、もっと入口を広げられるとも思いますし、一つ一つのお仕事を丁寧にやっていけば、もっともっと大きいグループになれると思うので、これからもがんばっていきたいです。
宮瀬 これからナナニジがどうなっていくのか、私たち自身もまだ見えていないですけど、全部のお仕事を一生懸命やらせていただいているので、それが何かしらで実を結んだら嬉しいですし、やっぱりたくさんの方に曲を届けて、パフォーマンスを見てもらって、好きになってもらえたらと思っています。そうすることでまた新しい未来が見えてくると思いますし、そうなるにはファンのみなさんのお力も必要ですので、ぜひ応援してもらえると嬉しいです。これからもよろしくお願いします！
Interview & Text：タナカヒロシ
PROFILE
22/7(ナナブンノニジュウニ）は、アニプレックス、ソニー・ミュージックレコーズとともにタッグを組み、秋元康が総合プロデュースを手がけるデジタル声優アイドルグループ。メンバーは“デジタル声優アイドル”として、アニメキャラクターの声優も務める。2016年12月、オーディションにより11名が選出されグループを結成。2017年9月、シングル『僕は存在していなかった』でメジャーデビュー。2021年6月にリリースされた、最新シングル『僕が持ってるものなら』では、自身初の10万枚出荷を突破し、3作連続オリコンウィークリー2位を獲得。2020年1月から3月にかけてテレビアニメ「22/7」が放送された。
https://nanabunnonijyuuni.com/
RELEASE
『11という名の永遠の素数』
完全生産限定盤A（2CD+BD+フォトブック）
※Disc2：キャラクターソング盤
SRCL-11780～11783
￥9,980（tax in）
完全生産限定盤B（2CD+BD+フォトブック）
※Disc2：ユニットソング盤
SRCL-11784～11787
￥9,980（tax in）
完全生産限定盤C（2CD+BD+ジャケットイラストアートワーク集）
※Disc2：カップリングベスト盤
SRCL-11788～11791
￥9,980（tax in）
通常盤（CD）
SRCL-11792
￥2,500（tax in）
Sony Music Labels
7月14日 ON SALE
