TAEYO VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

TAEYO『ORANGE』

■“ORANGE”はどれくらいで作られたんですか?

TAEYO トラックも何もない状態から作っているので、1ヵ月くらいかな?ああでもない、こうでもないって言いながら。

■じっくり作られた分、余計に愛おしい1曲じゃないですか?

TAEYO だから早く聴いてほしいし、いちばん聴いてほしい曲なんです。今まではトラックメーカーにトラックを投げて、スタジオでリリックを書いて、レコーディングっていう流れだったんですけど、今回はリリックもめちゃめちゃ時間かけていて。今までは携帯に打って書いていたんですけど、今回“Calm”は、初めて紙とペンで書いたりして。

■紙に書くのと携帯とではやっぱり違いますか?

TAEYO ありだなって思いました。ノりがいい曲は携帯の方がポンポン出来るっていうのもあるんですけど。

■“Calm”はどのように書いていったんですか?

TAEYO まず自然ワードを書き出したんです。「鳥」「夏」「雨」「川」「空」とかを紙に書き出して、それを紙の上でマップみたいにしていって、そこからまた自分のワードをチョイスしてって、そういう流れで作っていきました。

■面白いですね。

TAEYO 面白かったですよ。初めて違う作り方をしてみて、「あー、これもありだな」と思ったし、これまで言わなかったことも言えるなって、それも大きかったですね。“Intro”はTaeyoung Boy節というか、今までやってきたラップを消化させた感じですけど、全体的に今まで言わなかったこと、言えなかったこと、あえて触れなかったこと、そういう弱い部分を書けたかなって。“Let me down”で「世界の中心はいない」って言ってるけど、今までだったらたぶん「世界の中心は俺だ」みたいなリリックを書いていたと思うんですよ。

■今回は弱い部分も正直に出していますよね。

TAEYO そんなに意識していたつもりはないんですけど、今まで書いていなかったリリックですよね。

■そういうところもちゃんと書かれているから、すんなり入ってくるというか、押しつけがましくない感じがしました。

TAEYO やっぱりラップって押しつけがましいんでね。(笑) そもそも自分の生き方とかスタンスを押しつけるものじゃないですか。だけど、今はそれはいいかなと思って。そうすることで自分の幅も広がるし、聴く人の幅も広がるし、いいことしかねぇじゃんって。だからこういうリリックでも全然ダサくないと思っていますよ。

■全然ダサくない、むしろカッコいいです。ご自身の意識の変化を経験して、もっともっといろんなことがやってみたくなったんじゃないでしょうか?

TAEYO 本当にそうで、アルバムも早く作りたいですね。これでやっと始まったので。音楽を始めた時、謎の自信があったんですよ、すごい自信が。でもその自信分の手応えはまだ全然ないので、まだまだこれからという感じです。

■自分でもこれからどうなっていくか楽しみでもあると?

TAEYO ですね。具体的な目標とかが何もないんですよ。別にネガティブな意味ではなくて、決めたくないんです。武道館でやるとか、なんか今っぽくないじゃないですか。(笑) すごいんですけどね、やられてる方は。出来るようになったらそれはそれでいいですけど、それよりももっとカッコいいことがあると思うし、もっとすげぇことが出来ると思うんですよ。

■場所とかじゃなく?

TAEYO そういう具体的なものがあれば本当はもっと描きやすいのかもしれないですけどね。でも俺はそういうのじゃないかもしれないなって。

■外が似合いそうですよね。

TAEYO それはTAEYOになってから意識し始めましたね。クラブノりからフェスノりというか、それをイメージ出来る曲っていうのはすごく意識し始めました。

■なるほど。目標ではなく、これからやりたいことって何かありますか?

TAEYO 映画に出たいですね。音楽だけがやりたいわけじゃなくて、お笑いも好きだし、お笑いをやりたいわけじゃないけど。(笑) お笑い番組で芸人とひな壇で話してみたいし、『王様のブランチ』で買物の達人とかもやりたいです。

■あはははは、それ観たいです。

TAEYO あとは是枝(裕和)監督の映画にも出たいし、役作りとかもしてみたいんですよね。

■どういう役をやってみたいとかありますか?

TAEYO 何でもやりますよ!高校球児の役がきたら坊主にするし(笑)、白髪にしてサイコパスとかもいいし。園子温さんもめっちゃ好きだから、エログロとかもやりたいですね。

■振り幅がすごいです。(笑)

TAEYO アーティストであれば良くて。アーティストでカッコいい曲が作れれば良くて、あとはもう何でもやりたいです。でも、ひとつだけずっと思っていることがあって、家族やずっと一緒にいる友だちのいちばん自慢の人になりたいって、それはずっと思っています。いちばん自慢されたい、周りの大切な人たちに。例えば「こないだ一緒に遊んだヤツがおまえの曲聴いてたよ」とか、第三者からそういうことを聴くとめっちゃ嬉しいし、そういう人になりたいですね。

Interview & Text:藤坂綾

PROFILE
TaeyoungBoyから改名。2015年、遊びで制作したラップの音源をSoundCloudにアップしたところ、予想以上の反響を受けたことから活動をスタート。2018年『Fault』はSpotifyのバイラルチャートで1位を獲得する。2019年にリリースしたフルアルバム『HOWL OF YOUNGTIMZ』には、Tohji、Pablo Blasta、ACE COOL、WILYWNKA、Shurken Papら新世代ラッパーと、新鋭シンガーFriday Night Plansらが客演参加。メロウな楽曲からクラブ・チューンまで網羅した彼の世界観を披露した。2020年5月、本名から派生した“TAEYO”(タイヨウ)と改名し、ポニーキャニオンから『ASHURA』をデジタルリリースして、メジャーデビュー。この楽曲はトラックプロデュースに東京の最重要hiphopプロデューサーであるChaki Zuluを迎えており、現在放映中のアニメ「ケンガンアシュラ」EDテーマに起用されている。2020年7月15日(水)にはメジャー1st EP『ORANGE』をリリース。
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RELEASE
『ORANGE』

TAEYO『ORANGE』

PCCA-04959
¥1,650(tax in)

ポニーキャニオン
7月15日 ON SALE