ASCA VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

ASCA『百希夜行』

『百希夜行』というタイトル通り、希望とともにみんなを最高の場所まで連れていきたい

ASCAが2ndアルバム『百希夜行』をリリース。2020年という時を生きたからこその1枚であり、生き抜いたからこその1枚。こうしてこの希望の1枚を聴くことができ、感じる心があることにただただ感謝しかないし、それは大袈裟なことでもなんでもなく、ただただ素晴らしいことだ。彼女の想いという想いすべてを表したこのアルバムについて、丁寧に丁寧に1曲ずつ話してもらった。ぜひアルバムを聴きながら読んで欲しい。

■2021年の幕開けとともに、こんなに素晴らしいアルバムを届けてくださって嬉しい限りです。

ASCA ありがとうございます。

■どんなアルバムになりましたか?

ASCA タイトルが『百希夜行』、「希望」を引き連れていきたいという意味で、「今の世の中、ASCAとして明るい歌を届けたい、希望のある歌を創ろうよ」というテーマから進んでいった1枚なのですが、今完成して、順番に聴いて、2020年を生き抜いたみなさんに自信を持って届けられる1枚になったと確信しています。

■想いが凝縮されましたね。

ASCA はい、もう出し切りました。

■そして2020年があったからこその1枚だと思います。

ASCA まさにそうですね。不思議な年ではあったものの、自分自身と向き合った年だからこそよりみんなに希望を届けたいと思ったし、その2020年に生まれた気持ちを、作詞という面でも前回の1stアルバムより多く書かせていただくことができたので、想いが凝縮されていると思います。

■想いの強さも伝わってきたし、あたりまえではありますが、どの曲もアルバムに欠かせない曲だなと。

ASCA そうなんです。本当にどの曲も外せない曲で、その曲すべてでこの『百希夜行』というアルバムになっています。

■なので……時間の許す限り、1曲ずつお話を訊かせていただけたらなと。

ASCA いきましょう!

■ありがとうございます!では“進化論”、1曲目からASCA節炸裂ですね。

ASCA もう1曲目にして集大成です。このアルバムを代表する1曲でもあるし、2020年を生きたからこそできた曲。2020年はいろいろなことが停滞してしまったけど、ただ止まるだけじゃなく、自分にできることをやっていくことで自信をつけることができました。2021年はそれこそ“進化論”というタイトル通り、進化した姿をファンのみなさんや周りの方に見せていきたくて、その姿を見て「自分も一歩踏み出せば進化できるのかもしれない」という気持ちになってもらえたら嬉しいです。

■やはり常に進化していきたいと?

ASCA 昨年は特に思いましたね。1回1回のイベントが大事になってくる中で、それは普段からももちろんそうなんですけど、「そこにすべてを込めて、自分を全部出していかないともったいない!」って。そういう想いが昨年は特にあったので、もうこの歌詞の最初のフレーズ(「命がけの生存競争 まだ終わらないから」)そのものですよね。

■まさに。

ASCA ここがもうすべてを物語っています。

■昨年進化したところというのは、ご自身では具体的にどういうところだと感じていらっしゃいますか?

ASCA これまではライブで自信をもらえているという想いがあったんです。例えば、こんなにも大きな声援をもらえるくらい愛してもらえているんだな、とか。

■なるほど。

ASCA それがライブができなくなって、応援してくださっている方と実際にやりとりができなくても、自粛期間中に筋トレしたり、ボイトレしたり、そういう時間の中から自信を生み出すことができるんだっていうことに気づけたんです。自分の中からも自信は作れるんだっていうことに気づけた年だったので、そこは大きかったですね。

■自信って人からもらうものだと勘違いしがちですけど、実は自分で作っていくものなんですよね。

ASCA もらうものだと思っていると弱いんですよね。

■そうそう、そうです。

ASCA 人からもらうものではなく、自分自身でちゃんと納得して自信に変えていかないとって、そこに気づきましたね。

■その気づきは大きいですね。

ASCA はい。あと“進化論”は「ソードアート・オンライン アリシゼーション・ブレイディング」というアプリゲームの主題歌でもあって、今回から新しい章になり、物語の登場人物もキリトとユージオからロニエとティーゼという女の子たちになるんです。大好きだったキリトとユージオがいなくなってしまった悲しい世界で、次は彼女たちが矢面に立って闘っていかなくちゃいけない。2人を思いながらも立ち止まらずに闘うには、殻を破って進化していかなくちゃいけない。そういうストーリーが今の自分とリンクして、そこを共通点として書き進めていったっていうのもあります。重永(亮介)さんが最初のフレーズをまず用意してくださったんですけど、もうしっくりきすぎちゃって。

■確かにそうでしょうね。

ASCA  昨年は命や生きることが本当に近くにあったじゃないですか。だから生きていくことってそれだけで大変で、それだけで素晴らしくて。そういうことに気づけたからこそ歌える歌詞だし、みんな2020年よくがんばったので、そんなみんなと2021年をまた生き抜いていきたいなって……1曲目からめちゃめちゃ話してしまった。(笑) さくさくいかないと!次いきましょう。

■はい。(笑) では次は“CHAIN”。この曲は2020年のASCAさんにとって大事な曲になったのではないでしょうか。

ASCA すごく大事な曲になりました。2曲目に入れたのも、やっぱり2020年スタートの1曲という想いがあったからで、まず1曲目は“進化論”で進化した私を見ていただいて、次はこの“CHAIN”で2020年の私を見ていただくという流れで。この“CHAIN”は、絆を歌っている歌なんです。

■はい。

ASCA ツアーでファンのみなさんと繋がれたからこそ信頼関係が生まれて、そこから絆がどんどん広がっていっているという想いから書かせてもらった歌なんですけど、そこからですよね、リリースイベントが中止になっていったのは。

■そうでしたね。

ASCA このシングルを引っさげてのツアーもなくなって、絆をテーマに歌ったにも関わらずそこで途切れてしまったような気がして。だけど、この曲がなかったら2020年は語れないし、会えない中でもこの楽曲を「好き」と言ってくださる方がたくさんいたし、2021年はこの曲をライブでみんなと歌うことで途切れた時間を作り直していけたらいいなという思いから、“進化論”の次はこの曲だろうと。

■そこからの“Howling”、この流れがまた素晴らしいです。

ASCA 圧がすごい(笑)。

■あはははは、ガツガツくるなと思いました。

ASCA 「あたしの想いを聴けー!」と言わんばかりに、ここは攻めさせていただきました。(笑)

■なるほど。(笑)

ASCA 予定していたライブやイベントが途絶えてしまったあとに“Howling”をリリースさせていただいて、この楽曲は、会えなかったりライブができない中でもみんなと一緒に叫ぶことができる歌があるんじゃないかということで、サビに「wow wow」って入っていたりするんです。なので、この最初の3曲は、ライブでみんなと歌っている姿を早く観たいんです。そういう願いも込めてこの3曲を並べてみました。

■次は“regain”。前作に引き続き阿部真央さんプロデュースの曲ですね。

ASCA 1stアルバムで“NO FAKE”を書いていただいたんですけど、その前に打ち合わせというか、2人きりで話す時間をいただいたんです。そこで「ASCAとはどういう人間なのか」ということをすごく掘り下げて聞いてくださって。私も話してはいけないんじゃないかっていうレベルの話までさらけ出して話すことができたんです。その中で、アーティストとして自分らしく居続ける、それを貫くって難しいよねっていう話になって、でも結局は自分らしさがその人の魅力になるし、人を惹きつけるものになるから、そこは貫いていって欲しいってお話をしてくださって。それから私の1stワンマンライブを観に来てくださった後にこの楽曲を書いてくださったんですけど、すごくいいタイミングで、今回アルバムに収録させていただきました。

■ASCAさんご自身が書かれたかのような歌詞だなと思いました。

ASCA そうですよね。「取り戻す」っていう意味のタイトルなんですけど、さっきもお話したように、どんどん自分で自信を身につけることができたり、2020年を取り戻しているっていう感覚があるので、すごくぴったりだと思ったし、今回のジャケットの写真は私が先導者のような感じでその後ろに船があって、そこにオオカミとカラスがいるんですけど、“CHAIN”のジャケ写にはカラスが、“Howling”のジャケ写にはオオカミがいたんですよ。

■はいはい、いましたね。

ASCA だから、それを引き連れているんですよ、仲間たちを。

■なるほど、そういうことなんですね!

ASCA  はい。ファンの希望を引き連れるというのもあるし、仲間と一緒に進んでいくという意味も込めてジャケ写がこうなっているんですけど、“regain”の歌詞で「錨を上げて進むのは私だから」っていうフレーズがあって、「え!ぴったり!」ってびっくりしちゃって。