エイプリルフールのウソが現実に!ラップを取り入れた新曲の誕生秘話と歌手活動への本音
今年4月1日に「私、大橋彩香辞めます」と題された動画を公開し、これまでの元気で笑顔なイメージから一転したクールな姿で、ラッパーとしてデビューすると発表した大橋彩香。動画自体はエイプリルフールのウソだったものの、ネタバラシと同時に8月4日の「はっしーの日」に大橋彩香 a.k.a HASSYとしてラップを取り入れた配信シングルをリリースすることが告知され、その楽曲である“#HASHTAG ME”がついに完成した。これまでアーティストとして10枚のシングルをリリースし、声優としては数々のキャラクターソングを歌うだけでなく、『BanG Dream! (バンドリ!)』のドラムを担当するなど、非凡な才能を発揮してきた大橋彩香はなぜラップをすることになったのか。一連の経緯を振り返ってもらうとともに、歌手活動についての本音を語ってもらった。
■今回は大橋彩香 a.k.a HASSYとして“#HASHTAG ME”をリリースされるわけですけど、もともとはエイプリルフールにラッパーとしてデビューするというウソの動画を公開したことが発端ですよね?
大橋 そうですね。その日の夕方くらいにはネタバラシをしたんですけど、同時にラップ曲をリリースしますという告知もさせていただいたんです。
■全部がウソではなかったと。なぜラップだったんですか?
大橋 昔からシングルのカップリングとかで、かわいい感じのラップはちょこちょこあったんです。それで1月にリリースした“にゃんだーわんだーデイズ”でも、ちょっとラップっぽい部分があったので、インタビューの時に「いつか本格的なラップもやってみたいです!」みたいなことをポロッと言ったんですよ。それを聞いたプロデューサーさんが「やろう!」と提案してくれまして。
■インタビューでの一言がきっかけで?
大橋 心に響いてしまったみたいです。(笑) それでエイプリルフールの企画としてご提案いただいたんですけど、ラップにはちょっと苦手意識があったんですよ。でも、今までもアーティスト活動ではいろいろなことに挑戦し続けていたし、最近は声優の世界でもラップ系コンテンツが増えていて、避けては通れない道なのかもという気持ちもあったので、これを機にやってみようと思ったんです。
■最初から曲をリリースする前提だったんですか?
大橋 「実際にリリースできたらいいね」みたいな話はしていたんですけど、もっとラフな感じでやるのかなと思っていたんです。それが蓋を開けてみたら、MVもちゃんと撮ったし、思っていた以上に大人がたくさん動いてくださって。いやぁ、ありがたいですね……。
■そこまでやられたら逃げられないですよね。
大橋 そうなんですよ。(笑) レコーディングもガチガチにやりましたし、MV撮影の時のメイクは過去イチ時間かかったし。MVも最初は「メイキングを撮るくらいの感覚で」と言われていたんですけど、どんどん話が盛り上がってしっかり撮りましたね。(笑) しかも今までのMVは1日で撮っていたんですけど、今回は2日間かけていますから。(笑)
■むしろ普通のシングルより手間がかかっているんですね。(笑) MVでもエイプリルフールの動画と同じメイクをしたんですか?
大橋 あのメイクはラップパートだけですね。ハシアナ・グランデさんと呼んでいるんですけど。(笑) それ以外はアーティスト写真のビジュアルにもなっているHASSYです。レコーディング的に言うと、サビ前のBメロは普段の大橋彩香に近くて、3人で歌っているような感じで歌い分けました。
■そういう意味では、声優ならではの曲になっているのかもしれないですね。
大橋 そうですね。ちょっとキャラソンに近い感覚かもしれないです。歌もある種お芝居だと思うんですけど、ラップもこちら寄りなものなのかなと思いましたね。滑舌とか声優として学んできたものも活かせるし、最近声優がラップをやることが増えているのも自然な流れなのかもしれない。
■レコーディングはスムーズにできたんですか?
大橋 先にメロディーがあるところから録って、ラップは緊張するから最後に残しておいたんですけど、やっぱり大変でした。最初は仮歌さんのマネをしていたんですけど、仮歌さんはシンプルな感じで歌われていたので、ディレクターさんから「もう少しニュアンスを入れていこう」とリクエストされたんです。でも私はてんやわんやしていたので、「ここはかわいくやってみて」とか導いてくださって。あとは声を重ねるところも多かったので、ラップ部分の中でも3人くらい演じ分けてみたり、いろいろやらせていただきました。
■大橋さんは普段たくさん練習してからレコーディングに臨んでいるという記事を見たんですけど、今回のラップも練習していったんですか?
大橋 いつもはカラオケで練習しているのですが、この時はコロナの影響でカラオケが閉まっていて、あまり練習できなかったんですよ。それに私、このステイホームの間にセリフを読む声がうるさいと苦情をもらっちゃいまして、家で練習するわけにもいかず……。
■そんなところにもコロナの影響が出ていたんですね。
大橋 そうなんです。なので、今回はできるだけ聴いて家で軽く口ずさむくらいで、あとは現場でなんとかしようと思って行きました。
■楽曲に対しては大橋さんから何かリクエストしたんですか?
大橋 今回は割りとおまかせだったんですけど、「ラップ部分はどういう歌詞がいい?」という話になった時に、「自己紹介っぽい感じがいいかもしれないです」と言ったら、1行目からどストレートな自己紹介が来たので、ちょっと面白かったです。
■「B-I-G BRIDGEの大橋です」で始まりますよね。(笑)
大橋 そうですね。ファンクラブの名前も「BIG BRIDGE FAMILY」だし、いい自己紹介になったと思います。
■実際にラップをレコーディングしてみた感想は?
大橋 難しかったけど、新たな扉は開けた気がします。ラップは正解がないというか、しっかりしたメロディーがない分、いくらでも遊べちゃうので、そこが私には難しくて。私はきちっと正解が見えないと苦手意識を持ってしまうタイプなんですよね。でもいろいろ導いていただきつつ、完成させることができたので、もしもまたやる機会があったら前向きにがんばってみたいです。
■特に苦戦した部分はありますか?
大橋 最後の「ありよりのあり〜!」がなかなか上手く決まらなくて。ちょっと面白い言葉じゃないですか。それをカッコよく言うのが難しかったです。全体的にも、かわいくて、ちょっと面白い歌詞をカッコいいニュアンスで言うみたいなギャップがあったので、そこを上手く表現するのが難しかったです。
■逆に「ここは決まったな」と手応えを感じたところは?
大橋 「チョーカワイイ?」ですかね。あそこは決まった気がします。かわいくやりました。(笑)
■歌全体のメッセージとしては、どのように感じていますか?
大橋 ファンの人とこれからも一緒に楽しいことをやっていきましょうみたいな、そういうポジティブな気持ちが入っている曲なのかなと思います。
■「伝えたいセリフは/『WE CAN LIVE トゥギャる ふぉーえばぁ!』」という歌詞は、まさにそういうことですよね。この曲を聴く人には、どう楽しんで欲しいですか?
大橋 そんなに複雑な曲ではないので、深く考えずに聴いて欲しいですね。何かしながらでもいいですし、生活の一部に溶け込むような、それでじわっと元気になるような、そんな感じで楽しんでもらえたらいいなと思います。あと、ハッシュタグダンスという名前のついた振り付けがあるので、よかったらみんなで踊って欲しいです。手だけでもできるので、声を出せないご時世な分、披露する時は一緒に踊ってもらえたら楽しいと思いますし、TikTokやInstagramをやられている方には、ぜひ「踊ってみた」をやっていただけると嬉しいです。
■確かにTikTokで流れていそうな曲調ですね。
大橋 MVでも早回しするギミックがあって、TikTokっぽいんです。もちろん私のSNSでも動画をアップすると思うので、ぜひみなさんには見て、拡散して欲しいです。