足立佳奈 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

足立佳奈『ゆらりふたり』

まもなくデビュー5周年!Tani Yuukiとのコラボ曲含む連続配信リリースを語る。

8月で17歳でのデビューから5周年を迎える足立佳奈が、4月から毎月新曲を配信リリース中だ。意外にも初めて春のラブソングを描いたという第1弾の“オーマイガール”、かつてないダンサブルなサウンドで彩られた第2弾の“Me”、そしてTani Yuukiとのコラボで男女の恋愛観が交錯する第3弾の“ゆらりふたり”。いずれもポジティブな気持ちを高めてくれると同時に、過去の足立佳奈にはない新たな一面を見せた楽曲となっている。昨年11月にリリースされたアルバム『あなたがいて』と比較しても、猛烈なスピードで進化していることを感じずにはいられない彼女に、一連の作品と5周年を迎える気持ちを語ってもらった。

■3月で大学は卒業したんですよね?

足立 はい。社会人1年目になりました。

■これで純粋に職業=ミュージシャンになって、音楽活動に対する時間の使い方も変わりましたか?

足立 そこは学生の時からあんまり変わらない感じがしていて。そんなに「よし、切り替えていこう」という感じでもなく、ゆるやかに社会人生活が始まった感じです。

■そうなんですね。「曲を作る時間が増えました!」とか、そういうのを勝手に期待していたんですけど。(笑)

足立 あー、ごめんなさい。(笑) 曲を作る時間は以前からちゃんとあったので。だから、本当にあんまり変わっていないんです。

■それでも4月から毎月新曲をリリースされていますけど、どういうきっかけで始めたんですか?

足立 あんまり生活は変わっていないと言いましたけど、気持ちの面では変わったところはあって。今年の8月でデビュー5周年を迎えるので、そこに向けて自分自身もファンのみなさんも盛り上げられるように、「毎月リリースしていきたいね」とチームで話し合ったんです。

■4月からリリースを始めたということは、それより前から動いていたわけですよね?

足立 はい。2月から4月にかけてツアーがあったんですけど、2番目にリリースした“Me”は、ツアーで育てていった曲なんです。それと最初にリリースした“オーマイガール”は、ツアーファイナルで「4月から連続リリースします」という発表と同時に、初めてみんなの前で歌いました。

■1曲ずつお聞きできればと思うんですけど、最初にリリースした“オーマイガール”は、どんなきっかけで生まれた曲なんですか?

足立 まずは4月のリリースなので、春のラブソングを作ろうと思って。意外に今まで書いたことがないテーマだったので、やってみたかったんです。

■男性目線の歌詞になっていますよね?

足立 はい。「そう言われたらいいな」っていう、ちょっと妄想の世界になっていて。

■男性の立場で歌うというよりは、「言われたらいいな」という視点なんですね。

足立 そうなんです。「僕」を主人公にして、「言われたらいいな」と思う目線で書くと、ちょっと幸せに作れるんですよね。

■歌詞にもある「魅力的さ君はいつだって」とか、言われたい願望があるんですか?

足立 はい。キザな人いいですよね!(笑) 

■この曲は恋に対してポジティブな印象を受けるんですけど、過去には“まちぼうけ”みたいな切ない片想いを歌った曲もあったと思うんです。

足立 そこは本当に季節のイメージがあったので。春は別れもあると言いますけど、私はポジティブなイメージが強いので、「よし、がんばろう」とか「やっぱ好きだな」と思える歌にしたいなと思って書きました。

■足立さんの中でも、季節によってポジティブな時とネガティブな時があるんですか?

足立 あると思います。天気がいい日は「最高!」ってなりますし、梅雨になったら雨音を聴いてぼーっとすることもありますし、単純なタイプなんです。(笑)

■曲を作るという意味では、四季のある日本に生まれてよかったのかもしれないですね。僕はこの曲から「恋って楽しいよね」みたいなポジティブな空気を受け取ったんですけど、足立さんが感じて欲しいことは?

足立 純粋に「君といられることって、改めて幸せなことだよね」とか。でも、あんまり歌詞を見ずに、音で聴いて欲しかったりもするんです。何度も出てくる「オーマイガール」のフレーズも、そんなに意味を込めたわけではなく、遊び心で歌っているので。

■じゃあ、この曲を恋愛の教科書にしなくても?

足立 全然大丈夫です。「足立佳奈がこう思ってるよ」っていうだけなので、気軽に聴いて欲しいです。

■続いて5月にリリースした“Me”は、どういうきっかけでできた曲なんですか?

足立 今年に入ってすぐに、ちょっとポジティブにいられない時期があって、その時に真心ブラザーズのYO-KINGさんが「人生は幸せになるゲームだよ」と言ってくださったんです。それで、いろいろ前向きに考えてみたんですけど、「悔しい」とか、「なんか落ち込んじゃうな」とか、悩めているということは、自分が前に進みたがっているということだから、「それってカッコいいじゃん」と思ったんです。

■そこから「カッコいいじゃん私」の歌詞が生まれたんですね。

足立 はい。本当に単純なんですけど、その単純な考え方が自分を楽にしてくれて、この歌詞が生まれました。

■この曲は「自分のダメなところも肯定してあげる」というメッセージが素敵だなと思いました。

足立 だらしない自分がたくさんここにいるんですけど、そのだらしなさを全部肯定してあげたいな、欲深さも肯定してあげたいなと思ったら、こういう歌詞になりました。

■誰しもそういう部分はありますよね。

足立 そうですよね。このあいだファンクラブの生配信で、この曲にちなんで「自分のだらしない瞬間を聞いたら、みんな結構だらしなくて。(笑) でも、みんなからは、私が一番だらしないと言われたんですよ。「だらしない界の神」とまで言われて……。

■そうなんですね。(笑)

足立 それくらいだらしないみたいです。(笑) でもそれを誰かに言えることも、私はその人の強さだなと思うので、そうやって自分を肯定しながら生きています。

■僕は普段、自分を「カッコいいじゃん」と思える時がないんですけど、そういうに人こそ聴いて欲しい曲というか。

足立 そうですね。私も根っからのポジティブ人間というわけではないので、落ち込んじゃう瞬間はあるんですけど、そうやって笑えるくらいポップにできたら、もっと人生が楽しくなるだろうなって。

■どのくらいのレベルでカッコいいと思っていいんですか?

足立 もうどんなレベルでも。たとえば出かける時にメガネをかけて、鏡を見て「カッコいいじゃん。よし、行くか」って。もちろんこの世にかわいい人、カッコいい人はたくさんいますけど、自信を持つことは大事だと思うので、私は鏡の前でいつも笑っています。傍から見たら怖い人かもしれないけど。(笑) でも誰かに変だと思われたとしても、別にいいと思うんです。鏡を見ないと気づけないこともあるし、そんな日常が私はとっても大事だと思います。

■この曲を参考に、ポジティブになれるように心がけたいと思います。

足立 ぜひぜひ。でもこの曲は「ダッタララ〜」と歌うところがあったりとか、リズムを楽しんでいる曲でもあるので、“オーマイガール”と同じように考えすぎず、気軽に聴いてもらえたらいいなという気持ちもあります。

■自然と体が動いちゃうような曲ですよね。先ほど「ツアーで育てた」と言っていましたけど、ツアーでやっていた時とリリースされた音源では結構違うんですか?

足立 結構違います。最初は1番しかできていない状態からスタートしたので、ツアーでは1番と2番で同じことを歌っていたところもあったりして。そこからライブしながら作り上げていったんですけど、リリースする音源はライブの雰囲気とは変えて発表したかったんです。

■それでShin Sakiuraさんにアレンジをお願いしたと?

足立 はい。Shinさんとはいつかご一緒したいなと思っていたんですけど、クールでカッコいい楽曲を数多く作られている方なので、そこを狙ってShinさんの色をたくさん混ぜていただきました。

■これまでは弾き語りやバンドサウンドが多かったですけど、この曲はダンスミュージックの要素が強く出ていますよね。

足立 そこは本当にライブの雰囲気とは違っていて。特にイントロは、ライブではドラムのカウントだけで入っていたのが、あんなことになるとは誰も想像つかず、本当にナイスアイディアだなと思いました。

■ある意味、1曲だけど2曲あるみたいな?

足立 本当にそうです。リリースした時も、ライブに来てくれたファンのみなさんが「これって、ライブでやっていました……よね?」みたいな感じで、私に答えを確かめてきて。それって、ライブで聴いたことを覚えていてくれて、なおかつ新曲も聴いてくれたということなので、嬉しさも倍増でしたね。

■そして6月リリースの“ゆらりふたり”は、Tani Yuukiさんとのコラボ曲になりました。どういう経緯で実現したんですか?

足立 前々から同世代の男性シンガーの方と一緒に曲を作ってみたい気持ちはあったんですけど、去年「アトリエプロジェクト」というTikTokとソニー・ミュージックのプロジェクトがあって、そこで初めてTani君と会ったんです。そこから仲良くさせていただいて、ライブにも行かせていただいて、改めてシンガーとしての実力を目の前で感じたというか。ハイトーンがとってもきれいに出たり、中低音が心地よく刺さったり、「なんてカッコいいんだろう」と素直に思って、「ぜひ一緒に音楽を作らせて欲しいです」とコラボをお願いしました。

■どうやって曲作りは進めていったんですか?

足立 まず私がテーマを決めさせてもらって、先にトラックとメロディーをCarlos K.さんと一緒に作って、そこからTani君が歌うところを空白にして、歌詞を書いたんです。その状態でTani君にお渡しして、「Bメロのところにメロディーと歌詞を入れて欲しいです」ってお願いしました。

■お題を投げてアンサーをもらう的な?

足立 まさにそうです。私は女の子目線で、結構わがままな女の子を書かせてもらったんですけど、Tani君には「この女の子を見て思ったアンサーをTani君らしく書いて欲しい」って話して。そこからいくつかLINEのやり取りをして進めました。