物語はいつだってドラマチックなんですよ。
8月1日に、1stシングル『TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして』と、1stアルバム『SADs.』をリリースし、デビューを飾るダンス&ヴォーカルグループのSAD originals.。彼らの魅力をメンバーそれぞれのキャラクター、そして収録した楽曲を通して紐解きたい。狼我、ゆじめろ、陸、きゆう、巧海、はると、ゆうが、キラ、りょへ、の9人に話を訊いた。
■まずは、SAD originals.が誕生した経緯から教えてください。
巧海 僕、はると、狼我の3人が元々所属していたNiAというグループが、今年の3月9日に解散しました。その遺伝子を引き継ぐグループを新たに作ろうと誕生したのが、SAD originals.です。活動を始めたのは3月9日。つまり、NiAが解散した日に、SAD originals.がスタートしているんです。
■とても強烈なスタートを切りましたね。
巧海 物語はいつだってドラマチックなんですよ。前のグループは6人だったけど、SAD originals.は9人編成です。ステージに立つと結構なスペースを取ることもあって、ファンの方々からは「威圧感がハンパなくある」と言われます。(笑) でも、メンバーみんな爽やか系ですから。
ゆじめろ 確かに、みんな爽やかだよね。その上でいろんな個性が混ざっているけどね。
巧海 そう。確かに衣装は爽やかでみんな真っ白だけど、完全に真っ白な人はいません。みんな、白い中にも何かしらの色が混じっていて。それはメンバー個々が個性を持っているということを表していて。
■先に、SAD originals.の魅力から聞かせてください。
ゆうが 巧海も言っていたけど、SAD originals.は一人一人の個性がとても強いグループです。十人十色ならぬ、九人九色あるから、メンバーに触れてもらったら、誰かしらきっと推しが生まれるくらい、それぞれ個性が重なることがないです。楽曲も同じく多種多彩というか、かわいい曲・カッコいい曲・表現を重視した曲など、本当に様々なタイプの楽曲があるから、そこも大きな魅力です。
■SAD originals.が誕生したのが3月9日で、8月1日には1stシングル『TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして』と、同時に1stアルバム『SADs.』もリリースするんです。2枚合わせて11曲が収録されています。ものすごいペースで走り続けていますよね。(取材時点では)この4ヵ月半の間で心境の面でもいろいろな変化が生まれていますか?
ゆうが 僕に関して言えば、リーダーに任命されました。リーダーになったからこそ、周りのメンバーのことも細かく見るようになりましたし、いつもグループ全体のことを考えながら行動をするようになりました。
■個性的な8人のメンバーをハンドリングしていくのは大変じゃないですか?
ゆうが みんな個性が豊かすぎて、言うことを聞いてくれない時もあるけど。(笑) メンバーそれぞれの扱い方があるから、そこは上手く操縦しながらやっています。
■各メンバーの操縦の仕方が気になります。(笑)
ゆうが では一人一人のマニュアルを説明しますね。(笑) 陸はグループのエンジンで、カッコいい王子様というのを魅力に打ち出していますが、私生活ではとんでもなくポンコツで、とにかく一人にしたら駄目な人間なんです。一人だと何処かへ行っちゃう自由奔放さがあるから、しっかり見てないといけない。あと、時間にルーズだからこまめに連絡を取っています。そして狼我はグループのセンターで、僕と同じようにみんなをまとめあげてくれる人だから、僕自身としては手がかかることはないです。キラくんは大阪出身だけど、なぜかツッコミが下手で……。(笑) ちょっと空気が読めない面があるから、「ここでこの発言は違うだろ!」という時は、さりげなく教えてあげています。でも彼はグループのムードメイカーだからこそ、空気を読まなさすぎないように上手くコントロールもしています。はるとくんはグループの癒し的な存在です。ちょっと天然と言いますか、この人もちょっと抜けているところがあるので、こまめに連絡を取ってあげるのが大事です。あと、はるとくんはお腹が空くとイライラするので、レッスン中にもまめに休憩を取って、「この時間に買い物に行ってきな!」と、お腹のコントロールもしてあげています。ゆじめろはグループの中では最年長で、一番経験も豊かです。落ち着いている人だから、ゆじめろも手がかかることはないです。問題なのが巧海くん。グループの中の最年少組(巧海、キラ、きゆう)のうちの一人で、本当に自由奔放です。メンバーみんなに無茶ぶりをしてくるきかん坊で……。(笑) だけど、上手く気持ちを乗せてやると一番張り切るし、本質はすごく真面目な子です。このグループのプロデューサーの元で、一番長く活動をしてきた人だから、その辺は頼りになりますね。きゆうは周りに気を遣えるすごくいい人です。ただ、ちょっと早口でしゃべるから、たまに聞き取れない時もあります。あと、グループの中ではツッコミ担当で、みんなの会話を一番上手く回収してくれます。りょへは普段は物静かだけど、ステージに立つとすごくパワフルで元気いっぱいです。SAD originals.の太陽のような存在です。あれ?いつの間にか他己紹介になってしまったけど、そういうメンバーたちがSAD originals.には揃っています。
■話を戻しますが、みなさんはこの4ヵ月半の中で、どんな風に変化や成長を感じていますか?
陸 最初は大人数で活動をすることに馴れていなくて、チーム一丸にと言われても、なかなか意識が追いつかなかったけど、たくさんライブの経験を重ねていく中で、メンバーと一緒にいる時間が長くなるほど、お互いのこともわかるようになってきたし、信頼も生まれました。何より「この9人で売れたい」という気持ちが強くなったことで、みんなと気持ちを一つにしていけるようになったと自分では感じています。
狼我 みんなアイドル活動に本気で向き合っているように、全員センターポジションが大好きなんですよ。つまりはみんな目立ちたがりってこと。もちろん、みんなで合わせるところはしっかりと合わせるけど、人数の多いグループだからこそ、いかに自分にスポットライトが当たるかと、それぞれが自分の目立つ立ち振る舞いを心がけています。各々が自分の目立たせ方をわかってきているし、それが上手いメンバーたちばかりという影響を受けたのか、自分もステージ上での立ち振る舞いがパワーアップしてきました。(笑)
キラ 僕はSAD originals.が初めてのグループ活動で、今もそうですが、始めた当初は本当にわからない部分が多々あって、苦労も苦悩もしましたけど、他のメンバーたちの立ち振る舞いなども参考にライブ経験を重ねていく中で、パフォーマンス力が上がるごとに自信を持てるようにもなれたと思っています。最近心がけているのは表情の作り方です。ライブの時に、曲によっては撮影可能にすることもあるのですが、その時にファンの子たちが撮ってアップした写真や動画などを見ながら、「この時は、こんな表情をしていたんだ」と、自分で気づくことも多いです。それを参考に、「この曲のこの歌詞ではこういう表情が似合うから」など、曲に合わせた表情を心がけるようになったところが、最近の自分の成長面です。
はると 自分は結構緊張しいで、あまり自信もない方なんですけど、みんな本気でグループや僕のことを応援してくれているのを感じるんです。なのに「自信がない」なんて失礼じゃないですか。まして、みんな目立ちたがり屋だからこそ、「僕ももっともっと自分に自信をつけないと」というポジティブな気持ちになれてきたなとここ数ヵ月で感じています。
ゆじめろ 自分がグループの中で最年長であり、アイドル経験も一番長いことから、リーダーはゆうがとはいえ、最初は「自分もしっかりしなきゃ」と思っていましたけど、8人みんな、責任を持って活動に向き合っている姿を見た時に、自分が変に気負うことがなくてもいいんだとわかりました。みんなが自分をガツガツと出してくるからこそ、僕もより自分を出せるようになったし、自分の経験を伝えた方が良い時はアドバイスをするくらい、僕も含め、みんなこの数ヵ月間の中で自己プロデュース能力にどんどん磨きをかけ続けているなと見ています。
巧海 なんか、どんどん楽しい日々になってきました。僕とはるとと狼我の3人は、前グループから引き継いでの活動だったから、SAD originals.としてのレッスンが始まってからデビューステージまでの2ヵ月くらいは、NiAとしての活動を行いながらSAD originals.のデビューへ向けての準備もしていたから、本当に忙しくてめまぐるしい毎日を送っていました。あの時期は、理屈ではわかっていながらも、NiAの活動も忙しかったから、「なんで毎日この人(SAD originals.のメンバー)たちと一緒にいなきゃいけないの?」という気持ちもあったし、まだ仲良くもなっていなかったから、最初のうちは「これはお仕事だから」という気持ちでいました。でも、SAD originals.の活動が本格化し、ほぼ毎日顔を合わせていく中で、このメンバーと一緒に夢を追いかける活動がめちゃめちゃ楽しくなってきて。今はこの仲間たちと一緒にめっちゃ青春を楽しんでいます。ただ、「なんでこんなにも自分は楽しいんだろう?」と考えた時に、他のメンバーの我慢があるからこそ、自分がこんなにも楽しいんだと気づいたから、そこは反省……もするけど、メンバーの中で一番最年少だからこそ、そこを強みに相変わらずわがまま放題しています。(笑)
ゆじめろ わがまま放題で振り回すのはやめて欲しい。(笑)
ゆうが リーダーとして、そこは困っています。(笑)
巧海 そこも含めて、自分の魅力だと僕は思っています。
きゆう 僕も、キラくんと同じように、SAD originals.が初めてのアイドル活動になります。僕は性格的にも真面目すぎちゃうところがあって、活動を始めたばかりの頃は、「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちが強すぎて、正直、楽しむことが出来ていませんでした。今もまだまだ余裕を持てるまではいってませんが、始めたばかりの頃のようなガチガチ感はなくなり、自分もライブ自体を楽しめるようになってきたから、そこに僕自身の成長を感じています。
これは個人的な感想ですけど。それまでの僕は、応援する側の人でした。でも、応援される側に立ったことで、自分がこんなにキラキラとした存在になれていることに驚きと嬉しさを覚えています。みんなから声援をいただくたびに、「この道を選んで良かった」と今は思えています。
りょへ 僕は、SAD originals.以前に別の5人グループで活動をしていました。そこから9人編成のグループとして活動をすることになったから、いかに自分のキャラクターを、他の8人とは異なるように見せてゆくかを意識する面は強くなったと思っています。みんな、それぞれの輝かせ方を持っているからこそ、僕も、より一層自分に磨きをかけるようになったところは大きな気持ちの成長や変化だと思います。