■あははは、でもそうなんですよね。このからだの中が宇宙。わたしたちひとりひとりがもう宇宙なんですよね。
佐々木 そう。そう言われているの。だから、僕は死というのはあまり暗くは受け止めていなくて。でも不思議ではあるよね、死んだらこの意識がなくなるっていうのは。
■そうなんですよ。
シュネル 僕は輪廻転生はせず、できればずっと見守っていたいですね、渡辺家を。(笑)
佐々木 「次はこいつが権力を握るのか…」って?(笑)
シュネル そうそう、何かあったら助けてあげたいし。でも、もし生まれ変わったとしたら、鳥とかにはなりたくない。
佐々木 でも命は命だから、鳥になる可能性もあるよね?
シュネル だったらもうどこにもつかず、ずっと見守っていたい。(笑)
■じゃあ、生まれ変わるとしたら何になりたいですか?
シュネル どうせだったら女性になりたいですね。
佐々木 やっぱり人は人なんだ。(笑)
シュネル どうせだったらやっぱり人で、女性に生まれていまとは全く違う人生を送ってみたいです。
■女性になって何がしたいですか?
シュネル なんだろう…?ちやほやされたい。(笑)
■いまもちやほやされているんじゃないですか?(笑)
シュネル いや、男は女性ほどちやほやされることはないですよ。女性だとナンパされたりするじゃないですか!
佐々木 たしかに、男と女は違うね。
シュネル ね。その感覚をちょっと味わってみたいなって。
■木全さんは?
木全 僕は飛べる何かになりたいです。鳥とか…。
佐々木 シュネルさんにはなりたくないって言われてたけど、鳥は。(笑)
木全 シュネルさんはなりたくないって言ってたけど、俺はなりたいです。(笑) 空を飛んでみたい!
■あー、いいですね。
木全 いまは人間として生きているわけじゃないですか。だからいままで見られなかった景色を見たいというか。スカイダイビングとかやればいいのかもしれないけど、でもきっと自分で飛ぶのってきっと全然違う世界じゃないですか?
シュネル 自由だよね。
木全 そう。だから空か海のどっちかがいいかなって、空か海の景色を見たいなって。
佐々木 ロマンチックだね。(笑)
シュネル でも、海だったらすぐ食われる可能性もあるよね、小魚とか。(笑)
全員 爆笑
シュネル きっと空のほうが安全だよ、親鳥が守ってくれるから。
佐々木 海はもう弱肉強食だからね。
シュネル 野放しだから。
木全 なんでだよ、せっかくファンタジーな感じでしゃべってたのに!(笑)
■ね。せっかく夢のあるお話をしてくださったのに。(笑) じゃあ佐々木さんは?
佐々木 僕はですね、人には生まれ変わりたいんですけど、つい最近あったアメリカのニュース、知ってます?
■なんですか?
佐々木 ある夫婦に子どもが生まれたんですけど、子どもが訳のわからない地名をしゃべり始めて、そこに行きたいってお父さんにずっと言っていたらしいんですよ。で、そこに連れて行ったら、その子は、その村で殺されちゃった人の生まれ変わりだったと。
全員 へー!
佐々木 5歳の男の子なんですけど、その子が、この人に斧で殴られて死んだんだって言って、自分が埋められたという場所に行ったら、本当に遺体も出てきて、それで犯人が捕まったんですよ。
シュネル 5歳だったら、わりとはやく生まれ変わったってこと?
佐々木 そう。だからタイミングってたぶん様々なんだと思う。その子はその村で10年前に亡くなった人の生まれ変わりだったらしいですよ。
■普通はそういう前世の記憶は消えて生まれてくるんですよね…。
佐々木 そう。俺らだって誰かの生まれ変わりかもしれないけど、記憶は残っていないからね。でもその子は記憶が残ったまま生まれ変わっちゃったっていう。
木全 そうなりたいってこと?
佐々木 そう!そうなりたい。
木全 怖い、怖い…!俺は嫌だわ、記憶が残ったまま生まれるなんて…。
佐々木 前の人の記憶を宿しているってすごいなって思いません?僕はなんか素敵だなと思っちゃって。しかも生まれ変わることが証明できるじゃないですか。自分が実験台になって、それを証明できたらなって。
■たしかに、それはおもしろいですよね。
佐々木 おもしろいですよね、っていうか、「“生と死”って何?」ってところから、「人間って何?」みたいな。(笑)
■すみません、おもしろいのでついつい話がそれてしまって。“生と死”の楽曲に話を戻して…。身近なことではあるけれど感情の入れ方は大変だったとのことでしたが、どういうふうに届けようとか、どういうふうに伝わればいいとか、そういうことは今回考えたりしましたか?
佐々木 今回は届けたい、伝えたいっていうよりは、僕らがいま表現できる“生と死”、それを聴いてどう感じてもらえるか、というところに今回は重きを置いた気がしますね。自分の中で完結しているものを聴いてもらうというか。
■あー、なるほど。
佐々木 そういう意味でも、いままでのSOLIDEMOの楽曲とは違うテイストになっているかもしれないし、これまでのレコーディングとも全然感覚は違いましたね。これまでの曲は、自分の個性や自分の表現、自分の伝えたい想いをどう歌ったら言葉に乗るかってことを考えながら歌っていたんですけど、今回は“生と死”という題材があって、それを素直に歌って、聴く人にどう感じてもらえるかって。それだけの想いでレコーディングしたような気がします。
■今回はカップリングもこれまでにない感じですよね。
シュネル “Closer to you”は、いままでのSOLIDEMOにはない大人の色気がある曲がほしいなと思って、男と女の気持ちの探り合いをテーマに、僕たちも大人になってきたということで、エロさも出しつつ、“生と死”とはまた違ったダンディーな曲になりましたね。
木全 この曲かっこいいですよね。僕は歌っていないんですけど、すごく好きで、ステージングや振りも含めて、大人な雰囲気というか、すごくかっこいいんですよ。
シュネル 振りはですね、今回は指先まで気を遣ってみました!
■というのは?
シュネル 初めてマイクスタンドを使う曲なんですけど、マイクスタンドを女性に例えてやさしく触れたり、激しくつかんでみたり。だから歌だけじゃなくて、手元も観てもらいたいですね。この曲はぜひ細かい指先まで!
木全 シュネルはこうやって女性を扱っているんだなって。(笑)
佐々木 バレちゃうね。(笑)
シュネル 特にマイクスタンドを下から上にこうするところが、僕のこだわりです。(笑)