BLACKNAZARENE VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

現体制にたどり着くまでの物語と挑戦の詰まったニューアルバム『Decision』。

6人組アイドルグループBLACKNAZARENEがニューアルバム『Decision』を完成させた。“THUG×kawaii”をコンセプトに2018年に結成、2022年10月にはEX THEATER ROPPONGIでのライブをソールドアウトさせるなど、今勢いを増しているアイドルグループであるBLACKNAZARENE。どこか孤高でクールなパフォーマンスが魅力である彼女たちだが、MCなどで垣間見ることができる、パフォーマンスとはギャップのある和気あいあいとした様子も魅力のひとつ。今回はそんな賑やかな彼女たち、村田実果子、南向いずみ、白坂もあ、東出ひみこ、山田さとり、乃上楓の6人にインタビューを決行。レコーディングの風景や加入当初の思い出を振り返ってもらった。

■3月で結成5周年を迎えますが、結成当初から在籍する村田さんと南向さんは5周年を間近に控えてどんな気持ちですか?

村田 5年経った感じはしないです。体感は2年半くらい。ちゃんと考えると5年経ったなっていう感じなんですけど、もう5年もやっているんだという感覚が強いです。

南向 それなりに辛いこともあったんでしょうけど、忘れました。(笑) 今がハッピーですし、総じて楽しい5年間だったので、体感は短いですね。

■メンバーの変更も経て現在6人で活動していますが、2021年に加入した4人はBLACKNAZARENEとして活動を始めて約2年ですが、気持ちの変化などはありますか?

東出 私は元々アイドルをやっていなくて、大阪で社会人として働いていたんです。でも人生変えたいなと思って、アイドルというそれまでと全然違う世界に飛び込んで、最初は全部が手探りというか、何もわからない状態でひたすら闇雲に頑張っていました。でもさすがにもうすぐ2年経つので、2年前に比べてビジョンが明確にはなってきたと感じています。

■社会人として働いていた状況からアイドルに飛び込むのはすごく勇気がいりますよね?

東出 今しかできないなと思って。元々ダンスも歌も得意じゃないので、アイドルになっても大変なのは分かってはいたんですけど、自分の人生を長い目で見た時に、アイドルになっている人生と、なってない人生の2択だったら、なった方が絶対に面白いと思って。面白い方に決めました。(笑)

■他の方たちはいかがですか?

白坂 もうすぐ2年経つタイミングで最近思うのが、メンバーが辞める心配がないっていうのがめっちゃ大きいなって思います。誰かが辞めるかもしれないとかって、アイドル活動そのものとは関係ない心配じゃないですか。そういう余計な心配がなく活動できているから、BLACKNAZARENE(以下ナザレ)でよかったなって思います。私は元々アイドルはやっていたんですけど、前のグループの時はそういう心配を常にしながらやっていて。ナザレで2年弱普通に過ごしてきたけど、誰も辞めるみたいな雰囲気がないってすごいことだから、ナザレに入ってよかったなと改めて思いました。

乃上 1年目の時は「自分がナザレについていく」みたいな感覚だったんですけど、2年目になってからは周りを見て自分がもっと引っ張るというか、自分から発信していけるように周りを見る余裕が出てきたかなって思います。

山田 ナザレは元々あるグループだったので、入ってすぐは馴染むのにすごく必死で、今もまぁ必死なんですけど。これからはもうちょっと自分を出していけたらいいなと思っています。

■ちなみに初めて6人が集まった時、最初から現在のように和気あいあいとした雰囲気だったんですか?それとも最初は人見知りをしたり、探り探りな感じだったですか?

山田 どうだったっけ?

南向 1日目から時間がなくて、スタジオに集まって名前をそれぞれ言って、「1曲目からすぐ振り入れします」みたいな感じでした。人見知りしている暇とかなかったよね……?

白坂 うん。その後も8時間ぶっ通しのレッスンが5日間とかあって。デビュー日までずっと一緒だったし、時間だけで言うと今よりも一緒にいたかもしれないくらいだったよね。

■最初から濃い時間を過ごしていたんですね。

南向 過ごさざるを得なかった。(笑)

■今回のアルバムのタイトル『Decision』には、「決断」という意味がありますが、みなさんが最近した大きな決断や、ターニングポイントとなった決断はありますか?

村田 中1の……

乃上 え!?

白坂 それが一番最近?(笑)

村田 中一の夏休みの終わりに、もう宿題をやるのを辞めようと思ったんです。(笑) 私は勉強しないとなれない職業につくことはないだろうし、勉強というものを諦めようって自分の中で決意したことを覚えていて。今思えばこうなる運命だったのかなって。

■宿題をやらない人はいても、それをわざわざ決意する人は中々いないですよね。(笑)

村田 そこから本当に宿題を出していなくて。でも最後だけ先生に「1回でいいから出して欲しい」と言われたので、全部答えを写して出したことはありました。(笑)

■乃上さんはなにかターニングポイントとなった決断はありますか?

乃上 私は2年前、ちょうどナザレに入る時ですかね。元々アイドルをやっていたんですけど、自分の中で諦めがついてアイドルを一度辞めたんです。その時は保育の学校にも通っていたので、4月からは幼稚園の先生になろうと思っていたんですけど、3月の終わりくらいに実果子ちゃんからお誘いのDMが来て……。「幼稚園の先生になろうと決断をしたのに、ここでアイドルのお話が来てしまった」と思って、すごく気持ちが揺らいでしまって。めっちゃ考えて、お話して、迷ったんですけど、思い切って入らせていただいたのがここ最近の決断かなと。

■人生が変わる決断でしたね。

乃上 人生変わっちゃいました。お勉強はしてきたけど。(笑)

村田 お勉強偉いね!(笑)

白坂 私は岐阜から東京に来たことが大きな決断だったかもしれないです。それまでは専門学校に行っていたんですけど、本当につまらなくて。当時は黒髪じゃないといけなくて、学校の先生に爪も切られるし……。そうなると分かってはいても、やっぱり嫌だったんです。だから3ヶ月で学校を辞めて、その後すぐ東京に行きたいって気持ちが芽生えて。それからはとにかく働いてお金を貯めて、東京に行くって決めてから2、3ヶ月後には東京に出て来ました。それが今に繋がっているから一番の決断なのかな。

■決断してからの行動の早さが素晴らしいですね。

白坂 私、そういう性格なんです。(笑)

■南向さんはどうですか?

南向 今みんなの話を聞いていて、人ってたくさん決断をしているんだなと驚きました。(笑) 私は人生であまり大きな決断をしてきた記憶がなくて。考えてみると、迷うまでもなくやりたいことしかやってきていないような気がします……。

■潔いですね。(笑)

南向 多分バカなんだと思うんです。(笑) 私も一瞬社会人をやって、ショッピングモールで働いていました。その時に洋服を畳みながらメジャーのアーティストがリリースイベントとかで来て歌っていた歌を聴いて、「なんで私はここにいるんだろう?」と思い、その日に店を辞めたんです。(笑) その後フリーターで過ごしていたら「ナザレに入らない?」と誘われて、あまり考えないで加入していました。(笑)

■みなさん行動力がすごいですね!山田さんはいかがですか?

山田 私も最近の決断はナザレに入ると決めたことです。私も前にアイドルグループに所属していたことがあって、それまでに2度辞めてしまったんですけど、だからこそ誘われた時はすごく迷ったし、それが自分の中での最近の決断ですね。

東出 私も大きい決断というと、アイドルになると決めたことかもしれないです。私は高校卒業してから販売の仕事をしていたんですけど、その仕事がすごく好きで、自分にも合っていたんです。ずっとおじいちゃん孝行をしたいと思っていたので、安定した仕事に就いておじいちゃん孝行を達成できたなと思って。でもナザレのお話を実果子ちゃんからいただいて、おじいちゃんに内緒で東京に行って面談した時には、自分の心は80%くらい加入の気持ちに傾いていたんです。でも会社のこととか、おじいちゃんのことが気になっていたし、そもそも上京しないといけないので迷いもあって。それでも東京から大阪に帰る頃にはもう決断していたんですよね。それまでは自分の意思よりも、おじいちゃんを安心させたい気持ちが大きくて働いていたけど、でも自分の人生は自分しか責任取られへんし、ちゃんと自分の想いで行動しようと思って。おじいちゃんには絶対怒られるし、反対されると思っていたんですけど、話してみたら、無言になった後に「もう決めたんやろ」みたいな。「お前がそう言ったらもう折れへんのやろ、頑張りなさい!」って言ってくれて。私は号泣しながら「頑張るね!」って。

■めちゃくちゃいい話ですね。

山田 良い話!

白坂 ドラマかと思った!聞き入っちゃった。

村田 私の中一のくだりが恥ずかしくなってきた……。(笑)

■(笑) みなさんそれぞれの決断があって今集まったんですね。表題曲“Decision”では南向さんが作詞を担当していますが、これはどんなテーマで書き始めたんですか?

南向 前々作からの続きのような形で書いていて。この6人でリリースした1曲目のリード曲が衝動という意味の“URGE”、2曲目が運命とか宿命をテーマに書いた“lord of the fate”で、今回はそれに続く3作目なので、6人での決意をテーマに書かせていただきました。

■BLACKNAZARENEの歩みを描いているようですね。いつも歌詞はどのように書いていくんですか?

南向 ちょっと気持ち悪いかもしれないんですけど、作曲家さんからもらったメロディとオケを聴いていると、要所要所で言葉が聞こえてくるんですよ。

■言葉が降りてくる、みたいな?

南向 そうです。その言葉を当てはめていくと、大体書きたいようなストーリーになっていくんです。例えば“Decision”だったら、Aメロの「何もない」っていう歌詞は、最初から「何もない」に聞こえていて。あとは1番と2番でリンクさせるのがすごく好きで、1番のAメロで歌っているのと真逆のことを2番で歌ってみたりとか、そういう遊び心を入れるのが好きなんです。

■メンバーのみなさんは南向さんの歌詞を見たり、実際に歌ってみて、どんなことを感じていますか?

東出 私は歌を聴く時、メロディーよりも歌詞を気にするタイプなんですけど、すごく綺麗な歌詞だなと思いました。

村田 ナザレのことを書いている曲が多いので、すごく共感できる歌詞だなって。“URGE”とかも、元々5人のメンバーがいたけど2人になったっていうナザレの歴史があるから、すごく分かるし。最初からいるメンバーっていう目線で見られるのは2人しかいないから、なんか嬉しいですね。

南向 ありがとうございます。