ORESAMA VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

ORESAMA『Gimmme!』

ORESAMAの要素がギュッとつまった“眠り”にまつわる正反対の2曲

ヴォーカル・作詞担当のぽんとサウンドクリエイターの小島英也によるORESAMAが、TVアニメ「魔王城でおやすみ」のエンディングテーマとなる『Gimmme!』をリリース。アニメの世界をにぎやかに描いた表題曲“Gimmme!”と、「雨」を題材にしたスローな“夜行ノ雨”。表情の異なるこの2曲をつなぐのは「眠り」というテーマと、こだわり抜いたからこそのORESAMAという要素、すなわち「らしさ」だ。そのこだわりとこの2曲に込めた想いを、2人にたっぷり話してもらった。

■「魔王城でおやすみ」を読んだ時の印象はいかがでしたか?

ぽん こんなに可愛いお姫さまからは考えられないほどの強さと貪欲さだなっていうのが、まずいちばんの印象でした。その中でも貪欲という印象がすごく強くて、それに感化されてそのままタイトルと歌詞に反映しました。

■好奇心旺盛で、かなり破天荒なお姫さまですよね。

ぽん そうなんです。魔王城のモンスターたちがみんな振り回されるという。(笑)

■小島さんはいかがですか?

小島 眠りに対する欲求や執着というところで、すごくわかる部分があって。特に自分の理想の枕を求めるシーンなんかは、僕自身にも共通するところだなと。僕も理想の枕を追い求める旅をしていた時がありました。(笑)

■見つかりましたか?

小島 見つかりました!

■どこで見つけたんですか?

小島 地元、長野の老舗の布団屋さんです。結構安い布団を置いているんですけど、なぜか異様に高い枕があって、それを買って使ってみたらすごく自分に合ったんですよね。いわゆる普通の低反発の枕なんですけど、それがすごく寝やすくてもう長いこと使っています。

■その探究心はスヤリス姫に通ずるものがありますね。

小島 ほんとに。眠りっていうのはそれくらい追求すべきものだなって、この漫画を読んで感じました。

■曲を作るにあたって、オーダーみたいなものはあったんですか?

小島 「80年代、90年代のレトロ感がありつつ、にぎやかで明るく、ドタバタしたような印象で」というリクエストはいただきました。

■そこからどのような世界を表現しようと?

小島 まず「睡眠」というキーワードがあったんですけど、ゆったりした音楽というよりは、ORESAMAが作っているようなディスコを基盤としたJ-POPというところを生かしていこうと。そこにレトロ感やキャラクターの可愛いさ、夢の中にいるようなファンタジー感を音で追加して作り上げていきました。

■オルゴールの音も入っていたりして。

小島 僕が思う睡眠っぽい音というか、夢の中の音、ファンタジーな音というところでオルゴールの音をチョイスして。

■ORESAMA感もしっかりある中で、スヤリス姫の性格やアニメの世界も事細かに描かれていて、いろいろと楽しめる音作りだなと思いました。

小島 シーンが瞬間、瞬間で切り替わったり、ファンタジーな出来事があったり、そういうテイストが作品の中にあって。

ぽん 実際に見る夢でも、ごはんを食べていたはずなのに、次の瞬間は走っていたりとかするよね。

小島 そういうところからこういう曲調にしたので、音的にも楽しめる部分は多いと思いますね。

■ぽんさんは歌詞でどう表現しようと?

ぽん 貪欲さがいちばん印象的ではあったんですけど、毎回のゴールが眠りの質を高めていくという、わかりやすい部分も印象的だったので、私もストレートな歌詞が書きたいなと思いました。“Gimmme!”というタイトルも貪欲というところからきていて、それを文字面でも表現したくて「m」をひとつ増やしてみたりして。

■あー、だからだったんですね。

ぽん そうなんです。あとは眠りたいって気持ちは絶対みんなわかるじゃないですか。なので、そこに向かっていかに軽やかな言葉を選んでいくかとか、小島くんの作るメロディにちゃんとハマるような言葉を意識しながら書いていきました。2Aで曲調がちょっと変わるところのメロディが大好きで、ここに言葉を思うようにのせられたのは、ピースが上手くハマっていく感じがして、すごく気持ち良かったです。

■曲作りはいつもどのように進められるんですか?

小島 基本的には僕がメロディとトラックを作って、それをぽんちゃんに送ります。そこからやりとりをしながらが多いです。たまに詞から書いたものに僕がメロディをつけるパターンもあるんですけど、それはごく少数派ですね。

ぽん スローテンポなものは詞先が多いですね。