私立恵比寿中学 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

私立恵比寿中学『playlist』

10周年のエビ中が今年2枚目のフルアルバム!星名&中山が“燃え尽きない”気持ちを語る

今年は開校10周年イヤーとして精力的に活動する私立恵比寿中学の最新作『playlist』は、3月のフルアルバム『MUSiC』、6月のシングル『トレンディガール』に続いてリリースされる今年2枚目のフルアルバムだ。本作には既にMVも話題となっている、石崎ひゅーい提供の“ジャンプ”をはじめ、気鋭のアーティストたちが楽曲提供。メンバーも「いままでとはまったく違うエビ中」と語るなど、11年目以降の展開も楽しみになる内容に仕上がっている。このほかにもファンは涙なしに聴けないメンバー作詞の“HISTORY”など、新たなチャレンジ満載の本作について、2010年転入の星名美怜、2014年転入の中山莉子の2人に、今後への意気込みとともに語ってもらった。

■今年2枚目のフルアルバムが出ますけど、やっぱり10周年だからなんですか?

星名 そうですね。10周年なのでリリースも多かったり、ライブも多かったり。今年はファンのみなさんと週に1回は会っているんじゃないかっていうくらい、ずっと何かしらの活動をしていますね。

■3月に『MUSiC』が出て、6月に『トレンディガール』が出て、それが終わってから今回の『playlist』はレコーディングしたんですか?

中山 ほんと最近ですね。

星名 1カ月くらいでキュッとレコーディングして。1曲終わったら「はい、次」みたいな感じで、けっこうバタバタでした。

■エビ中はおもしろい曲と真面目な曲があると思うんですけど、今回はほぼ真面目な曲になっているなと思いました

中山 最近は特にその傾向が強くなっていて。けっこう大人な、挑戦な楽曲が多いです。

星名 でも、どうしてもアイドル要素は外したくないというところで、何曲かはおもしろい系も織り交ぜています。

■アルバムのコンセプトは聞かされていたんですか?

星名 10周年のアルバムだけど、この先を見据えた作品にしたいっていうのがあって、初めてご一緒する作家の方々にたくさん参加していただいたんです。しかも、その作家のみなさまのカラーをそのまま出していただいて。だから、いままでとはまったく違うエビ中になっていると思いますし、『playlist』というタイトルにふさわしい幅広い曲が入ったアルバムになったと思います。

■挑戦という言葉も出ましたけど、特に挑戦だと感じた曲は?

中山 私は“シングルTONEでお願い”が、いつもと違う歌い方だったというか。

■ポセイドン・石川さん提供のシティポップ的な楽曲ですよね。

中山 はい。私、けっこう勢いよくガッツリ歌うのが好きなんですけど、曲に合わせていろんな表現をつけていかないと、今後出会う曲をうまく歌えないと思うので、今回挑戦できてよかったなと思いました。

星名 私はiriさんが作ってくれた“I’ll be here”が、iriさんカラーに染まりまくるエビ中みたいな感じで印象的でした。正直、レコーディングする前は、自分の想像しているエビ中像では、どうやって歌えばいいか全然イメージが浮かばなかったんです。でも、いままでいろいろなことを経験させていただいているからこそ、こういう大人っぽいR&Bを歌うことができたのかなって。すごい世界観が変わった感じがあります。楽しかったです。

■“I’ll be here”は1番をほぼ柏木さんが一人で歌っていますよね?

星名 そうですね。レコーディングのときは全員まるっと1曲録るんですよ。だからどういう歌割りになるのかは、わからないまま歌っていて。

■全員一回全部録るグループはたまに見ますけど、それで1番まるごと一人で歌うみたいなのは珍しいですよね。

星名 エビ中的にも珍しくて、斬新でしたね。ただ、それもこれからのエビ中に向けての一歩かなって思うんです。もともとセンターとか、誰がメインとかをあんまり決めるグループじゃなかったんですけど、最近はそれぞれの個性が表に出てきているので、それを楽曲にも当てはめたらおもしろいんじゃないかっていうのがあって、今回こういう感じになったんです。

■星名さんも“PANDORA”でめちゃくちゃフィーチャーされていますよね。

星名 これはキーの問題です。(笑)

中山 美怜ちゃんしか出せない。(笑)

星名 この曲はエビ中史上最速最高音ということでやらせていただいて。アルバムのなかで最初に収録したんですけど、いただいたときからずっと耳に残っているんです。もうライブでも披露していて、初披露からみんながイキイキとコールをしてくれたので、エビ中のパワーを見せつけられる曲になったんじゃないかなと思います。

■実際、歌うのは大変なんですか?

星名 大変ですけど、いつも勢いでなんとかします。(笑)

中山 この声は勢いじゃ出ないよ〜!

星名 この前、ソロのライブのときにも歌ったんですけど、さすがに一人はしんどかったです。(笑)

中山 これを一人で歌うなんて考えられない…。

いままでにない表現力を求められる楽曲も多かったのかなと思うんですけど、成長した実感はありますか?

中山 曲をもらってすぐレコーディングだったので、それはこれからなのかなって。ライブでやっていくうちに、もっと身につけていければなと思います。

星名 今回は石崎ひゅーいさんが作ってくださった“ジャンプ”がリード曲になるんですけど、こないだMVを撮影したんです。エビ中は“金八DANCE MUSIC”(「ミュージックステーション」出演時にも披露された2015年発表の2ndアルバム『金八』のリード曲)のイメージが強い人も多いと思うんですけど、それとは全然違う表情が出ている曲だし、MVもそういう仕上がりになると思うので、それがエビ中の新しい顔になるというか。これからは年相応なグループに変化していけるのかなって思います。

■この“ジャンプ”は「馬鹿にしてくれたっていいぜあなたが笑ってくれるなら」とか、前向きな決意の詰まった曲だと思ったんですけど、みなさんはどう解釈されたんですか?

中山 解釈かぁ……難しい。言葉一つ一つのキーワードが強すぎて、どういう想いで書いてくださったんだろうって、すごい悩みました。

■そういうのはみなさんで話し合ったりするんですか?

星名 レコーディングは別々でやるので、ボイトレの先生とかと話すことはあるんですけど、メンバー間ではライブで披露する前に意識統一するような感じなんです。“ジャンプ”に関しては次のパシフィコ横浜(11月23日に開催)で初披露するので、そのときかなって。でも、孤独のなかの燃えている心というか、情景が浮かびやすい曲だなと思うし、いろんな世代の方の胸に直接訴えかけるような感じがあって。レコーディングでも、ずっと「エモく、エモく」って言われたんですよ。だから、どれだけ自分の想いを乗せるかを意識して歌いました。

■いちばんエモいと感じた部分は?

星名 安本が担当しているラップのパートですね。ここは1番も2番もすごい来るものがあって。

■「今だーっ!」って叫んでいましたよね。

中山 これはセリフになるのかな? エビ中の楽曲だと“ハイタテキ!”(2014年発表の7thシングル)に「惚れたっ!」っていうセリフがありますけど、こういうアツいセリフは初めてじゃないかなと思います。ライブではファンの人の気持ちとかも巻き込めるんじゃないかなって。