Non Stop Rabbit VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

Non Stop Rabbit『三大欲求』

■自分たちで既存の価値観を壊してしまおうと?

田口 そうです。まず僕らが「尊いよねー」って言っちゃうっていう。ある意味反骨精神ですよね。そういうのぶっ壊したいよねっていう。

■最後の方の「推しがいないあなたには分からない」という歌詞、聴き手に投げかけている感じがハッとしました。

田口 でも大体そうですよね。推したことない奴が推している子をバカにするんですよ。熱狂的になったことない子たちが。推したことない奴がそれをバカにするのは違うよねっていう。そういう文化の違いから「バンドマンのことは推すな」とかなるんだったら、「一回飛び込んでみなきゃわかんなくない?」って。ちょっと突きつける感じですね。

■最初女装すると聞いた時、矢野さんと太我さんのお2人はどう感じたんですか?

矢野 ちょうど女装したかったので。(笑)

太我 男装に戻るのがちょっと嫌だったくらいだもんね。

田口 男装って…。(笑)

■結構ノリノリな感じでした?

矢野 そうですね。普段そういうこともなかなかないので。

■最後にこういったユーモアのある曲が入るのがノンラビらしさを感じます。

田口 僕ら、カッコつけて終わるのが苦手なんじゃないですかね。前回のアルバムも最後に“偏見じゃん”っていう変な曲もってきたり。「カッコよかった」って思われると、ちょっと照れるというか。散々YouTubeではふざけておいて、それはちょっと違うなっていう。

■配信ライブはやりたくないということを以前のインタビューでおっしゃっていましたが、その気持ちは今でも変化がないですか?

田口 全然変わらないです。

■「ライブがしたくて仕方がない」みたいなのはなかったんですか?

田口 やりたいんですけど、何が嫌かって、パンパンで、ぐっちゃぐちゃで、汗だくで、わーわーなっているのを一回でも体験して、なんならお客さんとしてもあそこに突っ込んだこともある僕たちが、椅子を並べられたり、間隔が空いていて、周りを気にせずに楽しめるかって言われたら、全然そうじゃないなって思っていて。あの時みたいに「ああ、楽しかった!気持ちよかった!」って帰れないなと思って。ちょっと気を遣ってライブを観ているみたいな。それが配信の場合は余計に気持ち悪いなと思ったんです。タオルもいらないわけじゃないですか、汗もかかないし。僕らだけ汗かいてって、なんか気持ちよくないなっていうのがあって。だから、5月末に豊洲PITを抑えていますけど、ライブが出来ることになったとしても無料でやります。間隔を空けなきゃいけないので、その時点でそこにお金を払わせるは絶対に違うので。そこで配信もやろうかって言っているんですけど、もちろんそれも無料ですね。

■ライブについてのこのような考えについては他のお二人も同じ考えですか?

矢野 そうですね。

■熱気の中でやってこそ、みたいな感じですか?

太我 僕は楽しければいいので。逆にどうなんですかね?ゆっくり見られるというか、これも今だけの楽しみ方というか。僕は昔からライブとかめっちゃ行っていたんですけど、あのごちゃごちゃの空間はちょっと苦手だったんですよ。(笑)

■そういう人もいますよね。

太我 コロナがどこまで続くかわからないですけど、期間限定でゆっくり見られるっていうのは逆にいいのかもしれないですね。あんなに冷静に見られることないですからね。

矢野 初回限定版に入っているDVDの撮影をした時、はじめて無観客でライブパフォーマンスをしたんです。その時はやっぱりまた違うライブになったんですよ、自分らの中で。お客さんがいるのといないのとでは全然違うものになったんですね。それはそれでありなのかもしれないけど、そこでやっぱりお客さん一人ひとりがそこにいることの重大さっていうか、僕らもいろんなものを貰っていたんだなっていうのをすごく感じました。それが少しでも味わえるんだったらライブはやってもいいかなって思います。

■お客さんがいるのといないのとでは演奏側のテンションも変わりますよね。

田口 それは全然違います。人がいないと前を見ないですもん。だから、お客さんはこっちを見たくて来てるかもしれないけど、僕らもお客さんを見たかったんだなって。それは無観客収録の時に思いました。

■お客さんがいないとカメラを見る感じになるんですか?

矢野 カメラも見ていなかったですね。無でした…。(笑) だからその映像を観て、ぜひライブに行ってみたいって思って欲しいです。ライブ来たらまったく違うものなので。

■今伺ったように、コロナウイルスに伴う情勢でライブなどの活動に影響が出ることは多々あると思いますが、そんな中でのこれからの目標について、お一人ずつ聞かせてください。

田口 そう考えるとライブってズルかったんですね。ライブ会場の大きさとかって目標として挙げやすいから。

矢野 逆に聞きたいです、他のライブバンドに。今は何を目指しているのか。それ聞いてもらって僕らのところに載せておいてもらっていいですか?(笑)

田口 僕はまあ、一曲国民的な代表曲を作ることですね。メジャーでやらないとわからないところもあるなと思ったので、そこをもっともっと勉強して、国民的な1曲を作りたいです。

矢野 YouTubeの登録者数が今56万人とかになっていると思うんですけど、Twitterなどの個人のアカウントがそれに比べて少ないんです。それは当たり前だとも思うんですけど、YouTubeは興味持ってもらっているけど、個人としてはフォローしようと思ってもらえていないのが悔しくて。YouTubeフォローしているんだったら、「好きなハズじゃん」って思うんですよ。本当だったら10万人くらいいてもおかしくない数字なのに、いないってことは、まだまだ個人としての魅力が足りないと思うので、そこはキャビアにやっていきたいなと思います。

田口 いやシビアな…。

全員 (笑)

太我 僕は全体的に「ノンラビの時代がきた」みたいな、SNSとかYouTubeもそうですし、「最近ノンラビえぐいよね!」って全SNSで言われるようになりたいですね。

■SNS系の目標が出てくるのが面白いですね。音楽での目標ではなく。(笑)

田口 まあ曲作っているのは僕だけなんで。

矢野 そうなんですよ。一人ちゃんといるので。(笑)

■なるほど。では最後に、今回のシングルに収録されている4曲の中で一番お気に入りの曲をお一人ずつ教えてください。

田口 僕は圧倒的に“三大欲求”です。今は欲求が抑えられていて、思っちゃいけないみたいな世の中になっていますよね、不要不急とか、自粛とか。「じゃあ好きなことやっちゃいけないんだ」みたいになっていますけど、でも全然そんなことはなくて。冷静にもう一回考えて欲しいんですよ、できることっていっぱいあるので。今できることをしっかりやって欲しいなって。そんな思いも込めて作っているので、やりたいことの中からできることを見つけて欲しいですね。

矢野 僕は“推しが尊いわ”ですかね。これはやっぱりMVと併せて楽しんでもらいたいです。CDを聴いた人も、YouTubeに飛んでもらって女装を見てもらいたいなと。ここまで振り切れるロックバンドはいないと思うんですよ。この4曲の中でも1曲だけ異質じゃないですか。それも楽しんでもらいたいですね。

太我 僕は“是が非でも”ですね。今ってあんまりロック系の曲が聴かれていないじゃないですか。流行っている音楽もボカロっぽくて、電子的な音楽ばっかりなので。みんなそういう音楽を聴いているので、たまにはこういうロックな音楽も聴いて欲しいなと。おすすめです!

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
2016年11月1日、埼玉にて結成した3ピースロックバンド。活動初期は路上ライブをメインに活動してしていたが、音量制限の問題などで自粛を余儀なくされ、YouTubeやTwitterに活躍の場を広げる。SNS上では 音ネタ動画を中心にBuzz動画を複数発信している一方で、音源のリリースもハイペースでおこなっている。晴人(Vo)の甘く高い声と達也(Gt)が作り出す疾走感溢れるメロディーに、サウンドプロデューサー・鈴木Daichi秀行がアレンジを加える楽曲は、多くの人に愛されている。なお、ライブには必ずYouTuberとしての活動で培ったトーク力を活かすお笑いコーナーがあり、こちらも必見の内容になっている。
https://nonrabi.com/

RELEASE
『三大欲求』

初回生産限定盤(CD+DVD)
PCCA-06039
¥2,750(tax in)

通常盤(CD)
PCCA-06040
¥1,650(tax in)

ポニーキャニオン
5月19日 ON SALE