確かな未来を見せてくれた、アルテミスの翼のメジャーデビュー記念&6周年公演。
心に小宇宙(コスモ)を宿した女神たちが、アルテミスの翼の名の下に集まったのが、コロナ禍真っただ中だった2020年11月6日だった。彼女たちは、“最終ゼンヤ”という決意を示した作品を剣に、群雄割拠するアイドル戦線に乗り出した。仲間たちとの別れや新たな出会いを繰り返しながら、自らの陣地を広げてきたアルテミスの翼も、まもなく6周年を迎えようとしている。その先駆けとして、9月29日にはWARNER MUSIC JAPAN からメジャー1st EP『Road to Major』をリリース。これまでの歩みを収めた「8 EPILOGUE 盤」と、新体制での楽曲を収録した「7 PROLOGUE 盤」の2形態を発売し、さらに一段高いフェーズへと彼女たちは踏み出した。その上で10月14日(水)、アルテミスの翼は『Wings of Artemis 6th Anniversary ONEMAN LIVE〜Rising Sun〜』と銘打って、Zepp Shinjukuのステージに立っていた。この日の公演を最後に、ライブラ・ヒナは卒業したが、残る7人の女神たちは、7年目に向けて力強く歩み出した。ここに当日の公演の模様を刻みたい。

メンバーの姿を映した映像と軽やかに弾むSEから、楽曲が一気に華やかさを増すのに合わせて、メンバーがステージへと姿を現した。その姿を見て、テンションを一気に爆上げて騒ぎだす観客たち。アルテミスの翼が始まりの曲として届けたのは、メジャーデビュー作に収録され、今のメンバーでバージョンアップした“きゅんちゅハンティング”だ。甘えた歌声と仕草で攻めるメンバーの姿に、いきなりハートをズキュンと撃ち抜かれた気分だ。ステージの上で歌い、はしゃぐ8人の姿は、満開の花に甘い密を求めて群がり、戯れる蜜蜂のよう。アルテミスの翼は、最初からハートをキュンと鳴らす歌やパフォーマンスを通して、観客たちをハンティングしていった。そんなかわいくて少しわがままな彼女たちとなら、これからも応援し続ける契約を更新し続けたい。ずっと応援しているファンたちはとくにそんな気持ちで“わがまま☆契約書”を歌う彼女たちにエールを送っていたのだろうか。この曲でも彼女たちは、「私が一番でしょ!絶対絶対やだ!」と甘えた素振りでせまっていた。彼女たちに「絶対絶対やだ!」と少し強気に、でも甘えた声で迫られる度に、その愛らしさにファンたちもハートを射抜かれたのか、熱狂した姿で思いをぶつけ返していた。その姿を見ながら、「私なしじゃもう 生きられないでしょ」と契約を迫る彼女たち。そんなアルテミスの翼をこれからも応援し続け、ついていく契約を心の中で改めて結んでいた人たちもきっと多かったと想像してしまう。アルテミスの翼が届ける甘い衝撃は、曲を重ねるごとに蜜度を増していく。“恋ショ!!!!!!”では、メンバーと観客たちが「ほっぽいて」や「フレ フレ」と声を交わしながら、ひと夏の恋ならぬ、一夜の熱狂を共に描き上げていた。歌詞に合わせて、タオルを振り回して歌うメンバーと気持ちを重ね合わせた人たちが、手にしたタオルやペンライトを振り回す光景も印象深く目に焼きついた。恋したときと同じ盲目的な気持ちで、互いに、夢中になってはしゃいでいた。 自己紹介に続き、「アルツバの未来は明るいなーって希望を感じてもらえるようなパフォーマンスをお届けしたい」と、メンバーが語っていた。

美しいシンフォニックな音色に乗せて、この場を華やかに彩るように流れたのが、活動初期からアルテミスの翼のライブを彩ってきた“ライラック宣言”だ。途中で口にする「大好きですっ!」のセリフも含め、彼女たちが甘い声で、思いを一つに重ね、「ライラック宣言」と歌う度に、胸の鼓動がドキドキと高鳴りだす。乙女の一途な恋心を、少女に戻って歌う姿に触れたことで、胸がずっとときめいていた。「君って、天才」のやり取りから始まった“天才♡バズりーフェイス”も、今のメンバーで最キュンに進化した楽曲だ。バズってしまうほどかわいい女の子が登場するこの曲を、それぞれが愛らしい仕草を見せ、心を弾ませて歌いながらはしゃいでいた。その表情はまるでかわいい天使のよう。その姿をハートのシャッターで映し取る度に、かわいいの沼にファンたちがはまっていく。自己肯定感を高める言葉を早口で歌う彼女たちの姿に、ハートをドキドキと騒がせていた人たちも多かったのでは?!そこで一度ステージから捌けたメンバーたち。大きなスクリーンには、「メンバーの抜き打ち体力テスト」の模様が映し出された。8人の中で一番体力があるのは誰か?1位はトランポリンの元日本代表選手であるセリナ・エンジェル。一方、最も運動が苦手だったのはミナミ・ナオだった。罰ゲームとして行った、セリナ・エンジェルがミナミ・ナオにトランポリンの飛び方を指導するやり取りの映像も観ていて微笑ましかった。新たなSEとして流れだした壮大で華やかな、しかもシンフォニックな音色に乗せて、真紅の新衣装に着替えたメンバーたちがステージに姿を現した。そこで披露したのは、この日がライブ初披露となった最新曲の“All the same”。新体制となり、メジャーという新たなフィールドへと歩みを進めたアルテミスの翼らしく、この曲では巧みに高音域の声も活かしながら、自分たち自身も新たなフェーズに上がった姿で、希望に満ちた声で高らかに歌い上げていた。彼女たちの歌声が、観客たちの背中も力強く押していく。その歌声に心の背中を押された人たちが、メンバーと一緒に振り上げた手を高く揺らしていた。「声出していくよ!」と煽る声を合図に、激しく、勢いよく“HOLY MAIDEN”が飛びだした。力強く躍動する楽曲に乗せて気持ちを奮い立たせたメンバーたちが、先の曲で示した意志をさらに強固なものとして宣言するように、高らかな声で情熱的にせまってきた。無数に飛び交うレーザーの眩しい光も気持ちを鼓舞する要素にしながら、彼女たちは力強く攻め続けていた。

そこから“PROUD of”へと繋がる展開に気持ちがさらに熱くなった。フロアから飛び交う熱いMIXの声。メンバーもこれまで以上に気持ちを奮い立たせ、勇壮な戦士に心を染め上げていた。胸に抱いた強い意志を、「プライドを見せつけてやれ」と言葉にして、目の前にいる一人ひとりの心に投げかけ、一緒に気持ちを沸き立てていった。アルテミスの翼はこのブロックで歌った3曲の流れを通して、改めて自分たちは揺るがぬ プライドを持って突き進むと宣言してくれた。彼女たちの姿を覆い尽くすほど吹き上がったCO2の迫力も圧巻だった。MCでは、「うちらはかわいいから、赤い衣装が高貴で似合いますよね」と、メンバーが語っていた。次にもう一つの新曲“Day-To-Day”をライブで初披露してくれた。この曲では、儚い一面を持つアルテミスの翼の姿を提示。背景にはメンバーの手書き文字の歌詞を映しながら、一人ひとりが切なくて壊れそうな、しかも儚い声で歌った。楽曲が次第に躍動するのに合わせて、メンバーの歌声にも強い意志が漲り始めるのを感じられたのが嬉しかった。曲に乗せて軽やかに踊るメンバーもいれば、素早く側転をするメンバーもいるなど、切ない歌の中にも、華やかさと強い意志を併せ持つ姿を彼女たちは示していった。ここから再び感情のエンジンを奮い起こしたメンバーが、気迫みなぎる歌声をぶつけるように“Lock On!!!”をぶち込んできた。キュートな乙女らしいアルテミスの翼も魅力的だが、ダイナミックな動きを見せながら、「ぶっこんで!」と声を唸らせ、凛々しく攻めるアルテミスの翼の姿にも気持ちが動かされる。フロアと一つになって弾ける姿がとてもパワフルだ。そこからの、CO2が吹きまくった“星屑アクション”に繋がる展開にも胸が熱く騒いでいた。メンバーも感情の導火線に火を付け、燃え盛る自由の翼をはためかせ、熱の渦巻くフロアに向かって羽ばたく勢いで、攻撃的な姿をぶつけていた。彼女たち自らがこの空間にルールを作り出し、自分たちの色に染めていく。その強気な姿勢に刺激を受けた観客たちが高く飛び跳ねる姿も印象的だった。続くMCでは、新メンバーの3人が観客たちを煽っていた。3人のMCを受けて流れ出した映像には、6年間のアルテミスの翼の歩みが映し出されていた。さまざまな時代を歩んできたアルテミスの翼の姿を、時空を超える映像を通して味わった後は……。

重厚なラップ音が流れだした。ここで、「立ち上がれ」と力強く宣言し、アルテミスの翼として生きる姿勢を高らかに示した“ジャンヌ・ダルク”を持ってくる展開に、気持ちが熱く騒いだ。新メンバーを抜いた5人のメンバーが躍動した攻撃的なビートに乗せ、魂を奮わせて歌う声が、迫力と説得力を持って胸にガンガンと迫ってきた。なんてスリリングなムードだ。美しくも気高いその姿は、まさにアイドル界のジャンヌ・ダルクだ。力強い姿に華やかな彩りを加えながら“星ノ唄”へ。この曲でも彼女たちは凛々しく気高い声で歌った。その姿に向けてフロアからも熱情した声が飛び交う。会場中が一つになって熱を高め合う。「声出せー!」と煽るメンバーの姿に向けて、フロアからも熱い声が飛び交う。高ぶるこの感情を今はとにかく燃やし続けていたい。そこへ華やかな熱狂の風を吹かせるように、愛らしい姿と甘い笑顔を見せながら“♣♦メタモ♠♥”を届けてくれた。短いスパンで表情を変えながら、彼女たちは観客たちを夢中にさせていった。そして最後に歌ったのは、アルテミスの翼の始まりを告げた“最終ゼンヤ”だったのが嬉しい。メンバーと観客たちが心を一つにし、「Wow oh oh」とこの場に存在を刻むように声を張り上げ、共に気持ちを奮い立たせ、燃え立つ情熱を重ね合わせていた。ときに拳を振り上げ、「Wow oh oh」と歌いながら、その場で高く飛び跳ねる。メンバーのぶつけたセリフが胸を騒がせれば、みんなで心を一つにして、再びここから共に新しい戦いの地へ向けて突き進もうと、熱狂が渦巻く中で約束を交わし合った。

「まだまだ最高の時間を過ごしたいです。全員で一つになっていきましょう!」の声を合図に、アンコールは躍動感あふれるダンスビートナンバー“Brave heart”からスタートした。ここからさらに高みを目指して飛び立つ彼女たちにとても似合う、気持ちを熱く奮い立たせる明るくてパワフルな楽曲だ。メンバーと観客たちの熱いやりとりも気持ちを高め続ける嬉しい要素だ。この曲にもアルテミスの翼のメンバーがいつも胸に抱いている思いが詰め込まれている。激しく唸るビートの上で、ときにハイトーンの声を響かせて華やかに、でも力強く高らかに歌う声に、気持ちがずっと熱くなっていた。ここでメンバーから「重大発表」という名の新たな発表が告げられた。「アルテミスの翼の少女ハイジ」と題し、「アルプスの少女ハイジ」との特別コラボレーションTシャツの発売。新曲のリリースと、メンバーそれぞれの地元を回る凱旋全国ツアー『バモス‼️アルツバ❣️』を行うことだった。その上でメンバーを代表して、結成時からずっとアルテミスの翼を支え続けてきたアテナ・シオリが、次の曲へと繋ぐ言葉として今の思いを述べてくれた。「残念だけど満員の景色には届きませんでした。でもこれが今のアルテミスの翼の現実だとしっかりと受け止めた上で、私たちはこれからも前へ進んでいきます。そんなあなたとの未来を輝かしいものにするために、この歌を聴いてください」この場を美しくピースフルで心に花が咲き誇るような、幸せや希望、愛に満ちた世界に染め上げるように、彼女たちは温かな心で“A beautiful world”を歌った。自らが輝く光の粒となり、その輝きをフロア中へと降り注いでいった。その思いを受け止めた観客たちが、優しい笑顔を浮かべ、彼女たちと思いを一つに重ね合わせていった。最後にアルテミスの翼は、自分たちの才能がこれまで以上に開花するようにとの願いを込めて、最後の最後までわちゃわちゃとはしゃごうと誘いかけながら“サイノーカイカー!”を元気いっぱいに届け、この場に熱狂が開花する景色を描きだした。メンバーと観客たちが一緒になってわちゃわちゃとはしゃぐ姿を通して、7年目もこの気持ちと光景を味わい続けたい。そんな思いに気持ちが染まっていった。

本当ならここで終わりだったはずだった。それでも止まぬメンバーを求めるアンコールの声。明るくなった場内で、スタッフが「特典会の時間がなくなるので、もうおしまいです」と叫んでいたにもかかわらず、ファンたちの声は止まなかった。その声に呼ばれ、この日をもって卒業をするライブラ・ヒナがステージ上に姿を現し、最後に感謝の言葉を述べた。「本当に私にとってアルテミスの翼は愛した世界だったなと、すごく思いました。今日はこんなに素敵な場所に来られて、本当にありがたいです。何よりも私と出会ってくださり、アルテミスの翼と出会ってくださり、本当にありがとうございます。私はこれからもアルテミスの翼を応援し続けますし、愛し続けますので、みなさんもこれからもたくさんの応援をよろしくお願いします。本当に本当にありがとうございました!」。それでも止まないアンコールの声に導かれて、他のメンバーたちもステージに姿を現し、「この8人で最後にもう1曲歌わせてほしい」と直談判した。彼女たちとファンたちの思いを汲んだスタッフの了承を得て、最後の最後に改めて“きゅんちゅハンティング”を歌うことになった。強くなったと思う。誰が何を言おうとも、ファンたちの思いを何よりも優先して汲み取り、その上で自分たちの意志を貫いてでも信じた道を歩み続ける。その強い意志を備えた女神たちに成長したことが素直に嬉しかった。「私たちのいっぱいの愛を受け止めてください!」と宣言をして歌った“きゅんちゅハンティング”では、メンバーも観客たちも「一切の悔いを残してなるものか」という気持ちで、本気で「好き」の感情をぶつけ合い、求め合い、一緒に高め合っていった。歌詞の一節に綴られた「自分の手でこじ開けていけ」の言葉通り、その気持ちを持って進み続ける今のアルテミスの翼だからこそ、7年目も自分たちの意志や思いを持ってどんな未来を切り開いていくのかが楽しみになってきた。そんな確かな未来を見せてくれた一夜だった。
Text:長澤智典
アルテミスの翼『Wings of Artemis 6th Anniversary ONEMAN LIVE〜Rising Sun〜』@Zepp Shinjuku セットリスト
SE
01. きゅんちゅハンティング
02. わがまま☆契約書
03. 恋ショ!!!!!!
04. ライラック宣言
05. 天才♡バズりーフェイス
転換映像&新SE
06. All the same
07. HOLY MAIDEN
08. PROUD of
09. Day-To-Day
10. Lock On!!!
11. 星屑アクション
12. ジャンヌ・ダルク
13. 星ノ唄
14. ♣♦メタモ♠♥
15. 最終ゼンヤ
ENCORE
01. Brave heart
02. A beautiful world
03. サイノーカイカー!
W ENCORE
01. きゅんちゅハンティング







