■あと、“愛の正体”は今作の中でも飛び道具的な曲調かなと。
TOMOMI そうですね。スクールに通っていた頃にみんなゴスペルのレッスンを受けていたので、自分たちのルーツにあるジャンルだし、私の趣味でもあるのでやってみたいなと。シライシ紗トリさんにアレンジしてもらったんですけど、イメージを伝えたら「知り合いにホーンセクションいるよ」と言われて。そのご縁で出来た曲です。
■今作の中でも特に賑々しいサウンドに仕上がっていますね。
TOMOMI そうですね。ビッグバンドみたいなイメージはありました。30代になり、友達が結婚したり、子供が生まれたり、逆に大切な人を失ったりとか、大きな意味での愛というか、「与えることの嬉しさってあるな」と、大人になって気づくこともあり、そういうものを残しておきたいなと思って。「自分を犠牲にしても、守りたいものができる幸せってあるな」と、それがわかる歳になりました。
■“愛の正体”に限らず、バンドのフォーマットを飛び越えたスケールの大きな曲調が今作には揃っています。いい曲を作るためなら、いい意味で手段を選ばないというか。
TOMOMI 今まではライブに向けて作っている曲が多かったけど、ライブができない期間も長かったので、それも関係しているのかもしれないです。音源で聴いて、楽しいもの、心地いいものを目指してサウンド作りもしていきましたし。
■やはりライブハウスで音を鳴らすイメージは沸きにくかったですか？
HARUNA 全然浮かばなかったですね。
RINA 次のライブでやりたい曲調というより、35歳、40歳になっても心地いいと思える言葉使いや演奏のテンポ感だったり、自分たちが居心地のいいサウンドに変わったと思います。今作の楽曲は何歳になっても歌えるんじゃないかなと思います。
■自分たちの将来や未来を見据えて音楽を作ったのは今作が初めてですか？
RINA 一番突き詰めて表現したのは今作が初めてかもしれない。「her」という自分たちのレーベルを立ち上げた頃から意識が変わったと思うんですけど、今年は全員が30代になったことも大きいし、一人の女性としても30代はいろんな出来事があるだろうから。それをリアルに感じながら活動できるようになったのかなと。30代は誰かが結婚するかもしれないし、子供を生むかもしれない。そうなったとしても、演奏したいと思える曲を考えるようになったので、それは20代の頃の音楽の作り方とは変わったと思います。
■それはものすごく大きな変化ですね。それと、歌詞に関しては過去を振り返って、今思う気持ちを綴った楽曲も多い印象を受けました。
HARUNA あまりそういう意識で作ってはいないけど、自分の根本の部分が出たから、そう感じさせるのかもしれませんね。“夕暮れ、溶ける”は、感覚や直感でいいなと思うものを信じたいと思って書いた曲なんです。今まではちゃんと説明しなきゃと思っていたけど、下手くそでもいいから、自分の言葉を探そうと思って。私はものすごく感覚人間なんですよ。それを認められるようになると、自然と言葉が出てくるんですよね。自分の気持ちが人の気持ちに重なることもあるだろうから。自分の嫌なところもちゃんと認めることができたなと思います。
■わかりました。そして、2022年3月から今作のレコ発ツアー、さらに7月にはカナダ、アメリカを、9月にはヨーロッパを回るツアーを控えていますよね。
TOMOMI アルバムを引っ提げてのツアーは久しぶりで、楽しみです。海外も行けるといいですよね。７月だからまだかわらないですけど。ずっと待っていてくれるファンもいて、海外のファンの方たちもYouTubeにたくさんコメントをしてくれますからね。『MIRROR』は聴いてもらう人で感じ方も違うと思うから、ツアーを楽しみにしていてもらえたらなと思います。
Interview & Text：荒金良介
PROFILE
2006年大阪・京橋で結成。2008年『DOLL』でメジャーデビュー。翌年には『少女S』でレコード大賞新人賞受賞。近年ではSCANDALの影響で楽器を始める女子も増え、10代女子を中心に絶大な人気を誇っている。2019年プライベートレーベル”her”を始動、名実ともに日本を代表するガールズバンド。
https://www.scandal-4.com/
RELEASE
『MIRROR』
完全生産限定盤（CD+DVD+GOODS）
※豪華BOX仕様
VIZL-2003
￥11,000（tax in）
初回生産限定盤A（CD+DVD）
VIZL-2001
￥4,400（tax in）
初回生産限定盤B（CD+雑誌）
VIZL-2002
￥4,400（tax in）
通常盤（CD）
VICL-65653
￥3,300（tax in）
Victor Entertainment / her
1月26日 ON SALE
LIVE
SCANDAL WORLD TOUR 2022 “MIRROR”
JAPAN
2022.03.12 SAT. 神奈川・厚木市文化会館・大ホール
2022.03.21 MON. 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
2022.03.26 SAT. 宮城・トークネットホール仙台・大ホール (仙台市民会館)
2022.04.09 SAT. 福岡・福岡市民会館
2022.04.10 SUN. 広島・上野学園ホール
2022.04.17 SUN. 北海道・カナモトホール (札幌市民ホール)
2022.04.29 FRI. 石川・金沢市文化ホール
2022.04.30 SAT. 愛知・愛知県芸術劇場・大ホール
2022.06.07 TUE. 大阪・フェスティバルホール
2022.06.10 FRI. 東京・中野サンプラザ
2022.06.11 SAT. 東京・中野サンプラザ
North America
2022.07.09 SAT. Queen Elizabeth Hall（Toronto）
2022.07.11 MON. Sony Hall（New York City）
2022.07.13 WED. Big Night Live（Boston）
2022.07.15 FRI. The Masquerade（Atlanta）
2022.07.16 SAT. House of Blues（Chicago）
2022.07.19 TUE. The Imperial（Vancouver）
2022.07.20 WED. The Neptune（Seattle）
2022.07.22 FRI. House of Blues（Anaheim）
2022.07.26 TUE. Canton Hall（Dallas）
Europe
2022.09.22 THI. LIDO（Berlin）
2022.09.24 SAT. 02 Academy Islington（London）
2022.09.27 TUE. Yoyo（Paris）
