うじたまい VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■“女の子”は、他の楽曲とはイメージが全然違った作品だなと思ったのですが、“女の子”もうじたまいさんご自身に向けた楽曲になっているんですか?

うじた あの世界観は自分の中で「これでいいのかな?」って悩みながら作った曲ではあるんですけど、結構ダークな目線を取り入れた楽曲になっています。人って暗い時と明るい時があると思うんです。私自身、感情の落差が激しいタイプで、そういう人の根っこの部分を伝えられたらいいなと思って歌詞から考えた楽曲です。

■うじたまいさんとは違うキャラクターを取り入れて作ったものかと思ったんですが、あれもうじたまいさんの一つの側面なんですね。

うじた そうですね。ただ、“女の子”は一見暗い楽曲なんですが、最後の言葉ではちょっと希望を持たせたいなと思って作りました。本当は自分を好きになりたい子の歌として作った楽曲なので、そんなふうに掘り下げて聴いてくれたら嬉しいですね。

■言葉ひとつひとつに想いが込もっていて、それがストレートに伝わる言葉選びがうじたまいさんの楽曲の魅力にも思えます。

うじた 私自身、言葉は私の楽曲の魅力の一つだと思っています。

■うじたまいさんはマルチクリエイト・シンガーソングライターとして活躍していますが、昔からものづくりがお好きだったんですか?

うじた 妄想癖があって、いろいろと作ることが好きでした。小学生の時に引きこもってしまった時があって、そこから一人遊びをすることが多くなったので、想像上の人間を作って遊んだりしていた時期もありました。(笑) でも曲を作り出したのはTikTokを始めた時です。それが初めてでした。動画として面白いものを作りたいなと思った時に、曲作りを始めたんです。面白いものを作りたいと思って始めたことが、みなさんに受け入れてもらえるようになって、本当に嬉しいですね。

■音楽制作はここ数年で始めたことだったんですね!びっくりしました。

うじた 言葉から作っていることが多いので、伝えたいこと、「自分ってなんだろう?」っていうことを、言葉を並べて制作しているんです。こうして喋っている時の言葉よりも、歌で伝える方が伝わるなとか、自分の感情をストレートに伝えられる気がしています。だから、あまり歌を作っているという感覚がなかったんです。伝えたい言葉に勝手にメロディーが乗っちゃうような、そんな感覚でした。

■昔から言葉を大切にしたいという気持ちがあったんでしょうか?

うじた そうですね。昔から私自身が繊細だと思うところがあって、「言葉一つで相手を傷つけることもあるんだな」と実感することが多かったんです。だから、言葉選びは慎重に行いたいなって思うことも多かったですね。話す時も気をつけています。

■“独りうた〜September調子はどうだい〜”では、「ぶっちゃけ学校とかクソくらえだと思ってたよ」という歌詞があり、聴いた時は衝撃を受けました。

うじた そうですね、実際に小学校の時とかは傷つくことも多くて、一回心が折れて引きこもったこともありました。当時から考えていることとか、言いたいことはいっぱいあるけど、でもそれが上手く言葉に出せないということが多かったんです。人に合わせてしまったり、いい顔をしてしまったりして、そんなことを繰り返す中で、「あれもやだ」「これもやだ」ってなってしまって、潰れてしまったんですね。それが初めて挫折した経験でした。そんな落ち込んでいる時期に、おばあちゃんが「今一番落ち込んでいる時期だから、これからは上がるしかないよ」って言ってくれたんです。その言葉があったからこそ、頑張って立ち上がることができました。どん底で生きていると未来に希望を持てないことが多いと思うんですけど、むしろ「今が最低なら、これからは希望があるよ」って伝えたいなって思っているんです。子どもたちが未来に希望を持てなくて「大人になりたくない」って思っていることが、素直に寂しいなって思ったことも、この楽曲を作るきっかけでした。

■今うじたまいさんが楽しいから、そういうメッセージを伝えることができるんですね。

うじた そうですね。

■うじたまいさんが楽しいと思える瞬間ってどんな時でしょうか?

うじた ものづくりをしている時が一番楽しいです。作品を作るのが本当に好きなので、世界観がちゃんと出来上がった時はとても嬉しいです。でも、ものづくりって1人でできるものではなくて、見てくれる人がいないと作り上げられないものだとも思うんです。一緒に私の作った世界に加わってくれる視聴者さんだったり、一緒に曲作りを手伝ってくださる人たちだったり、そういう繋がりを広げていきたいなと思います。

■視聴者、ファンはお客さんではなくて、参加者なんですね。

うじた SNSができたことで、コメントで視聴者さんやファンのみなさんのリアルな意見を見られるようになりました。私はその意見を見ながらものづくりをしてきたので、みなさんの意見がすごく反映されている作品が出来上がっています。みなさんの意見があったから自分が進化できたと思っているので、作品を一緒に作っているという感覚がありますね。

■SNSを通して相互にコミュニケーションをとって、一緒にものづくりをしてきた感覚なんですね。

うじた そうですね。一緒に悩みながら作品を作り、ものごとの発信をしていきたいと思っています。

■ファンの方と同じ目線で向き合っていらっしゃるんですね。

うじた そうですね。私は音楽をやっているからって、すごい偉い人というわけじゃ全然ないし、みんなと同じだと思っているんです。「等身大だからこそ、みんなと向き合える」そんなものづくりをしていきたいと思います。歌はいい意味で特別といいますか、遠い存在になりたくないという気持ちがあります。

■うじたまいさんは他にない声の魅力をお持ちですが、今後声を使ったお仕事でやってみたいことなどはありますか?

うじた やはり自分の感性はアニメに育ててもらったので、アニメに携わるお仕事はできたら嬉しいです!

■最後に読者の方たちに向けてメッセージをお願いします。

うじた “湯船のうた”は湯船推奨ソングとして作りました!一度聴いていただいて、お風呂の虜になってもらえたら嬉しいです。私の歌を聴いていただいて、「今の生活も悪くないな」って思える歌になっていたらいいなと思います。ぜひ一度聴いてみてください!

Interview & Text:高橋未瑠来

PROFILE
TikTokでいくつものトレンドを生み出すマルチクリエイト・シンガーソングライター。作詞・作曲のみならず、振り付けやイラスト、Music Videoの制作までてがける。声優アーティストを目指し専門学校に入学後、型にとらわれず、自分の表現したいものを自由に表現したいと考え、フリーで活動を開始。代表作はTikTokで9,300万再生を記録した“#しまうまになりたいな”、YouTubeで150万再生を突破した“独りうた〜September調子はどうだい〜”など。耳に残るユニークな歌声で一度聴いたら忘れられない楽曲を発信し続けている。
https://www.ponycanyon.co.jp/artist/31670700
https://twitter.com/ujitama0

RELEASE
『湯船のうた』

配信限定シングル
https://lnk.to/yubunenoutaWE

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10月4日 ON SALE