あなたの背中を押し、腕を引き、傍らにいたり、導きや道案内をしてくれるLeolaの新作
Leolaから約2年ぶりのニューアルバム『Things change but not all』が届けられた。彼女流に訳すと「変わるものもあるけど、全てがそうじゃない」とのタイトルを持つ今作。名は体を表すように、この2年間に発表された、タイプ様々な楽曲たちに新曲も加わった今作からは、改めての原点回帰や彼女が常に大切にしてきた信条も含め、決して良いことばかりではなかったこの2年間を経て、それが故に歌える歌ばかりが収まっている。
ここまで各曲毎に新鮮さと出会わせてくれた彼女。とは言え、それらが1枚にまとまり聴き返すと、タイプやシチュエーション、サウンドやアプローチは様々なれど、どの曲にも共通して根底に流れている「それでも進んでいこう!!」との促しに気づく。今だからこその信憑性と説得力を擁した彼女の歌たち。これらはきっと、あなたの背中を押し、腕をひっぱり、傍らにいてくれたり、導きや道案内をしてくれることだろう。
■今作のタイトル『Things change but not all』は、かなり本作の内容を表しているように感じました。ちなみにこのタイトルをLeolaさん流に訳すと？
Leola 「変わるものもあるけど、全てがそうじゃない」です。実は今おっしゃって下さったことを込めて、今作のタイトルを付けたところがあって。前回のフルアルバムから既に2年が経ち、その間、いろいろなことに挑戦したり、経たりしての楽曲たちばかりなんです、今回のアルバムは。それらを上手く表す言葉ということで、このタイトルにしました。
■確かにこの2年間のシングル曲たちは様々なことに挑戦していますね。
Leola ずっと聴いて下さっている方々からは、「懐かしい」と感じられる楽曲も収まったりしているんだと思います。でも、その辺りも今作の中にはキチンと入れたくて。特にここ最近で言うと、配信等の楽曲でかなりチャレンジしてきました。それらをつなげる言葉としても、今回のタイトルはピッタリかなと。あと時代も令和に変わり、それが自分が想像していた以上にすごく自分の心に影響を与えていて。
■それは？
Leola 「あっ、時代が変わるんだな…」と思った時に、「私自身も何か変わらなくちゃいけないんじゃないか？」と省みた時期があって。もちろんこれまでも沢山のことにチャレンジはしてきました。だけど、それ以上にもっと大きく変わる必要があるんじゃないかって。もちろん変化は大事だし、成長していくことも大事なんでしょうけど、変わらずに信念としていつの時代にも持っているのも逆に大事にしたくて。髪の毛も短くしたし、時代も変わっていくし、年齢も重ねていくし、見た目もその時々で書きたいことも表現したい音楽も変わるんだけど、その中心核にあって、根本にあるものは変わらない。それをこのアルバムで示しておきたかったんです。
■今作でも“STAY BEAUTIFUL”や“ヒカリ”は、そのような自身の出自であり、その言葉通りの決意や想いのこもった曲ですもんね。
Leola そうなんです。最初は「フルアルバムを作る!!」となった際に、今までの経過地点を全て詰め込みたいと思って。そう考えると、自然とバラエティ豊かな作品になることは予想もついて。であれば、その曲以外はあえて違ったタイプを入れるのも面白いんじゃないか？って。
■確かに今年に入って連続リリースされた配信限定の楽曲たちはどれも斬新でした。
Leola そうなんです。それらの曲も既にアルバムに収録することが決まっていて。それもあって、あえてバラエティに3曲3種バラバラなものにしてみたんです。第一弾であった“STAY BEAUTIFUL”はブレずにずっとある私らしい曲なんだけど、歌詞の内容で攻めてみたし。“After the Rain feat FUKI”は、新しい風を吹かせる為にフィーチャリングのFUKIさんに手伝ってもらったり、“Alright!”は、アルバムとツアーのキックオフになり、幸先の良いスタートダッシュを切れるような、そんな旗揚げの曲にしたくて。で、それと同時に出来たのが“ヒカリ”だったんです。
■この“ヒカリ”は、先ほどの配信3曲に比べ、かなり対照的ですよね？
Leola そうなんです。それもあり、あえて配信にしませんでした。というのも、あえて飾らない私の気持ち。何もマスキングせずに、今感じていたり、抱いている気持ちをシンプルに表現してみましたから。ブレずに持っていきたい曲の一つとして、あえてこれもアルバムに入れたんです。
■この曲はタイプは違えど、Leolaさんのデビュー時の気持ちや気概への原点回帰を感じます。
Leola まさに原点回帰かもしれません。特にこの“ヒカリ”に関しては、今、こうやってアーティスト活動をさせていただいていて、もっとああなりたいとか、こうなりたい等の欲望は出てきますが、それに向けて上手くいかないことや、もどかしいこともあったり。でも、そんな中でも続け、歌い続けている自分を褒めてあげたい、胸を張っていたいと思ったんです。
■分かります。すごく決意や覚悟が詰まった曲ですもんね。
Leola 最初に「歌を歌いたい!歌手になりたい!!」と決意した際の、「どうしてなりたかったか？」を改めて考えたんです。そこで行き当たったのが、私は音楽を聴いて救われたし、それがあるから今があるんだなって。歌手になろうと決意したのも、今度は自分がかつての私のような人を、私の歌を聴いてちょっとでも次に向かったり、進む活力や明るい材料になって欲しかったからだったことに改めて気づいたんです。
■ちなみに前作アルバムの際には、「是非海岸で聴いて欲しい」的なリクエストもありましたが、今作を聴くシチュエーション的に最適なのはどこでしょうか？
Leola 今回はそれこそ聴いて欲しい場所やシチュエーションは特に無くて。それよりかはマインドです。頑張っている人が聴いて癒されたり、上手くいかなかったり失敗しても「今の自分でいい」と思えたり。「よし、また明日からがむしゃらにやるか!!」と思えたり…。そのような気持ちの変化をこのアルバムから得て欲しくて。
