■サンサーラブコールズには、ミサキングさんというギタリストでありながらヴォーカルも担当している方がいますが、女性の歌声が楽曲の中に加わることで、どの曲もより個性際立つ表情になっているなと感じました。
Ｋ このバンドを立ち上げた時から、女性ヴォーカルは絶対に必要と決めていて、それでメンバー探しをした経緯があるから。もともとドラマーは、自分の音の面での趣向的に男性が良かったので、男性ドラマーを探してたんです。楽器はギターでもベースでもどちらでもいいので、とにかく歌える女性メンバーが欲しくて探していた時に出会ったのがミサキングだったんですよ。
■なぜ女性ヴォーカリストを入れることに固執したのか、その理由も気になります。
Ｋ 男としては、女性の声だからこそ生まれる表現のニュアンスに憧れるんですよ。たとえば、『8dayHz』の1曲目の“Who I Am”では、「爆音の向こう側 手を繋ぎ君を連れ出す」と歌っているところとか、男性が歌うよりも、強気な女性が強い意志を持って歌った方が言葉に込めた感情が際立つし、聴いていて「キュン」となるので。それは他の曲たちにも言えることで、男性が歌う以上の感情表現やアクセントを与えてくれるからこそ、女性ヴォーカルを求めたくなるんだろうね。
■確かに女性の歌声が加わることで、その曲に描いた心模様がよりドラマチックに聴こえますからね。
Ｋ 歌詞を書く立場としても、めっちゃ表情を付けやすくなるんです。ホボケンもコンポーザーだからわかるでしょ？
帆保 それは感じますね。たとえば、自分が女性目線で書いた歌詞の部分を、男性である自分が歌うと「なんかちょっと気持ち悪いな…」となってしまうけど、そこを女性が歌うことでむしろ生き生きしてくる。それに男性が書く女性目線の歌詞の場合、そこに出てくる女性って男性が想い描く理想の女性像が多いんですよ。だったら、理想として書いた女性像を実際に女性に歌ってもらった方が際立つのはすごく自然なことだし、それがバンドの強みにもなるから。
Ｋ “Who I Am”では、女性ヴォーカルでふわっと感情を伝えた後、僕のラップが飛びだすんですけど、あそこの表現の落差が生み出す格好良さは男女ヴォーカルだからこその強みだなと感じています。
■今はその『8dayHz』へ詰め込んだ曲たちを、さらにライブでブラッシュアップしている時期になりますか？
帆保 今の情勢としては、ライブ本数もそんなに多く重ねられているわけではないし、そこにジレンマはありますけど。僕自身はこのミニアルバムを作っていた頃はサポートメンバーだったから、そこまで強く自分の色を主張はしなかったけど、今はライブごとに自分の色を加えて演奏していっているので、ライブを通してこの曲たちを聴くと、また違った魅力を感じれるはずです。それに、楽曲ってライブという場を通してどんどん成長もしていくから、成長し続けていく姿も、ぜひライブで感じて欲しいんです。
Ｋ むしろ音源に収録した最初の完成形を、さらにライブを通してブラッシュアップしていくことで、楽曲が本当に求めるべき姿へと成長させていける。音楽ってそういうものだと思うしね。
Leo うちらメンバーは、ずっと同じことを繰り返すのが性格的に合わない人たちばかりなんです。今回のミニアルバムの曲たちもライブで演奏し始めて2、3回目で早くも弾き方や叩き方に変化が出てきましたね。
帆保 うちのバンドに関しては「作品通りに演奏してください」と言われても、無理ですね。(笑)
Leo むしろライブを重ねるたびに進化し続けています。“Who I Am”の演奏とか、アルバムに入っている演奏とはすでにだいぶ変わってきているし。(笑)
■それがライブで楽曲を聴く面白さですからね。最後に1stミニアルバム『8dayHz』についての聴きどころもひと言ずついただいても良いですか？
Leo 少し聴いて「こういうバンドか」と決めつけることなく、まずは全曲聴いてもらいたいです。聴けば感じると思うんですけど、本当に1曲1曲表情が変わっていくから。身近なところでも「えっ？こんな表情の曲もやっているんだ」という驚きの声が結構返ってきているんですよ。だからこそ、変な先入観を一度全部捨てて、真っ白な気持ちで1枚通して聴いてくれたら嬉しいです。
帆保 僕がお客さんとしてこの作品を聴いたら、「何かとんでもないことをやらかしそうだな」と感じていると思います。「こういうバンドが成功したら世の中にすごい衝撃を与えていけそうだな」と思うからこそ、ぜひいろんな人たちの支持を得て成功したいですね。そんな風に思えるアルバムです。
Ｋ 僕はゲームの攻略本とかがめちゃくちゃ嫌いなんですよ。自身が書いた曲の世界を、聴いた人がそれぞれに考察して楽しんでもらいたいからそう思ってしまうんだけど。
Leo Ｋの歌詞の場合、考察した以上に深い内容だったり、予想を裏切る仕掛けがあって、そこが面白いよね。
帆保 よく歌詞を徹底的に考察しては分析し、それを感想として書いたりする人っているじゃないですか。まさにそうしたくなる曲たちばかりだからね。
Ｋ だから、自分から歌詞に込めた想いの答えを言うのは控えているんです。でも、それは僕自身の正解であって、その人が考察し、読み解いた考えすべてが僕は正解だと思っているので。だからこそ、聴いた人それぞれが自由に解釈を広げながら、サンサーラブコールズの音楽を楽しんでもらえたら嬉しいです。それが一番の理想です。
Interview & Text：長澤智典
PROFILE
2017年7月5日1st single『日本転覆のすゝめ』を掲げ、初期メンバー、K（Vo）、ミサキング（Gt&Vo）カンタロー（Gt）、竜之介（Ba）、Leo（Dr）の 5名で始動。2017 年12月10日、2nd single『平成大恐慌』をリリース。2018年10月31日、F.KIYOSHI（Key＆Sampler）が加入。2018年12月15日3rd single『NEW ERʼ Aʼ ROR』(エラニューエラー) をリリース。2020年5月10日、limited single『20/20-DIY MIX-』をリリース。2021年6月1日、帆保健太郎（Ba）が加入。2021年8月4日、1st Mini Album『8dayHz』リリース。
https://sunsirlovecalls.com/
RELEASE
『8dayHz』
QACW-2012
￥2,200（tax in）
DIAMOND MUSIC
8月4日 ON SALE
LIVE
・XANY presents 「#XXX0922」＠Shinjuku club SCIENCE
開催日：2021年9月22日
開場/開演 17:00/17:30
場所 Shinjuku club SCIENCE
▼出演者
XANY、Octavius、BabyFace、サンサーラブコールズ、WE ARE FROM YOU
▼チケット代
¥2,500/当日 ¥3,000(D代別)
・FM802 MINAMI WHEEL 2021
開催日：10月8（金）、9日（土）、10（日）
会場：大阪・ミナミエリア ライブハウス20ヶ所以上
※サンサーラブコールズの出演は10月10日（日）。会場・出演時間などは後日発表されます。
※詳しくはオフィシャルサイトにてご確認ください。
3DAYS PASS オフィシャル先行割引チケット受付中！
https://minamiwheel.jp/
