ORCALAND VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

大塚祥輝(Vo&Gt)、村田京哉(Gt)、おとやん(Ba)、こーてぃん(Dr)

12ヵ月連続企画『ジントリ』開催中のORCALAND、企画を通したバンドの変化と新曲“やめちまいてぇ”、“リフレイン”を語る。

No Big Deal Records所属、下北沢を拠点に活動する4人組ロックバンドのORCALANDが、12ヵ月連続企画『ジントリ』を開催している。下北沢12箇所のライブハウスにて、毎月異なるコンセプトに沿って集めたゲストアーティストとともに熱演を繰り広げる『ジントリ』。自身の活動拠点である下北沢を盛り上げ、制覇しようと立ち上がったこの企画も折り返しとなり、7月からはより大規模なステージが待ち受けている。
今回はそんな12ヵ月連続企画を行うORCALANDにインタビューを決行。連続企画を始めるまでの経緯や、折り返しとなった今感じていること、更に新曲“やめちまいてぇ”、“リフレイン”の制作とこだわりについても、たっぷりと話を訊いた。

■1月より下北沢で12ヵ月連続で行っている企画『ジントリ』も6月公演が終わり、折り返しとなりました。まずは12ヵ月連続企画を行うことになった経緯を教えてください。

大塚 「自分たちの街である下北沢を盛り上げたい」という思いから始めました。今まで出会ってきたバンドもそうですし、街の雰囲気やライブハウスをみんなに知ってもらいたい。自分たちのことを下北のバンドだと掲げている以上、下北沢のひとつの会場だけじゃなくて、「どの会場でも良いライブをできるようにしないといけない」という思いから始まりました。

■下北沢でライブをしていて感じる下北沢ならではの雰囲気や、その魅力はどのような部分ですか?

村田 他の地域に比べて、下北沢のライブハウスはよく言えばアットホーム、悪く言えば閉鎖的だと思います。ある一定のラインまでは干渉しないんですけど、そのラインを超えるとめちゃくちゃ仲間になるみたいな。それは他の地域のライブハウスと違うところかなと思いますね。

こーてぃん 逆に入ったら抜け出せない沼みたいな感じだと思う。いい意味の沼。(笑)

村田 あくまでもローカルですよね。地元意識が強いなと感じます。

■今回の12ヵ月連続企画『ジントリ』は、ライブタイトルに日本史上の出来事の名称が用いられているなど、和や歴史がコンセプトになっているかと思います。このコンセプトはどのように決定したんですか?

こーてぃん 12ヵ月連続で企画をやると言っても、普通に企画をやるだけだと面白くないというか、中だるみしてきちゃうと思ったんです。なので各月にコンセプトを決めて、それに合わせたネーミングを考えようということにしました。そこで戦国時代とかけて「下北沢を統一する」みたいなテーマが出てきたんです。そこから各月のタイトルも決めていったんですけど、例えば5月だったら、僕らと対バンしたいバンドを集めるというテーマだったので、「徴兵令とか面白いんじゃない?」みたいな感じで、どんどん結びつけていった感じでした。

村田 あとはこーてぃんが歴史に詳しいからっていうのも理由だよね。

こーてぃん そうですね。戦国時代というテーマが決まってから、メインビジュアルも和風のものを撮ったりして。

大塚 あのメインビジュアルを見て知ってくれた人がすごく多いんですよ。だから、僕らの今のアー写よりそっちの方が知られてるんじゃないかな。(笑)

■ここまで6ヵ月間公演を行ってきましたが、みなさんの中で特に印象に残っている回はありますか?

村田 3月かな。

おとやん そうだね。

村田 3月の「死闘・二五一事件」は、4マンイベントで、自分たちが先輩と呼んでいるバンドや、先輩と呼びたいバンドの3バンドに出演してもらったんです。自分たちがバンドを始める前から聴いていたバンドでもあるので、すごく嬉しかったし、今回の企画の中ではShangri-Laを除いて一番大きい251でやらせてもらったので、そこで企画を打つということ自体が僕らからしたら結構な挑戦でもありました。そんなライブを成功の雰囲気でできたのがすごく良かったし、印象に残っています。

おとやん 僕も3月は印象に残っているんですけど、それ以外で言うと、1月の「近松城攻防戦」です。レーベルが同じ藍色アポロとの2マンだったんですけど、やっぱりこの企画の一発目だったので、今までやったことがない状態での挑戦で不安だったんです。でもアポロの協力ももらえた結果、すごくいい日になったと思っていて。幸先の良いスタートが切れたんじゃないかなと思っています。

大塚 僕の中では各月良かったと思う点とか、思い出深かったことはあるんですけど、ひとつだけ挙げるなら4月かな。4月の「貴婦人会合」 は、ORCALANDとしてのステージが弾き語りのみだったんです。僕ひとりのみのステージでアホほど緊張したけど、最終的にいい感じにまとめられてよかったなと。すごい安堵感を感じられた日でした。

おとやん あの日は良かったね。

こーてぃん 元々は半分いじめみたいな感じで、「4月はおまえ1人でやれよ」みたいな感じだったんだよね。(笑)

大塚 「設営とかも全部お前がひとりでやれ」とか言い出して。(笑)

おとやん 今まであまり弾き語りをやってこなかったタイプだし、バンドのボーカルっていうイメージが強いと思うので、本人にとっても挑戦的なものだったんじゃないかなと思います。

大塚 あの日をちゃんと成功で収められたことは、ORCALANDとしても、個人としても力になったなと思います。

■バンドとしてステージに立つのと、弾き語りでステージに立つのとは、やはり全然違いましたか?

大塚 全然違いましたね。素面じゃ上がれなかった……。(笑)

こーてぃん 僕は5月の「徴兵令」が印象的でした。これは「オルカと対バンしたい奴募集!」みたいな、結構上から目線で集めた感じだったんですよ。(笑) そもそも集まるのかも分からなかったんですけど、後輩だけじゃなくて先輩たちも声をかけてくれて。MCでも全員『ジントリ』のことに触れてくれたり、自分たちの曲の中に自然な感じで僕らの曲のカバーを入れてくれたりして、「バンドマンに愛してもらっているんだな」とすごく感じた日でした。ハートフルだったよね、あの日は。

おとやん 会場の雰囲気もハートフルだった。

■先輩であったり、弾き語りのアーティストであったり、出演アーティストが異なれば会場の空気や盛り上がり方も違うでしょうし、統一したコンセプトがある連続企画でも毎回全く異なる雰囲気が楽しめるのは面白いですね。

おとやん 弾き語りの女性シンガーさんだと大人の男性のファンが多かったりしますし、後輩のバンドマンだと女子大生や女子高生が多かったりもするし。客層によって会場の雰囲気も変わってくるので、すごく面白いですね。

こーてぃん 企画のおかげで幅広い客層をキャッチできている実感もあります。僕らは物販にも立っているんですけど、違うバンドが目当てだった人たちが最後までいてくれて「めちゃくちゃカッコよかったです」と言ってくれたり、僕らのCDを買っていってくれたり。

おとやん コンセプト通りに出演者を集めているおかげで、普段だったらライブを観てもらえないであろう客層の人たちにも来てもらえていると思うので、それはこの企画の強みなのかなと思います。

■これまで半年間やってきて、バンド内の変化を感じることはありますか?

村田 準備がめちゃくちゃテキパキできるようになりました。(笑) 1月の時は、「このままじゃ終わらないよ……」みたいな感じで、すごく焦りながらやっていたんですけど、先月なんかはパッと準備が終わるようになっていて。バンド側を迎え入れる準備や、主催としてやっていくという部分にすごく慣れてきたと思います。6月はツアーもあったんですけど、その準備も並行してできましたし。イベントの質が上がってきたのかなとは思います。

おとやん 特に装飾とかに結構こだわっていて、メンバーで案を出し合って印刷したものを壁に貼ったりしているんですけど、その早さも最初と比べるとめちゃくちゃ早くなったなと思います。

大塚 1月なんて、会場オープンの2分前くらいまで楽屋で習字書いていたからね。(笑)

村田 結局それでオープン押したから……。

おとやん そういうところは慣れてきたかなと思います。準備がテキパキできるようになったから、他の場所にも目を向けやすくなりました。

村田 単純に演奏のクオリティも上がったよね。お客さんにも目を向けられるようにもなったし。

■毎月企画をやるのが半年続いているとなると、企画に向けたバンド全体のリズムのようなものも出来上がっていくんですか?

村田 毎回、出演した全バンドのコピー曲をやらせてもらっているんですけど、その月の企画が終わったら、「じゃあ次の月のバンドのコピー曲をどうしようか……」みたいになるんです。(笑) そこから始まって、宣伝や準備をして、みたいなルーティーンが6ヵ月続いてるっていう感じです。そのリズムができているから、楽器は触るよね。

こーてぃん 触るね。

村田 楽器を触らない期間がない。そういう意味でもバンドとしてはいいリズム感なのかなと思います。

こーてぃん 『ジントリ』以外にもライブ本数が結構あるので、ずっと楽器は触っているよね。

■ライブ本数が多かったり、企画の準備がある中で、リリースも積極的に行っていますよね。3月に“言え”、5月に“やめちまいてぇ”をリリースして、直近では初のタイアップ曲としてポカリスエットコラボショートムービー「夢は日本一のホペイロ。磐田東高校サッカー部 男子マネージャーの想い」テーマソングに採用された“リフレイン”も発表されました。

おとやん タイアップで出させてもらった“リフレイン”は遠征中に作った曲で、結構切羽詰まっていて、「本当に大丈夫なのか……?」みたいな感じでした。

大塚 でもリリースが増えてから、いいデモをたくさん作れるようになりました。

村田 追い込まれるほど力を発揮するタイプだからね。(笑)

大塚 むしろ追い込まれないとできない。(笑) 

■5月にリリースされた“やめちまいてぇ”は、どんなアイデアから作られた曲なんですか?

大塚 “やめちまいてぇ”は、僕のデモからできた曲ですね。どんな感じだったっけ?

おとやん 初めてそのデモを聴いたのって、去年の10月とかじゃない?

大塚 この曲は、去年のミニアルバムに入れるデモを作っていた時にできた曲で、ミニアルバムに収録する候補の1曲だったんですけど、トロピカルな雰囲気なので夏に出すことにして、寝かせていたんです。1年くらい寝かせているので、作った当初のことは全く覚えていないですね……。(笑)