高嶺のなでしこ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

更なる成長を見せたニューシングルに込めたこだわりを語る。

HoneyWorksがサウンドプロデュースを務める10人組アイドルグループ、高嶺のなでしこがセカンドシングル『Iʼ M YOUR IDOL / アドレナリンゲーム』をリリース。今年2周年を迎えた高嶺のなでしこ。今作では“Iʼ M YOUR IDOL”がTBS系情報バラエティ番組「王様のブランチ」、 “アドレナリンゲーム”がフジテレビ系TVアニメ「逃走中 グレートミッション」のエンディング主題歌、“アイのウイルス”は映画「悪鬼のウイルス」の主題歌と、3作とも映像作品のタイアップ曲となっている他、数々のフェスへの出演や、地上波をはじめとするメディアへの露出など、多方面で活躍の幅を広げている。今回はそんな高嶺のなでしこから、涼海すう、星谷美来、葉月紗蘭の3人にインタビュー。楽曲の印象や2周年を振り返っての所感などを訊いた。

■2周年記念のZeepツアーを先日終えたところですが、どんなツアーになったと感じていますか?

星谷 すごくあっという間に終わったなと思っています。一つ一つの地方でたくさん思い出が作れて楽しいツアーをファンの方と一緒に巡れたと思います。

涼海 大阪のZepp Osaka Baysideでも公演ができたんですけど、私は大阪府出身なので、凱旋ライブという形でできたのが嬉しかったです。いつもは遠くて中々ライブに来られないファンの方々にもお会いできたのもすごく嬉しかったです。

葉月 こんな大きな会場でツアーをさせていただくのも初めてで、とても楽しかったですし、ファイナルまで完走できて良かったなという安心感もあります。途中、参加できなかったメンバーもいたんですけど、最初と最後はみんなでライブができて嬉しかったです。

■最近はテレビなどでもお見かけすることが増えましたし、活動の規模もどんどん大きくなっているかと思います。グループは2周年を迎えたところですが、どんな気持ちで日々活動していますか?

星谷 最近は多くのショッピングモールなどでリリースイベントを開催させていただくこともあるんですけど、初めて見た通りすがりの方も「たかねこだ!」と言ってくださっているのを耳にすることがあって。知ってくださっているんだなと感じる機会が増えているのが、すごく嬉しいです。まだまだなんですけど、少しずつ広まっているのかなと感じます。

涼海 初めの頃と比べて、お仕事をもらう量も幅もすごく広くなっていて、最近では地上波のテレビ番組にも出演させていただけるようになってきて。期待していただいてるんだなと思って嬉しいですし、少しずつ大きくなっているのを実感しています。

葉月 テレビだけじゃなくラジオの出演もあったりして、いろいろな方面での活動が増えてきてとても嬉しいです。あとはライブ会場もどんどん大きくなっていて、来年の2月14日には国立代々木競技場第二体育館でライブさせていただけたり、今年もアイドルフェスだけじゃなく、ロックフェスにもお呼びいただくことがあって。アイドルの枠だけに収まらない幅広い活動ができているのが、変化を感じられて嬉しいです。

■今作に収録される3曲が映像作品のタイアップなので、そういった点からも注目度が感じられますよね。セカンドシングルとなる今作ですが、両A面のうちの1曲“I’M YOUR IDOL”の歌詞は、アイドルのみなさん自身にも刺さるものではないかと感じました。初めてこの楽曲を聴いた際の印象を教えてください。

涼海 この曲は最初自分が聴いた時、ファンの方の背中を押す応援曲だと思ったんですよ。でも、たくさん聴いていくにつれて、自分たちアイドル側の背中も押してくれるような、そんな温かみのある応援ソングになっているなと感じました。

葉月 私は元々応援する歌詞の楽曲が好きなので、この曲を初めて聴いた時は、「ファンファーレ」だったり、「味方だよ」という歌詞を聴けて、応援されている感じがすごく好きだなと思いました。これをたかねこで歌えるのがとても嬉しいです。より直接的に応援の気持ちをファンの方にお伝えすることができるのは、アイドルだからこそでもあると思うので、この曲をセカンドシングルの表題曲として作っていただけてとても嬉しかったです。

星谷 “I’M YOUR IDOL”は、聴いていてすごく温かくて心地いいメロディーだと感じたのが第一印象でした。それから歌詞を見たんですけど、「僕らの願いは膨らみ夢となる 誰かの心を灯せるように」という歌詞がすごく好きで。ずっとファンでいてくださっている方でも、初めましての方でも、私たちの歌声やライブで少しでも前向きに感じてもらえたらいいなと思いました。

■レコーディングの際に特に意識した点や、印象に残っていることを教えてください。

涼海 2Bの「転んだっていい」の部分は、最初は辛い感じ、悲しい感じの歌い方かなと思っていたんです。でもレコーディングの時に、「この曲は笑顔成分多めで、ずっとニコニコで歌っていてほしい」と言われて。最初は自分が思っていた雰囲気とギャップがあってびっくりしたんですけど、そういう部分を意識しながら歌っていきました。

葉月 Dメロで「泣いてしまうくらい 君を愛してる」という歌詞があって、私は「泣いてしまうくらい」を歌っているんですけど、「愛してる」に繋げるために、ちょっと冗談っぽく言うのかなと思っていたんです。でも「本当に泣いちゃう感じで歌ってほしい」というディレクションをしていただいたので、泣いている感じを出せるように心がけて歌いました。

星谷 1サビに「幸せが溢れる今 きっと続く」という歌詞があるんですけど、この部分は「今私たちが毎日活動できていることが本当に幸せだ」ということを思いながら歌いました。ラスサビでは「永久に続く」と歌詞が変わっているんですけど、この部分は自分たちがというよりも、「応援してくれているファンの方とこれからも幸せに思い出を増やせたらいいな、その時間も永遠に続けばいいな」という気持ちでレコーディングしています。

■“I’M YOUR IDOL”は、Zeppツアーでも披露されたんですよね?

星谷 はい。この曲を披露する前に、メンバーの東山恵里沙が「音楽はつらい時や悲しい時に、私たちに寄り添って笑顔を与えてくれる」みたいな、すごく素敵なメッセージを言ってくれるんです。その流れがあってからこの曲を披露するので、私たちも楽曲の世界観に入れて、気持ちを整えてパフォーマンスできました。ファンの方の中には涙している女の子もいて、私はそういうのに弱いので、それを見てウルウルしながらも耐えながら歌っていました。

■今お話にあった披露する前のメッセージの通り、“I’M YOUR IDOL”には人を勇気づける、寄り添ってくれるようなパワーがあるように感じます。みなさんはこれまで音楽に勇気づけられたり、救われた瞬間や楽曲などはありましたか?

涼海 私は5、6歳の時からHoneyWorksさんが大好きで、アイドルを目指そうと思ったのもHoneyWorksさんがきっかけだったんです。今は17歳で10年以上HoneyWorksさんと育ってきているので、HoneyWorksさんに人生を変えてもらったと言っても過言ではないと思っていて。それで今はHoneyWorksさんサウンドプロデュースのアイドルになれているので、偉大だなというか、HoneyWorksさん様様だなと思っています。

葉月 私は音楽にすごく救われていて。ここに来る時もイヤホンをして音楽を聴き続けていたくらい音楽を聴くのが大好きなんですけど、THE BLUE HEARTSさんの“人にやさしく”という曲がすごく好きなんです。初めて聴いた時に、歌詞の直接的な感じと、ボーカルの方の真剣な歌い方や、声に乗るカッコよさに、これまで見てきた歌手の方々の中でも段違いに感動したんです。それを見て「こういう歌い方ができる人って本当に音楽で人を救えるんだな」と感じて、今までたくさん救われました。

星谷 私はももいろクローバーZさんの“行くぜっ!怪盗少女”が大好きで、「笑顔と歌声で世界を照らし出せ」という歌詞があるんですけど、まさに私たちもアイドルとしてファンの方や聴いている方に笑顔を届けたいと思っているので、リンクしているなと思って。落ち込んだ時や、悩んでる時、百田夏菜子ちゃんの歌声にすごく救われました。

■百田さんはアイドルとしても憧れの存在ですか?

星谷 そうですね。今までフェスでご一緒した時に何度かお会いする機会があって、廊下ですれ違ったんですけど、オーラが違うんですよ。(笑) キラキラしていて、めっちゃ嬉しくて静かに泣いてました。そのくらい緊張しました。でもお会いできて嬉しかったです。

■両A面のもう1曲“アドレナリンゲーム”は、フジテレビ系TVアニメ「逃走中 グレートミッション」のエンディング主題歌になっています。初のアニメタイアップを担当すると知った際は、どんな気持ちでしたか?

星谷 アニメ作品に関われるなんて夢みたいだったので、すごく嬉しかったです。リアタイしているんですけど、エンディングで本当に私たちの声が聴こえて、誇らしくなっちゃいました。家族で聴いていたんですけど、誰がどこを歌っているか予想しながら盛り上がっていました。

涼海 私はアニメがとっても大好きで、小さい頃からアニメを見て育ってきたので、アニメの主題歌を歌うのは本当に夢だったんです。なので本当に嬉しくて。それにみんなが知っている「逃走中」のアニメで流してもらえるなんて、本当に嬉しかったです。私もアニメを見たんですけど、本当に誇らしかったです。(笑)

星谷 誇らしいよね!ちょっとドヤっちゃうよね。(笑)

涼海 ね!「これ私たちですよー!」みたいな。嬉しかったです。

葉月 メンバー内でも「アニメタイアップができたらいいよね」という話をしたことがあったので、本当にぴったりの楽曲をいただけて、すごく嬉しかったです。しかもそれが日曜日にテレビで流れるなんて!っていう。いろんな方々が見ていらっしゃると思うので、たかねこの曲ってカッコいいなとか、「逃走中」にぴったりだなと思ってもらえたら嬉しいです。

■アニメタイアップの楽曲ではありますが、後半には歌詞にグループ名が入っていますし、ライブでも盛り上がりそうで、高嶺のなでしこにとって大事な1曲になっていきそうですよね。

葉月 そうですね。最初はアニメで流れる用の短いバージョンを聴いて、本当にカッコいいなと思ったんですけど、フルで聴くと高嶺のなでしこ色が本当に強いんですよね。

涼海 歌詞に6行も入っているからね、「高嶺のなでしこ」って。(笑)

葉月 でもこれまでになかった、歌詞に英語が入っていたり、ダンスがすごく激しかったりという部分もあるので、新しいたかねこを見せられたらいいなと思います。

涼海 私は先に両A面シングルが発売されることを聞いてから“I’M YOUR IDOL”を聴いて、それから“アドレナリンゲーム”のアニメバージョンを聴いたんですけど、この2曲がすごく正反対の曲調だったのでびっくりしました。でもこういう曲調は大好きですし、ファンの方たちもノリやすいと思うので、この楽曲が歌えるのがすごく嬉しいです。

星谷 私もこの楽曲はすごく好きで、レコーディングでHoneyWorksさんに伝えたくらいでした。疾走感があってテンポも速くて、しかも後半はグループ名が入っていて、それがメロディーというよりもセリフみたいになっているのが楽しくて。最近はファンの方たちも一緒に言ってくださってそこで一体感が生まれるので、披露するのが楽しい曲ですね。

■涼海さんがおっしゃったように、両A面の2曲だけでも正反対の曲調ですが、カップリングの“アイのウイルス”もまた高嶺のなでしこにはこれまでなかったような楽曲だと思います。曲調だけでなく、歌詞もこれまでよりも少し大人びているというか。

涼海 “アイのウイルス”はたかねこ初のロックバラードで、どうやって歌えばいいのか最初は分からなかったんです。HoneyWorksさんがサポートをしてくださったんですけど、すごく難しかったです。すごく感情を込めて、特にサビは力を込めて歌っています。

葉月 好きになった後みたいな視点の楽曲って今までなかったですし、自分もそういう経験はないので、私も本当にどうやって歌ったらいいのかが分からなかったです。私たちのアンバサダーをしてくださっている村重杏奈さんが主演の映画「悪鬼のウイルス」の主題歌になっているんですけど、原作の小説を読んで、想像してからレコーディングに挑みました。

星谷 私もすごく歌うのが難しいなと感じました。サビに入るまでが短いなと思ったんです。今までの曲だと、サビに入るまでにどんどん盛り上がっていってからサビが来るという感じだったんですけど、“アイのウイルス”はサビ前の歌詞も「?」で終わったり、サビに入ってもどこまで気持ちを盛り上げていいかが分からなくて悩みました。でもHoneyWorksさんにアドバイスをいただいて、感情を乗せまくって歌いました。