■それと“HISTORY”は触れないわけにはいかないと思うんですけど、メンバーみんなで作詞をしたんですよね?
中山 はい!
星名 アルバム会議みたいなのをやったときに、「自分たちで歌詞を作ってみるのはどうだ?」みたいな案が出て、各自で考えてマネージャーさんに送って、それを並べ替えて作っていただいたんです。先に歌詞を書いて、それに曲をつけていただいたので、すごい大変だったみたいですけど。
■何かテーマを決めて書いたんですか?
星名 「エビ中に対して」っていう一個だけでしたね。だからファンの方への想いだったり、メンバー同士の想いだったり、そういうのをみんな書いていました。10周年の締めくくりにふさわしい曲になったんじゃないかなって思っています。
■「永遠色の虹」とか、おしゃれな表現ですよね。
星名 そこは真山りかです。「サビを狙って書いたんだよね」って言っていました。(笑)
中山 実際にサビの1行目になって。(笑)
■歌詞を見て、これまでの活動を思い返しながら書いたんだろうなと。
星名 そうですね。自分たちのなかだと、ほんと些細な言葉でも「こういうのあったよね」とか思い出すことがあって。レコーディングでも泣きそうになりました。
■「クラスにいても仲良くならないタイプ」は中山さんと小林さんの2人で歌っていますけど、この組み合わせに意味はあるんですか?
中山 別に歌穂ちゃんだけっていうわけじゃないですけど、たまに楽屋とかで言っているんですよ。この6人、同じクラスにいても一緒のグループにはならないよねって。でも、私は歌穂ちゃんと同じタイミングでエビ中に入ったので、歌穂ちゃんと一緒にここを歌うって知ったときは、ちょっと泣きそうになりました。
■ここの歌詞は誰が作ったんですか?
中山 これは私です。(笑)
■自分で作ったところだったんですね。そのあとには星名さんと真山さんの2人が、「嫌になることもあるけど/絶対に嫌いになれない 声 汗 涙 笑顔」と歌っていて、ケンカしていた時期でもあったのかなって。(笑)
星名 私たちめっちゃ不仲説が出ているんですよ。(笑) プライベートで一緒にいることも多いので、むしろ仲いいほうだと思うんですけど。
中山 うん、仲いいよね。
星名 そう言えば言うほど不仲説が出そうですけど。(笑)
■実際、ケンカしたこととかはあるんですか?
中山 ケンカまでにいかないよね。
星名 一緒にいすぎるので、ここまで言ったら怒るだろうなとか、LINEとかでも察して。(笑)
■これだけ長く一緒にいたら、不仲とかそういう次元じゃないですよね。
星名 そうですね。もう友達とかとは違う存在という感じです。
■ちなみに「かかとが擦り切れててなんか臭いけど/捨てられないんだよな 10年前のスニーカー」は誰が書いたんですか?
星名 安本です。(笑) ライブのMCとかでも言っているんですよ。それが歌詞に出てきたから、めちゃめちゃ笑って。もう「臭い」に引っ張られすぎちゃって、曲のタイトルをどうするかって話になったときも、“本当にあった臭い話”でいいんじゃない?っていう話が出たくらいで。(笑)
中山 みんなでふざけて言っていたんですけど、さすがにNGが出ました。(笑)
星名 略して「ほんくさ」って言ってたよね。(笑)
■それも個人的には好きですけどね。(笑) アルバムを作り終えて、自分のなかに見えてきたものはありますか?
星名 なんだろう……。全力で歌うとか、そういうテイストじゃない曲のほうが多くて、アイドルのアルバムとしては珍しいのかなって。それでも自分たちのカラーがちゃんと出ていると思うし、これから先のエビ中はどうなっていくんだろうなって、楽しみになるようなアルバムだと思うんです。昔はなんでも全力で歌うのが正しいと思っていたんですけど、こうやっていろいろな音楽に出会って、いろいろな経験も重ねてきて、表現力を少しずつ手に入れているというか、勉強させてもらってるなというのはあります。
■中山さんはどうですか?
中山 『playlist』は10周年の最後を飾るアルバムですけど、11年目とか、さらに先につなげるような作品にしたいっていう想いで作ったんです。だから、今回もたくさん新しいタイプの曲を作っていただきましたけど、この先ももっといろんな方に出会って、エビ中に新しい風を吹かせてくれるような曲と出会うことができるんだなと思うとワクワクします。
■チャレンジしてみたいジャンルとかありますか?
中山 いままでもけっこういろんなジャンルにチャレンジしているはずなんですけど、今回も新しいなと思う曲ばかりで。
星名 「まだあった!」っていうくらいだよね。
中山 逆に何に挑戦してないんだろう?
■こういう曲を歌いたいというよりは、来たものをどう打ち返すかみたいな意識のほうが強いですか?
星名 そうですね。そのスタイルでずっとやってきたので。でも、カップリングでもいいので、バチバチのアイドルソングを歌って、11年目のアイドルの底力というか、そういうのを見せられる曲もあってもいいのかなとは思います。エビ中はいろんな楽曲があるからこそ、アイドルに興味がなかった方も遊びに来てくださっていると思っていて、そういう話をファンの方からもよく言われるんです。だから、みんながイメージするアイドルって、こういうのなんだよっていうのもお見せして、それでまたいろんな音楽を楽しんでもらえるグループになれたらなって思います。
■星名さんはアイドル像にこだわりがある感じなんですか?
星名 いやぁ、プライベートでは全然アイドルは聴かないんです。(笑) なんなら普段はiriさんとか聴いているので、今回楽曲を提供していただけてうれしかったです。
中山 でも、ファンの方々からも、美怜ちゃんはアイドルだって言われるよね。
星名 なんなんだろうね。
■この先のエビ中がどうなるかはわからないですけど、5年後とか10年後とかに見たときに、今回のアルバムの意味が増してくるのかなって思ったんです。
星名 5年後は27歳になっていますけど、その年でも全然歌っていけるような曲ですよね。いまの私たちにとっては大人っぽいかもしれないけど、すごい先は見えるなって思います。
中山 また解釈もどんどん変わっていきそう。