Novelbright VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

Novelbright『EN.』

■それから今回は作品全体的によりエモくなった印象があります。

聡次郎 その辺りの感情表現や感情移入に関しては、歌もそうですが、メロディや演奏でもより前面に表そうとの意識はありました。それが故に、逆に全体的に圧迫感があって、トゥーマッチになりそうな懸念もあって、あえて間に“フォーリン・ヴィーナス”のような軽くて親しみやすい曲を入れることでバランスを保ったりしました。

■前作でも鍵盤やストリングス、打ち込み等々、自分たち+αの要素を取り入れてはいましたが、今回はよりその比率も大きく、全編に渡っていわゆる「作品は作品、ライブはライブ」的な意識や割り切りが伺えます。

聡次郎 ほとんどの楽曲で入れていますからね、今回は。その辺りこそ、圭吾くんが加入したことにも関係しています。というのも、圭吾くんが以前にやっていたバンドが、ピアノやストリングスを全面に押し出す音楽性で。そのような意味では、よりこの演奏陣だからこそ作れる音楽といった気概や意気込みも込めて起用している面もあります。

海斗 自分的には逆にこの辺りすごく勉強になったし、新しい試みでもありました。というのも、僕の中では過去このようなタイプの楽曲を作ってこなかったこともあって。「こういったタイプの曲は他のメンバーが作るから、自分は違ったテイストでいいや」と避けていましたが、今回はせっかくの機会だったので、自分の中の振り幅を広げる為にも、ピアノやストリングス、シンセサイザーの音も積極的に入れました。あとはトレンド的な音楽性や、対照的に不変的なJ-POP的なメロディや展開、転調等を積極的に取り入れてみたんです。おかげさまでバランスやバラエティさ、幅はかなり出せたかなって。

ねぎ 転調なんてまさに新要素ですからね。これまでの自分たちではなかったテイストでしたから。逆にその味を覚えちゃったもんだから、自分たちの中で流行しちゃって。ドラムに関しても、圭吾くんが元ドラマーだったこともあり、いろいろと相談したりアドバイスしてもらいながらアレンジをしていきました。そのおかげで自分では思いつかなかったドラムパターンやフレーズ等も入れられたし。あとはどんなに大変でも生や人力、そこにはこだわりました。なので、各曲キチンと生や人間が叩いているが故の感情を込められたかなと。

圭吾 ベースに関してはまだ修行中の身なので、今回はベースはもちろん、ドラムや全体的な部分のアドバイス等で関与している意識も強くありました。あと、ピアノやストリングスが加わることで、元々Novelbrightの歌やメロディが有していた美しさ、それを更に映えさせることが出来たかなって。

■雄大さんの歌はいかがでしたか?

雄大 今回タイプが違うバラードが2曲入っているんですが、その辺りも是非注目して聴いて欲しいです。メロディラインを大事にしつつも、そこにとらわれない感情移入をして歌わせてもらいました。ストリングスや鍵盤もそうですが、今回はメロディもより力強くなった分、これまでの歌い方だと埋もれたり、飲み込まれたりして、せっかくのメッセージも伝わらない懸念もあったので。あえてそれらに負けないようにとの意識で歌いました。中でも特に“Heart voice”は全編英語詞なんですが、そこは元々僕が洋楽が好きなので、そのテイストはもちろんですが、あえて海外に向けてという気概もありました。

■おっ、頼もしいですね。

雄大 今はまだ時期尚早だし夢ですが、僕らは将来海外でもやっていきたいので。それらも含め、自分たちがどこまで行けるかとの気概で歌わせてもらいました。もう、この曲はデモをもらった瞬間から映画のサウンドトラックのように絵が浮かんできて。海外のすごく歌の上手な歌姫が歌っているようなイメージで歌わせてもらいました。(笑) この曲は聡次郎が作曲したんですが、この歌に対しての自分へのリクエストが、「映画『タイタニック』の際のセリーヌ・ディオンの歌が流れる場面を思い浮かべて歌って欲しい」でしたから。(笑) このアルバム中で、最も女性の気持ちに近づけた瞬間でもありました。(笑)

Interview & Text:池田スカオ和宏

PROFILE
大阪を中心に活動する5人組ロックバンド。雄大(Vo)の唯一無二の心を震わす圧倒的な歌声、一度聴いたら忘れられない確かなメロディワーク、細部まで練りこまれた楽曲アレンジに定評がある。2013 年にオリジナルメンバーで結成し、メンバーチェンジを経て、2018年10月に1stアルバム『SKYWALK』でインディーズデビュー。2019年9月、待望の2ndアルバム『EN.』をリリース。
http://novelbright.net/

RELEASE
『EN.』

Novelbright『EN.』

EPM-10002
¥2,160(tax in)

Emperor Mode/PCM MUSIC
9月4日 ON SALE