板野友美 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

板野友美『LOCA』

世界的ブームのラテン曲にも挑戦!表現の幅を大きく広げた最新作を語る

板野友美の最新ミニアルバム『LOCA』は、彼女が「歌ってそうで歌ってなかった楽曲」と語った通り、次々と新たな一面を見せてくれる作品だ。昨今、世界的なブームにもなっているラテンサウンドに挑戦した表題曲の“LOCA”では、スペイン語もミックスされた歌詞で、情熱的な大人の女性を表現。一方で自身が初めて作曲まで手がけた“君に贈るうた”は、28歳になった彼女の素直な気持ちが綴られ、リアルなアラサー女子応援ソングに仕上がっているなど、楽曲ごとに異なる女性像が描かれている。全6曲中4曲で作詞、1曲で作曲にも携わり、これまで以上に制作への関与も強めた本作について聞くと、話が止まらないほどたっぷりと語ってくれた。

■最新作の『LOCA』はいろんなスタイルの曲が入っていますよね。

板野 6月のワンマンライブを経て、もっとこういう楽曲を増やしたいとか、今後のライブも意識して作ったんです。だから、いままで私が歌ってそうで歌ってなかった楽曲が詰まったミニアルバムになったかなと思います。

■自分の幅を広げる作品に?

板野 そうですね。たとえばダンスナンバーでも、いままではヒップホップ調の曲が多かったんです。でも、今回は同じダンスナンバーでも“LOVE SEEKER”はロック調だったり、“恋ゴコロ”や“エースのB君”はポップでかわいらしかったり。ライブで明るい曲で盛り上がって、もう1曲歌いたいなっていうときに、意外と選択肢がないねっていう話になって。そこで歌える曲を作りたいなと思って制作しました。

■じゃあ「こういう曲を作ってください」みたいな感じで曲を集めたんですか?

板野 ほぼ全部そうですね。“恋ゴコロ”に関しては、半年前くらいに作って温めていた曲なんですけど、ライブでやったら絶対に盛り上がるだろうなとは思っていたので、このタイミングでのリリースにふさわしかったかなと思います。

■アルバムタイトルにもなっている“LOCA”はラテン調の楽曲になっていますけど、どういう経緯で歌うことになったんですか?

板野 いま世界的にラテン曲が流行っていて、私も好きで普段から聴いているんですけど、なかなか日本でやっている方はいないし、新しいかなと思って。ちょっとセクシーで、情熱的だし、20代前半のときに歌っていたら背伸びしている感じがしたかもしれないけど、20代後半になった私が歌ったら合うんじゃないかということで挑戦してみました。

■ちなみに普段聴いているラテン曲とは?

板野 Camila Cabelloの“Havana”とか、Robin Schulz & Piso 21の“Oh Child”とかですかね。いまいちばん流行っている曲だと、Shawn MendesとCamila Cabelloの“Señorita”とか。洋楽ランキングを聴くのが好きなんですけど、最近はラテン曲がだいたいランクインしているんですよ。特に夏はよく聴いていましたね。

■いろんなスタイルの曲があるなかで、なんで“LOCA”を表題曲にしたんですか?

板野 やっぱり楽曲的にも新しいなと思ったし、ジャケット写真を撮ることを考えても、新しい私を見せられるかなと思ったんです。いままではクールか、かわいらしいか、どっちかでしたけど、今回はクールでもなく、かわいらしいわけでもなく、笑顔なわけでもなく、内に情熱を秘めた大人の女性像みたいなものが出せたらいいなと思って。

■歌の内容も情熱的ですよね。歌詞は板野さん作品を数多く手掛けているHIROMIさんとの共作ですけど、どんなイメージで書かれたんですか?

板野 洋画を見ているような世界観というか。カリブの海があって、香水の匂いがふわっとして、そこで男女が出会って。最初に曲を聴いたときに、ピュアな少女というよりは、誘惑するような大人な女性像が浮かんだんです。それも大人な男女の恋愛というよりは、女性がリードするような恋愛観の曲なのかなって。それで、ちょっと大胆な歌詞になったらいいなと思って、HIROMIちゃんと二人で考えました。

■ちょっと失礼かもしれないですけど、実際の板野さんとは違いますよね?

板野 なんでそんなこと言うんですか!(笑)

■この前、板野さんが出ていた『グータンヌーボ2』を見たんですよ。そこで話していた恋愛観とギャップがあったので。(笑)

板野 あはははは!(笑) そうですね。だからHIROMIちゃんとは「ここはもっと大胆に行こうよ」とか、「非現実的だからこそいいよね」とか話して、大人な恋を想像して書きました。歌い方も普通の感じじゃ絶対にマッチしないから、どうすればいい感じに聴こえるか、探り探り、ちょっとセクシーに、大人っぽく歌いましたね。

■歌詞にはスペイン語のフレーズも入っていますけど、どうやって作ったんですか?

板野 HIROMIちゃんがスペイン語を話せるお友達にどういう言い回しがいいか聞いてくれて。歌詞になっている「Tú eres mi vida loca」だと「あなたに夢中」みたいな意味になるんです。

■いままでの板野さんの楽曲にはないタイプですけど、ライブではどうなりそうですか?

板野 まずセットリストのどこに入れようかなって。どういう振り付けにするか、どんな演出にするかも、いま話し合っているところ(取材はツアー開始前)なので、楽しみにしていてください。さすがに“LOCA”だけツアーでやらないということはありえないので。(笑)

■楽しみにしています!今作では楽曲ごとに違う女性像が描かれていると思うんですけど、“LOCA”以外の曲についても解説していただけますか?

板野 はい。1曲目の“恋ゴコロ”はピュアな片想いというか、ときめいている女性を歌っていて。最近、私の友達が片想いしていて、そのときの話を聞いていたら、「それ、彼はその気なくない?」みたいな感じだったんですよ。(笑) でも、それを指摘しても「でもね、こうでこうでこうだったんだよ」って、プラスに考える彼女がとってもかわいくて愛おしくて。その相談を聞きながら、私も若いときにそういう片想いをしたことあったなとか思って。とってもピュアでかわいらしい女の子の恋心が描けました。

■その片想いの方の話と自分の経験を基に歌詞を書いたんですか?

板野 あとはHIROMIちゃんの想いも入っていますね。その友達のことを話して、私がだいたい書いた歌詞に、HIROMIちゃんが思った歌詞を合わせて、二人のいいとこ取りをして完成させました。