■ちょっと鳥肌立ちました。
ASCA ですよね。私が先導者だから、錨を上げる人間なんです。それに気づいて、RECしている時、私も鳥肌が立ちました。真央さんとお話しして、ライブも観てもらってから歌詞を書いてもらっているので、なんて言うのかな……もう泣きますよね。私という人間をちゃんと知っていただいてから、応援してくれているような、代弁してくれているような感じがして。アレンジは重永さんなんですけど、もうこれが天才で。
■アレンジが天才ですよね。めちゃめちゃカッコいいです。
ASCA “NO FAKE”もそうですけど、この曲はもう無敵になれる曲です。何も寄りつかせないというか。(笑)
■寄りつけないです。(笑)
ASCA そう！無敵になれる曲がまたできて、そして真央さんが綴ってくれた言葉をこれから歌えるってすごく幸せだし、もう早くみんなに聴いて欲しいです。
■ここまで自分のことを理解してくださっているのって、心強くもありますよね。
ASCA 真央さんという存在がいてくれるっていうだけでありがたいし、お守りみたいな存在で。またご一緒していただけて幸せです。
■はい。では次は“SAYONARA”。
ASCA 曲を並べた時に、恋愛の曲を入れたいなと思って。この曲は、デモ自体はデビュー当時からあったんですけど、「さよならは痛い 痛い 痛い」ってフレーズがキャッチーだし、ここは残して、じゃあ後はどういう歌詞を書いていこうかってところから作っていったんです。前に配信限定の“偽物の恋にさようなら with 分島花音”という曲があって、私も作詞に関わらせてもらったんですが、相手を結構こっぴどく振る曲なんですよね。
■あはは、確かに。
ASCA その曲がちょっとひどかったかなって、ちょっと心残りがあって。ライブで歌うと盛り上がるし楽しいので、そこは消化されてはいるんですけど、ちょっとフォローできないかなってことで、今回の“SAYONARA”は振られた側の歌になっています。
■なるほど。(笑)
ASCA きれいにしたいじゃないですか、思い出って。だから、これできれいにできたかなって、私の中ではやっと消化できた感じです。
■「いつかきっと笑顔で会えますように」っていう最後のフレーズがいいですね。
ASCA はい。今は会えないけど、いつか時間が経って、何年後かに会えたらいいねっていう希望のある歌詞で最後は締めくくりました。あとは津波(幸平)さんの「痛い 痛い 痛い」「嫌い 嫌い 嫌い」というフレーズがキャッチーなので、耳にも残るんじゃないかなって思います。
■そして“曖・アイ・愛”。これまたちょっと……。
ASCA どうでした？
■“SAYONARA”のイメージが一瞬で吹き飛びました。
ASCA あはははは、Sakuさんがやりたい放題やってくれました。
■「運命の糸引きちぎって 孤独に括りつけてやる」って、「ちょっとASCAさん？」って。
ASCA おっそろしいですよね。運命に抗っていけとか、運命切り開いていけとか言っている私が、運命の糸引きちぎっちゃっていいのかな？ってちょっと思ったんですけど、「それくらい自由にASCAには歌って欲しい」っていう気持ちもあったみたいだし、横にノレる曲をずっと作りたいって話していたので、今回この曲をノリノリで書いてくれました。
■曲も歌も今までになかった感じでカッコいいです。
ASCA 新境地でもあるし、すっごい楽しかったんですよ、レコーディングが。ただ「これは私の気持ちではないですよ！私はこんなにひどい人じゃないですよ！」とは言いたい。(笑)
■あはははは、大丈夫です、わかっています。
ASCA ありがとうございます。だけど、最後に「ご機嫌よう それでいいの？」って、自分に聞いているんですよ。
■そうなんですよね。
ASCA こんだけツンツンして「さよなら」って言っているけど、「本当に離れちゃっていいのかな……？」って、そういう乙女なところが最後に出ているんですよね。最初、仮タイトルで“あまのじゃく”っていう案が出てきたりするくらいだったので、Sakuさんがそういうかたが好きだったんですかね……？(笑)
■あはははは、なるほど。
ASCA なので、私はそういう女を演じさせていただきました。(笑) この演じることが楽しかったんですよね。ツンツンしているんだけど、最後の「それでいいの？」の「の？」に気持ちがすごく入っているので、ここはぜひ聴いてください。
■あー、すごく聴きたいです、今。
ASCA あはははは、ぜひ後で聴いてみてください。
■はい。では“天秤 –Libra–”。この曲もASCAさんにとって、とても大切な曲になったんじゃないでしょうか？
ASCA この楽曲を西川(貴教)さんと歌わせていただけたのは財産ですね。2020年の財産です。自粛明け一発目で西川さんとの収録があったんです。自粛中にスケジュールが入ってきて、それで前向きになれたというか、「このままじゃダメだ、落ち込んでいる暇ないわ」ってことで、筋トレやボイトレの強化を始めたので、西川さんと出会っていなくて、この曲がなかったら、このアルバムの曲の中で生まれていない曲もたくさんあっただろうし、詞にも表れてこなかったと思うので、この曲はもう大切過ぎます。
■ASCAさんにとって西川さんはどういう方ですか？
ASCA いろんなイメージを経て、今は神社です。(笑)
■……ん？
ASCA カッコいいとか、優しいを越えて、「今は神社です」っていうくらいパワースポットです。
■あー、そういうことですか。
ASCA はい。存在しているだけで周りにいい影響を及ぼすんですよ、もうありえないくらい。筋トレ始めたのも西川さんの影響だし、すごいんです、本当に。何度でも会いたくなる方ですね。
■人間パワースポットってすごいですよね。
ASCA そんな言葉を使いたくなる人って今まで会ったことがなかったし、「この人に会ったら元気もらえるな」くらいのことはあるけど、それじゃもう収まらないんですよ。そこも超越して神社っていうところまで私はいき着きました。
■からだを鍛えることってやっぱり精神的にもつながっていますしね。
ASCA 直結していますからね。腹筋5分やっただけでハッピーになれるってくらい、手っ取り早く自己肯定感が上がるし、私には欠かせないことになったので、すごく感謝しています。私の人生にすごくいい影響を与えてもらいました。ということで、このアルバムのセトリ的にも第2章のトップにこの曲を持ってきました。
■なるほど。
ASCA 今回は「百希夜行 ver.」ということで、菊田大介さん(Elements Garden)にリミックスしていただいて。4つ打ちになっていて、よりスピード感、疾走感を感じる仕上がりになっています。サビの最後のフレーズ、「あなたと逢えた」「時の悪戯」のところだけ4つ打ちが消えて、2人の声がより強調されて聴こえるので、そこを楽しんでいただけたらと思います。
■はい。次は“DESIRE”、全英詞の曲です。
ASCA 全英詞に初挑戦させていただきました。VRゲーム「東京クロノス」を一昨年に担当させていただいたんですけど、作品も関わっている人も大事にする、愛のあるチームなんです、「東京クロノス」のみなさんは。「東京クロノス」で初めてVRゲームを体験したんですがゲームライトユーザーの私でもストレスなくプレイできて、すごく面白くって。いろいろなエンディングを見るために何周もしました。今回は主題歌のお話をいただいて、その時から全部英詞になるとは聞いていて。最初は「大丈夫かな？」と思ったんですけど、信頼する大好きなチームなので、「ぜひやらせてください」と。今回アルバムリリースが決まった時もSNSで拡散してくださったり、ライブには必ず来てくださったり、もうとにかく熱量と愛情がすごいんですよ。
■あー、熱量と愛情、それは一緒にやりたくなりますね。
ASCA 「そんなん好きになるわ！」って、なりますよね。
■なります、なります。
ASCA 今回R!Nさんが歌詞を書いてくださって、彼女は澤野弘之さんのヴォーカルをやっていて、そのつながりで仲良くさせてもらっているので、英語の先生もしていただいて。発音が不安なところもあったし、海外の方にもゲームをプレイされるだろうし、海外にも私を応援してくださっているファンの方がいるので、これはちゃんと届けたいなと思って。でも発音からしっかりやってレコーディングに挑んで、当日はR!Nさんもいたので不安もなく歌うことができました。
■納得のいくカタチで歌えましたか？
ASCA はい。サビの「My DESIRE!」、ここがもうすべてだと思ったので、そこにはこだわってレコーディングして、納得いくカタチに仕上がりました。
■英詞の歌を歌うことで可能性もまた広がったんじゃないですか？
ASCA この曲を歌わせてもらったことで自信もついたし、実はラストの“Wings to fly”につながっているんです。この曲から英語でピースフルな曲を作ろうって流れになって。だから、ちゃんとつながっているし、これからまた広がっていくんだろうなと思います。
