ユン・ソクチョル・トリオ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■実際に曲を作る時は、ソクチョルさんがリーダーという形で引っ張って、3人でセッションしながら作り上げていくんですか？

ユン・ソクチョル　そうですね。最初は私がベースとなるものを作って、一緒に合奏しながら作り上げていきます。

■8月には最新アルバム『My summer’s not over yet』をリリースされましたが、夏がテーマになった作品だと思いますが、アルバムで表現したかったことを教えてください。

ユン・ソクチョル　このアルバムは春から作り始めたのですが、最初は夏のアルバムを作ろうなんて思っていなかったんです。私は夏が嫌いだったから。(笑)　でも、夏＝青春と思ったので、この青春をもっと楽しんでいきたいと考えて、理想的な夏の姿をアルバムに込めることにしたんです。

■夏が嫌いだから、夏を好きになるために作ったアルバムということですか？

ユン・ソクチョル　それも合ってます。もともと夏を好きだった人には、もっと夏を好きになるアルバムになっていると思いますし、夏を嫌いな人には、夏という季節をもっと肯定的に考えて、家に閉じこもらずに外に出てほしいという気持ちがありました。なぜなら私がいつも家にこもっているから。(笑)

■このアルバムを作って、今年の夏はよく外に出るようになりましたか？

ユン・ソクチョル　あぁ……、そうでもないです。(笑)　そうでもないんですけど、今年の夏は楽しく過ごせました。

■でも、実際に聴かせていただいて、歌詞があるわけでもないのに、夏のいろんな情景が浮かんできて、とても豊かな気持ちになりました。

ユン・ソクチョル　ありがとうございます。(照)

■トリオとして初めて日本でのライブを行いましたが、ソクチョルさんにとって日本はどんな国ですか？

ユン・ソクチョル　日本は私にとってインスピレーションな国だと思います。LUNA SEAもそうですが、私は日本の音楽が大好きですし、特に東京に行く時にはジャズクラブでジャムをしたり、レコードもいっぱい買ったり、シンセサイザーとかもいっぱい買ったりして、公演もたくさん観に行きました。新しいものを見て、インスピレーションを受けたい時に訪ねる国です。

■個人としては何度も日本に来られていたんですね。

ユン・ソクチョル　そうですね。FUJI ROCK FESTIVALにもNST & THE SOUL SAUCE meets KIM YULHEEのサポートなどで3回ほど出演したことがあります。だからFUJI ROCK FESTIVALは大好きなんです。あと、今年の春にZé Ibarraというブラジルのミュージシャンが日本で公演をしたのですが、韓国には来なかったので東京の公演を観に行きました。

ユン・ソクチョル・トリオ（2024/10/20@ BLUE NOTE PLACE）

■ソクチョルさんは2022年に額田大志さんやermhoiさんとの共作曲も発表されていましたが、そうしたコラボにも興味をお持ちなんでしょうか？

ユン・ソクチョル　はい。私は新しい人たちと新しいものを作ることが大好きです。なので、機会があれば日本のミュージシャンの方々とぜひ一緒に作業したいと思っています。

■それはぜひ実現させてほしいです！

ユン・ソクチョル　期待に応えられるようにがんばります。まずは今回の日本公演で私を知っていただいて、もっと日本で活動できたらいいなと思っていますし、逆に日本のミュージシャンたちが韓国で公演する機会も増えたらいいなと思っています。ライブだけでなく、一緒にレコーディングなどの制作もして、日本と韓国のミュージシャンたちの文化的な交流がより活発になったらうれしいですね。

Interview & Text：タナカヒロシ

PROFILE
ユン・ソクチョル・トリオ／윤석철트리오／Yun Seok Cheol Trio
ピアノのユン・ソクチョル、ベースのチョン・サンイ、ドラムのキム・ヨンジンによるジャズトリオ。2009年にアルバム『Growth』でデビュー。クラシックジャズのコードやリズムを現代的に解釈したユニークなサウンドを生み出し、2013年にはDJ SOULSCAPE”Love Is A Song”のカバーを表題曲としたアルバムをリリースして幅広いシーンから注目を集める。2022年には韓国の伝統音楽の要素も取り入れたEP『익숙하고 일정한(Familiar and Constant)』を発表するなど、その音楽性は絶えず進化しており、2024年8月にはジャズを通じて様々な夏の情景を描いた最新アルバム『나의 여름은 아직 안 끝났어(My summer’s not over yet)』をリリースした。
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RELEASE
『나의 여름은 아직 안 끝났어(My summer’s not over yet)』