THE BEAT GARDEN VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

個性あるメンバーばかりなので、『MADE IN DAMAGE』といういいアルバムができた。

THE BEAT GARDENが、新メンバーであるkowta2とKAIが加入して以降、新体制としては初となるフルアルバム『MADE IN DAMAGE』を8月27日にリリース。前作アルバム『Bell』より約2年2か月振りとなる今作は、「こころの傷たちから生まれた」という渾身の作品となっている。今作には、福士蒼汰主演 ABC テレビ・テレビ朝日系列ドラマ「アイのない恋人たち」の主題歌となる“present”や、桜田ひよりが主演を務めたカンテレ・フジテレビ系火ドラ★イレブン「あの子の子ども」の主題歌“わたし”、そして最新曲“Happy Ender”などのシングル曲に加えて、アルバム用に新録された7曲を加えた計10曲が収録される。
そんな今作の制作についてや、9月からスタートする全国ライブハウスツアー『OVER,ANDER,AROUND』に向けての意気込みを、U、藤掛昌斗、渡部怜、KAI、kowta2の5人に語ってもらった。

■前作シングル『Happy Ender』リリース以来の取材になりますが、5人組となってから約5ヶ月ほど経ちましたが、今のTHE BEAT GARDENの雰囲気はいかがですか?

U 新メンバーの二人も、もうTHE BEAT GARDENが板についてきて、友達というか仲間意識が生まれて、いい感じなんじゃないかと思います。

昌斗 めっちゃいい感じだと思いますよ。この二人が入ってくれたことによって、オリジナルメンバーだった3人のMBTIが変わったんですよ!

KAI 僕らが変えたみたいです。

昌斗 それくらい影響力があったってことですね。若返りました!(笑)

U というか、変わらざるを得なかっただけかもよ?生き残るために。(笑)

■新メンバーのお二人は、KAI&kowta2として2人だけでイベントなどにも出演していらっしゃいますが、お二人の時のライブはどんな感じなんですか?

KAI やっぱり二人だけでのライブの時は、僕がフロントマンだという意識があります。ふと横を見ても誰もいないので。(笑) パフォーマンスに対しても、集中の仕方が5人の時とはちょっと違うのかなと感じます。

■なるほど。先日からは、全国フリーライブもスタートされて、“恋ってスタディ?”の初披露もあったかと思いますが、ファンのみなさんの反応や手応えはどんな感じですか?

昌斗 もう“恋ってスタディ?”と、“ラブコメディ”は披露していて、他の新曲についても少しずつ披露していく感じではあるんですけど、披露している“恋ってスタディ?”では、みなさんに言ってもらいたいフレーズがあって、「それをみんながやってくれないと作れないよ」というのを、その都度みなさんには伝えてきたので、それにいい感じに応えてくれているというか、みんなすごく声を出してくれて一体感が生まれているので、全然もう新曲という感じもしないし、すごくいい感じでやれていると思います。

■そうなんですね。みなさんやってくれるんですね!

昌斗 そうなんです。「X!Y!π!」のところと、「えっ?えっ?えっ!?ぜーんぶ間違いじゃん!」のところは、もう完璧ですね!(笑)

 “恋ってスタディ?”は、もう先行配信されているんですけど、配信される前からみなさんTikTokなどで聴き込んでくれていて、この曲は最後にキメのポーズがあるんですけど、それをつい忘れてしまうくらい盛り上がってくれて本当にありがたいです。はじめましてのお客さんたちも、その掛け声のパートでみなさんが盛り上がっているのを見て、「なんだろう?」と寄ってきてくれたり、立ち止まってくれたりもするので、“恋ってスタディ?”の曲のおかげで、新しいお客さんにも知ってもらえていると思うのですごく嬉しいです。

kowta2 後ろから見ていても、3人でリリイベをやっていた頃よりも、みんなの動きも良くなっていますし、Beemer(ファンネーム)たちもすごく盛り上がってくれています。個人的なことで言うと、今年の夏は暑すぎて、野外でのイベントが多いので、パソコンが熱で暴走して音が止まっちゃったりするトラブルも起きているんですけど、僕自身はまだ暴走できていないので、もうちょっとこれからパソコンに負けないように暴走していきたいなと思っています。(笑) 一応夏男なので!

KAI 僕は暑さを全然感じていなくて。一応強がりもあるんですけど……。(笑) でも本当にお客さんの方がダイレクトに直射日光にさらされている中で、ジャンプとかして盛り上げてくれているので、しっかりと水分補給して、熱中症には気をつけてほしいなと思います。でもそれを忘れちゃうくらいに楽しんでくれているのはすごく嬉しいですけどね。

U まず、リハーサルの時から腹を抱えて笑うくらい楽しくて。同じ曲を何度もやっているんですけど、3人だった時はある程度動き方とかを決めていたりもしたんですけど、5人になって人数が増えて、ステージは狭くなったはずなのに、何も動きを決めていなくても全然大丈夫になったのがすごいんですよ。毎回違う動きをしているはずなのに、全員が同じグルーブで動けているから大丈夫なんでしょうね。どういうゴールを目指しているのかが明確なんだと思います。それを話し合っていなくても、自然と曲に引っ張られている感じなんです。普段からの話し合いで、全員が同じコンセプトに向かっていっている流れがあったからかもしれないですね。3人でやっていた時よりも違和感がないんです。さっき「新曲が新曲じゃないみたい」という話もありましたが、お客さんもそれを感じて、自然とそうなっているんじゃないかな?と感じるんです。それがすごく嬉しかったです。

■いい感じで楽しめているようで良かったです。よく3人だけの時に取材で聞いていましたが、最近気になっているアーティストや曲はありますか?

U それ聞いてくれるの嬉しいです!(笑) 僕はmihimaru GTですね。「カバーしようかな?」と思ったこともあって、「Hey!DJ」だし。(笑) 平成感もあって、KAIが女性的な声質をしていることもあるので、すごく合うんじゃないかな?と思ったのがきっかけで、久しぶりに聴いてみたらハマってしまって。最近は移動中にずっと聴いています。

昌斗 僕はフジファブリックです。最近繋がることもできて、それがきっかけですごくよく聴いていますね。

 僕はYUSIIさんの“OMOKAGE”という曲をよく聴いています。まだシングル一枚しかリリースしていないアーティストなんですけど、ピアノとR&Bを混ぜたような世界観で、歌声も素敵だし、MVの中で髪を剃ったりしていて、すごくフィルム上でも違和感があって気になったんです。最近はそれをよく聴いています。あとはBLACK PINKの“JUMP”ですね。ちょっとレイブ感というか、サイケな感じが良くて。あの曲のトラックはDIPLOが作っていて、インタビューとかを読んでみたら、いろいろなジャンルの音楽を1曲に集結して作ったと言っていたので、それを聞いてからあらためて聴いてみたら、すごくカッコいいなと思いました。

■怜さんはいつも尖ったところの音楽を聴いていますよね。すごく参考になります!(笑)

kowta2 僕はDJをやっているので、今までなるべく好きなアーティストというのを作らないようにしていたんです。どうしても選曲が偏ってしまうので。でも最近よく聴いているのは、FACTというバンドと、「頭文字D」のアルバムです。お母さんのお腹の中にいる時からユーロビートとトランスを聴いていたので。DJは絶対にかけないし。(笑)

KAI 僕は映画のサントラ盤(サウンドトラック)が好きで、よく聴いています。ハリー・ポッターの“Diagon Alley and the Gringotts Vault”という曲が好きなんです。電車の中とかでこの曲を聴くと、すごく不思議な気持ちになるんですよ。「なんで僕は今ここにいるんだろう?」となるんです。(笑) なんかすごくそういった音楽が好きなんですよね。

昌斗 確かにKAIは、よく無印良品とかでかかっていそうな音楽を聴いてるよね。

■ボーカリストだと歌モノの曲を聴きそうなのに、珍しいですよね。(笑)

KAI 変わり者だとよく言われます。(笑)

■今年もめちゃくちゃ暑い夏ですが、この夏やっておきたいことをそれぞれ教えてください。

U 僕はニジマス釣りがしたいです。無心になれるし、いいんですよね。釣ったら塩焼きにしてみんなで食べたいですね。ぜひ一緒に行きましょうよ!(笑)

KAI 僕は沖縄に行きたいです。海にも入りたいし。今までは毎年のように沖縄に行っていたので、今年も行きたいです。

kowta2 僕は山に籠もりたいです。キャンプとかじゃなくて、田舎すぎて誰もいないところで狩りとかをしたいです。野営しながら。(笑) 一応昔、猪を狩ったこともあるんです。久々に秘密基地を作ったりしてね。

U その頭で山に入ったら目立ちすぎてダメだろう……。(笑)

kowta2 いや、草と同化すればいけますよ!芝生に寝転べば大丈夫です。(笑)

 僕は暑すぎて外には出たくないので、家でそうめんを作りたいです。

昌斗 僕は夏フェスに行きたいですね。夏らしいことってそれしか思いつかないです。(笑) でも「今年のサマソニは熱いから行きたいね!」とみんなで話していたんですよ。

■それでは新作アルバムについてもお話を聞ければと思いますが、今作のアルバムタイトルは『MADE IN DAMAGE』ですが、なぜこのタイトルになったんでしょうか?

U 僕が考えたんですけど、新体制になったので、逆になんか「キズモノ」みたいに、逆のことを言いたくなって。(笑) 僕ら3人も今までいろいろと上手くいかない下積み時代があったし、新メンバーの二人にも、詳しく話す時間はないですが、今までのいろいろな苦労やストーリーがあるので、僕らに共通して言えるのは、そうやって抱えている傷みたいなものがあったからこそ出会えた5人だったので。それにこのアルバムも、ハッピーな歌がたくさん詰め込まれてはいるんだけど、本当にずっと楽しかったら、それがハッピーだと気付かないし、そういう体験があったからこそ生まれたアルバムだと思うので、『MADE IN DAMAGE』というタイトルにしました。

■ちなみに今作アルバムを聴いてびっくりしましたよ!THE BEAT GARDENは5人になって、前作の『Happy Ender』で久しぶりのEDR路線の曲が出来て、怜さんもラップに集中できるような体制になったので、次のアルバムは、クールなEDRでラップが入っているような曲が多めになる作品になるのかと予想していましたが、いい意味で裏切られました。(笑) 今作が出来上がった今の率直な感想をそれぞれ聞かせてください。

U そう思っていただけて嬉しいです。(笑) 本当に大満足な一枚ができました。こんなに制作期間が充実していたことがないと思うくらい、すべてを出し切れた作品になりました。今までは曲をひとりに聴かせたいなと思っていたんです。今もその気持ちが消えたわけではないんですけど、この5人になってみて、それぞれの個性を爆発できたらいいなと思ったし、すごく曲作りが楽しくなってきたんです。今までは気持ちをぜったいにひとつにしなくちゃいけないと思っていたんですけど、それがストレスになっていたのかも?と思って。もちろんそのストレスのおかげでできた曲たちが、今までの曲なんですけどね。でも今回は本当に自由に作らせてもらって、「自分からこんな言葉が出てくるんだ……?!」と驚いたし、そういうことの連続だったのですごく楽しかったです。

KAI 僕は初めてのアルバム制作だったので、すごく時間がかかる制作になるんだろうなと思っていたんです。もちろんみんなそれぞれいろいろな作業があるんですけど、あっという間に感じました。夢中になって入り込めたからというのもあると思いますが、体感的にはあっという間で、「もう今月リリースか!」というところまで来たという感じです。さっきおっしゃってくれたみたいに、今作はタイトルと中身にギャップがあるいい作品になったと思います。みなさんも受験とか、仕事とかで壁にぶつかったり、挫折したり、落ち込む場面もあると思いますけど、そういう時があるからこそ、ハッピーな瞬間が際立つと思うので、そういったことを形にしたような作品になったので、すごく素敵なアルバムになりました。

kowta2 僕は曲を作るわけでもなく、作詞をするわけでもなく、歌うわけでもなかったんですけど、レコーディングの日は、誰よりも一番早くスタジオに着いていたし、みんな入り時間も帰る時間もバラバラでしたけど、僕は最後までスタジオにいました。(笑) すごく居心地も良かったですし、メンバーみんなのMBTIも変化させられたので、そっちの方でダメージを与えられたのかなと思います。(笑)

■なるほど。(笑) でも一番俯瞰して全体を見られる立場だと思いますので、そういう人もいた方が、客観的な意見が聞けますしね。

kowta2 個性あるメンバーばかりのTHE BEAT GARDENなので、『MADE IN DAMAGE』といういいアルバムができたんだと思います。

 今作の『MADE IN DAMAGE』には、10曲収録されているんですけど、そもそもこの10曲に至るまでに、それぞれが曲を作ってきて、何度も何度もそれを聴いて、みんなで話し合って、最終的にこの10曲に絞ったんです。僕が普通に聴く側だったとしても、すごく聴き応えのある一枚になったなと思います。それに今作の制作をしてみて、アルバムって本当にいろいろな曲を作れますし、自分はライブで歌うのも好きですけど、制作するのも好きなんだなとあらためて感じました。そのことが再認識できたいいアルバムになったと思います。

昌斗 このアルバムが出来あがるまでのプロセスは、もちろんいろいろなことがあったんですけど、こうして出来上がってみて、すごく自分たちをぶち壊せた作品になったなと感じていて、「今まで凝り固まっていたな」とあらためて思いました。よく初めて会ったファンの方に、「アー写(アーティスト写真)と全然イメージが違いますね」と言われることが多かったんですよ。(笑) それはそれでギャップがあって、僕らの強みかなとも思っていたんですけど、今作は「曲を聴いて、会ってみたらこの人たちが歌っているんだ」と思えるような、等身大の僕らが出せた初めてのアルバムになったかなと思います。

■今作は既存のシングル曲3曲に加えて、新曲が7曲収録されるとのことで、既存曲については今までもれなく取材させていただいて、その都度、思いを語ってもらってきたので、今回は新曲7曲のお話を聞ければと思います。まずはSE的な1曲目の“Universe”ですが、まさかこの感じで来るとは想定外でした。(笑)

U この前、僕が東京ドームにライブを見に行った時に、オープニング映像で、宇宙から見た地球から始まって、どんどんズームアップされてドームにたどり着くみたいなのがあるじゃないですか。それを見て「めちゃカッコいいな!」となったんですけど、もし僕らがそれをやるとなったら、なんか小っ恥ずかしいなと思っちゃって……。(笑) それでビートガーデンでやるなら、なんかkowta2がその引きのカメラどつきながら、「そんな訳あるかい!」とやるような画が想像できちゃったので、「いつかドーム公演でそういうのをやれたらいいよね」と、スタッフとも話していたので、今作のアルバムのオープニングでこういうの作ってみました。(笑) もうイベントライブの登場SEとしても使っているんですよ。あの「THE BEAT GARDEN始まるよー!」は、みなさんに大きな声で言ってもらいたいんです。それでライブが始まったら、フロアもきっとあったまっていると思うので。(笑)

■そして2曲目の“恋ってスタディ?”で、「またこう来るか!」と。(笑) この曲はUさんが作詞・作曲でしたが、どのような経緯でこの曲が生まれた感じですか?

U この曲は最初、“Happy Ender“のミディアムテンポバージョンを作ろうと思って、鼻歌でメロディを作っていて。スキャットみたいな感じで、お風呂場でフレーズを録って、みんなにシェアして聴かせたんですよ。それでみんなも「カッコいいね」と言ってくれたので、それをもっとロックっぽくしようかと思っていたんですけど、ミディアムでロックな感じは今までもやってきたなと思って。それで、この5人になってからの半年間を振り返ってみると、みんな仲良くなって、普段はすごくふざけているんです。だから、その感じをもっと表に出して、歌でももっといたずらに楽しんでもいいんじゃないかな?と思ったので、歌詞もこんな感じになっていきました。(笑)

■確かにこの曲は、いつものUさんらしからぬ感じが出ていますよね。(笑)

U そうなんです。「言っちゃいけないことを、こんなに言ってもいいのかな?」と思いながら、この歌詞を書いていきました。(笑)

■ちなみに他のメンバーのみなさんは、Uさんからこの曲があがってきて、聴いてみていかがでしたか?

 最初に聴いた時は、歌詞が乗っていなくて、「ラララ……」でメロディが入っていたんですけど、横ノリですごく夏に合いそうな曲だなと思いました。なんかこの5人でやっている完成形が見えていたような気がします。それに、なんかこの気だるさが今のこの5人のチャンネルにすごく合っているような感じがしました。今、全国を回りながらのリリイベでこの曲を披露してみて、本当にこの曲をセレクトして良かったなと思います。

昌斗 この曲はデモがあがって来た段階で、「めっちゃ仕上がっているな」と思いました。「これはめっちゃカッコいい曲が出来るぞ!」とすごく楽しみでした。それである意味、歌詞でそれを裏切られた感じでしたけど……。(笑) でもそれをリリイベで披露していって、どんどん「これが正解だったんだ」と思っていく感覚がすごく新鮮だなと感じています。僕は平成を生きてきたので、なんだかとても懐かしい気持ちにもなりましたし、自分たちがそこで育ってきたので、本当に嘘なく歌えるというか、そういった雰囲気がすごく出ている1曲になったなと思います。

KAI 僕はその平成感というところでいうと、みんなよりはそれをあまり感じていない世代だとは思うんですけど、懐かしい感じというのもなんとなくわかるんですけど、僕にとっては新しいというか、メロディのキャッチーさも相まって、すごく耳心地がいいというか、自分の音楽ルーツにあるロックとはまた違った感じのロックだなと感じました。僕はロックが好きなので、イベントで披露して歌っていくうちに、「僕はこういう曲が好きなんだな」と思いました。自分の好きなジャンルをまた見つけられたのが嬉しかったですし、それを知れた曲です。

kowta2 この曲はみんなで歌える曲だと思うし、さっき言っていたみたいに、「X!Y!π!」のところをみんなで歌うところとか、それも平成っぽいなと思いました。きっとカラオケとかで歌ってもらっても、みんなで盛り上がれる曲だと思います。僕もデモがあがってきた時からいいなと思っていたし、完成した今の曲を聴いてもやっぱりいいなと思えるので、たくさん聴いてほしいです。