ZAQ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■カップリングの曲についてもお聞きできればと思いますが、“39”はなんとお読みしたらいいのでしょうか?

ZAQ これは「サントキュウ」と読みます。2017年より3月9日に不定期で開催してきたZAQの日というライブのテーマソングとして制作しました。ファンの方たちに向けての感謝の気持ちも込めて「サンキュー」にもかかっていますし、これから春に向かって出会いと別れがいろいろある中で、人の気持ちが揺れ動く季節でもあると思うので、こらから頑張る人とか、何かを諦めてしまいそうな人に向けての応援歌にしたいなと思って、こういう歌詞にしました。

■歌詞の中の「僕のための日」は3月9日ZAQの日ですか?

ZAQ そうですね。あえてカギ括弧にしているのは、「ここだけ私がエゴを出したよ」って感じになっています。

■この曲はすごく壮大な曲ですけど、聴きどころを教えてください。

ZAQ バラードかな?と思いきや、明るいアップテンポになったり、そうやってテンポ感がチェンジすることで緩急をつけられればと思って。でもこの曲は歌うレンジがかなり広くて、頭はファルセットをいっぱい使っているんですけど、Bメロの「39ゾーン」はめちゃくちゃ低いので、そのレンジの調整が難しかったんですけど、ライブや弾き語りで歌いやすいように、ピアノは割りとシンプルな感じにしています。

■ZAQさんはその美声を保つために喉のケアなどでルーティンでやっていることや、気をつけていることなどはありますか?

ZAQ いや、全然何もやっていないんですよね……。子供の頃から鹿児島の山の中で大声を出しながら猪を追いかけてきのこを採っていたので、きっと大きな声を出しまくっていたから喉が強くなったのかも?(笑)

■そうなんですか!?(笑) 喉に対してはケアしなくても平気なんですか?

ZAQ ライブ前は、はちみつを舐めたりとか、加湿器を置いたりくらいはしますけど。(笑) それよりも耳のケアの方に気を遣っていますね。やっぱり耳って高い音が聴こえなくなってきたり、どんどん劣化していくので。長い人生で作家はずっとやり続けたいと思っているので、耳に対するケアはすごくしています。温めるとか、爆音は何時間以上聴かないとか、人のライブを聴きに行く時もイヤーマフをしたりとか。最近はAirPodsの方が楽なので、AirPodsでピークを超える音はカットしたりとかしています。

■耳は悪くなると治らないって言いますもんね。

ZAQ 家でヘッドフォンを付けて作曲することが多くなって負担がかかっていたので、耳のケアはしっかりしないとなって。耳が悪くなると音程が取れなくなって、歌も下手になるんですよ。だから喉よりも耳のケアを大事にしています。

■ライブについてもお聞きできればと思います。昨年末には『KURUIZAQ』の復活公演がありましたが、そちらのライブはいかがでしたか? 

ZAQ 『KURUIZAQ』は「激しい曲しかやらない!」というライブなので、とにかく体力勝負のライブなんですよ。それを楽しみにしてくれているお客さんも多いので、ハイテンションでずっとBPMは100を切らないような曲で構成して、一年間の嫌なことを全部吐き出してスッキリと2024年に行けるように、まさに「年末の忘年会」といった感じでライブしました。お客さんも「すごく楽しかった!」「スッキリした!」と言ってくれている人が多かったので良かったなって。

■久しぶりの公演とのことでしたが、前と比べてみていかがでしたか?

ZAQ やっぱり声出しが出来るようになったので、声出しとかシンガロングとか、お客さんも一緒に楽しめるライブになったので、めちゃくちゃコールとか叫び声も聞こえてすごく距離感が近いライブでしたね。

■また、3月9日「ZAQの日」は、セルフカバーライブだそうですが、そちらはどんなライブになりそうでしょうか?

ZAQ 私が今まで提供してきた楽曲をカバーして歌うんですけど、実は一度2020年に企画していたんですが、その時はコロナの影響で開催中止になってしまったので、今回はリベンジということで、ライブタイトルにも「Revenge」の頭文字の「R」を付けて『ZAQの日 vol.4®』としました。その時にやれなかった曲に加えて、また新規にこの4年間で増えた曲も含め、新旧織り交ぜた濃い歴史が詰まったセットリストになりそうです。きっと一生に一度しかやらないライブになると思うので、ぜひ観に来てほしいです。

■ご自身で歌う曲と提供曲では、曲を作る時の意識は全然違うんですか?

ZAQ 単純に歌う人が違うので全然違いますね。自分が歌う曲は自分の自我をめっちゃ出します。「自分がこうしたい」とか、「私が体験したことだけを歌う」とか。提供曲の場合は、いっさい自分の影は消して、それがアニメのタイアップだったら、そのアニメが伝えたいことや、アニメのキャラクターが言いたいこと、お客さんがそのキャラクターに言ってほしいことなどを読み取って、フュージョンして作っています。かなり差別化していますね。

■では今回カバーして歌うっていうのは、なかなか大変な感じなんですね?

ZAQ やっぱり提供曲に関しては、私自身はまったく思ってもいないことを歌詞にしていたりするので、「そのキャラクターは言いそうだけど、ZAQは絶対に言わないよね」っていうような歌詞がどんどん出てくるし、自分の中にはないようなことを言っちゃっているので、全然歌詞が憶えられなくて困っています。(笑) 「自分で書いたんだけど、自分の歌じゃない」という状態で、全然入ってこないんです……。例えばキャラソンで9人分の想いを歌わないといけなかったりとか、「その場合はキャラ声で歌わないとかなぁ?」とか、「それぞれのキャラによって声も変えないとかなぁ?」とか、「原曲に失礼がないように」って、そこだけ気を付けないとですね。

■今年中にやり遂げたいことや目標はありますか?

ZAQ 家を買いたいです!(笑)

■お!すごく現実的な目標が出てきましたね!(笑) ちなみに一軒家ですか?

ZAQ まだそれは決めていないんですけど、不動産屋をやっている友達に相談しているところなんです。プライベートな答えですみません。(笑) でも先ほど言った耳のことも考えて、家を買って、そこに制作用の防音室を作りたいと思っているんです。

■自宅スタジオですね。いいですね!他に何かこだわりとかはあるんですか?部屋は5個以上ほしいとか、リビングは20畳以上ほしいとか。(笑)

ZAQ いやぁ、そこまでは。(笑) でも都心から少し離れたいっていうのはありますね。埼玉らへんとか?なんとしても今年中に家が欲しい!

■仕事に関することでの目標はありますか?

ZAQ アニソンをやりたいですね。実は2023年は1曲もアニソンタイアップがなかったんですよ。なので、またアニソンを書きたいなと思っています。

■では最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

ZAQ 「ようこそ実力至上主義の教室へ」は、世界中で観られている作品で、その主題歌を歌わせていただけてすごく光栄に思っています。「よう実」の曲はZAQの代表曲になっていて、動画の再生数も1位から3位まで全部「よう実」の曲で、この作品で私の人生が変わったと言っても過言ではないので、今回の曲はそんな想いも込めて作らせてもらったので、ぜひ聴いてもらえたら嬉しいです。ライブにもぜひ遊びに来てください!

Interview & Text:土谷拓史

PROFILE
3 歳の頃よりピアノをはじめ、音大のピアノ科を卒業。2012年10月に TVアニメ「中二病でも恋がしたい !」OP主題歌『Sparkling Daydream』でメジャーデビュー。その後も、「ようこそ実力至上主義の教室へ」「荒野のコトブキ飛行隊」など、多くのアニメ主題歌を担当する。2017年には日本最大級のアニメイベント「Animelo Summer Live」のテーマソングの作詞・作曲・編曲を手がけ、昨今ではレーベルの垣根を越え、内田真礼や新田恵海など、多くのアーティストに楽曲提供も行なっている。アレンジャー、サウンドプロデューサー的な側面と、シンガーソングライターとしての独自性を持ち、音楽シーンにおいて、アーティストとしてだけでなく、クリエイターとしても唯一無二の存在となっている。
https://zaqzaqzaq.jp/

RELEASE
『マイナーピース』

LACM-24513
¥1,320(tax in)

Lantis
2月28日 ON SALE