■なるほど。「ごめんね ありがとう またね おはよう 大好き まだ置き忘れてるよ」の歌詞にはどんな気持ちを込めて?
玉屋 お別れの時に「ごめんね」、「ありがとう」とか、もっと言いたかったという気持ちがあって。それを言えなくなった瞬間に重みを知ることが多いじゃないですか。だけど、「人生そんなものだよね」って、笑い飛ばせたらいいんじゃないかと。たかが人生ぐらいに軽く言える自分でありたいし、重いことを笑い飛ばすように音楽で表現できたらいいなと。一周回って深く考えすぎない音楽というか、悩んでいる人がいて、そんなに考えんなよって。とてつもないエンターテイメントを見ると、すべてを忘れちゃうじゃないですか。音楽にはそういう力があると思うし、自分も音楽にのめり込んだからこそ人生が豊かになったから。その気持ちをわかってもらえたらいいなと思います。
■生きていれば喜びも悲しみも経験しますが、「今この瞬間をトップスピードで生きるんだ!」という力強いメッセージを感じました。それでKOZOさん脱退の件にも触れたいんですが、それもこの曲のテーマに繋がっている気がして。
玉屋 タイアップの話が来た時に「最後にこの4人で作りたい」という話をしたんです。こういうテーマを温めていたんだけど、「最後はこれじゃない?」と話したら、みんなやりたいという話になったから。曲のテーマは個人的にお別れが多かったところから始まったものだけど、KOZOが辞めるタイミングも偶然にも重なり、このテーマをチョイスしました。歌詞はKOZOとは直接は関係ないけど、この曲を4人最後で録るということは、関係なくはないのかなと。
■この速いテンポ感はKOZOくんが得意なビートじゃないですか?
玉屋 得意です!めっちゃ速いけどずっと8ビートの曲という。KOZOに話したら、「やりたい!」と言ってくれたから。すべてがきれいにハマッたなと思います。
■そして、8月3日にはZepp Shinjukuでのワンマンライブを控えていますが、KOZOくんを含めた4人体制でのラストステージなりますが、この日はどんなライブになりそうですか?
玉屋 一つの集大成を見せられたらいいなと思います。あと、ワンマンが『CULT POP WORLD』というタイトルなんですが、それは今後の自分たちの看板みたいなイベントにしたいという思いがあるんです。『CULT POP WORLD』というのは、自分の中でもしも地球が一つの国だったら……いや、宇宙が一つの国だったら、国境はないじゃないですか。「北も南も東も西も、すべての祭りを集める」みたいなのがテーマなんです。日本の盆踊りや、ブラジルのサンバだったり、世界中のすべての熱狂を集めたものが『CULT POP WORLD』なんです。見たことがない祭りみたいなライブにしようと。これまでやってきたことだけど、その集大成を今回は提示できるんじゃないかなと思います。誰も見たことがない祭りだけど、肌感的には懐かしさを感じられるというか。「新しいけど懐かしい」みたいな、そういう世界観にできればいいなと思っています。
■では、今後もWienners流の『CULT POP WORLD』を追求しようと?
玉屋 自分たちの強味はそこかなと思っていて。祭りや今回の“TOP SPEED”もそうですけど、意味のある言葉を噛み砕いて、「楽しいじゃん!」に昇華したいんですよ。祭りだってもともとは意味があって始まったものだけど、例えば阿波踊りに参加する時に、その起源まで考えないじゃないですか。意味を考えずに楽しめるのも祭りの良さだと思うから、祭りに惹かれるのは、そういうところなのかなと。
■その後はサポートドラムを入れてライブは続けるんでしょうか?
玉屋 そうですね。フレキシブルに活動していこうかなと思っています。“TOP SPEED”に「まあなるようになるさ なるようにしかならないのさ」という歌詞があるんですが、本当に今の自分はそういう風に思っているんです。
■ああ、そうなんですね。
玉屋 サポートドラムを迎え入れつつ、その時のベストを尽せたらいいし、それが一番楽しいことなのかなと。サポートなのか、正式なのか、それもきっちり決めちゃうと余白がなくなるから。今はとりあえず一緒に音を鳴らせる奴を探して、それで楽しもうと。メンバーが5人に増えてもいいし、それぐらい楽しみたいという気持ちの方が強いですね。それでも面白いものを見せられる自信があるから。「今はなるようにしかならない」って感じです。(笑)
Interview & Text:荒金良介
PROFILE
2008 年、吉祥寺弁天通りにて結成。予測不可能な展開、奇想天外かつキャッチーなメロディーに人懐っこい男女ツインボーカル絡み合う、類を見ない独自の音楽で、子供から大人まで聴くもの全ての喜・怒・哀・楽を電撃的にロックする銀河系パンクバンド。2020年5月にアルバム『BURST POP ISLAND』をリリースし、日本コムビアよりメジャー進出。2021年10月「FACITON」(フジテレビ系 TV アニメ「デジモンゴーストゲーム」オープニング主題歌)を配信リリースし、東名阪ツアー『Welcome to the FACTION』を敢行。2022年6月8日に「SHINOBI TOP SECRET」(テレビ東京系テレビアニメ「ニンジャラ」エンディング主題歌)を配信リリース。7月20日に約2年ぶりとなるフルアルバム『TREASURE』を発売、7月26日より全国20箇所の2マンツアー「TREASURE TOUR 2022」を開催。2023年7月12日『TOP SPEED』(フジテレビ系 TV アニメ「逃走中 グレートミッション」エンディング主題歌)を配信リリース。2023年8月3日 ( 木 ) Zepp Shinjuku にて、過去最大キャパでのワンマンライブを開催する。
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RELEASE
『TOP SPEED』
配信デジタルシングル
https://wienners.lnk.to/TOPSPEED
日本コロムビア / No Big Deal Records
7月12日 ON SALE
LIVE
Wiennersワンマンライブ
「CULT POP WORLD」
2023年8月3日(木)
会場:東京・Zepp Shinjuku
開場 18:00 /開演 19:00
チケット:https://wienners.net