■手ぶらで戻ってきちゃったんですね。(笑) なんで買わなかったんですか?
RYO 僕、そういうのめっちゃ考えて悩んじゃうんです。いっぱい見たのに、「違うな……」となり、「もういいや、帰ろう」って。(笑) 結局、最終的には後日NAOにマーカーペンをプレゼントしました。NAOは舞台をやるので「台本に書き込めるように」って、ペン先に窓がついていて文字が読みやすくなっているやつ。
■リアルに便利だけど、クリスマスプレゼントとしては若干どうなの?……というものになりましたね。(笑) 実用的に考えてくれたんですね。
RYO 人にプレゼントとか買ったことがなくて……。だから実用的なものばかり出て来ちゃいました。そういうところがピュアだと思います。
■そういうタイプだからこそ難しかったのかもしれませんね。ところで今作のカップリング曲には様々なタイプの曲が収録されていますが、今までのAVESTの楽曲の中で、自分の好みと一番合っていると思うものはどれですか?
KOHEI AVESTは今のところ15曲ぐらい持っているんですけど、僕は“恋は突然さ”が一番好きです。爽やかなメロディや、後ろの音が良くて、僕は普段からジャニーズとかの明るい曲を聴いているのですが、“恋は突然さ”を作曲家さんから頂いた時に「これしかない!」と思いました。
KEITO 僕は1stシングルの“New World”がすごく好きです。元々シンガーソングライターの楽曲を普段からよく聴いていて、“New World”はダンスボーカル系の曲寄りなんですけど、ちょっと違う所もあって、そういった爽やかな部分がすごく良いと思います。あと、自分が歌うってなった時に、自分のハスキーな声質のことを考えると、アップテンポよりもミドルテンポくらいの曲の方が合うということもあり、この曲が好きです。AVESTとして売り出して行きたいと思うのは、やっぱり2ndの“Lily Flower”ですね。“恋は突然さ”もポップで聞きやすいと思うので、推して行きたいと思っています。
NAO 僕も“New World”が好きなんですけど、音楽の知識が無いまま活動させてもらっているので、この曲を聴いた時は真っ先に歌詞の意味を考えました。“New World”は背中を押してくれる曲なのですが、AVESTには背中を押せる曲は“New World”だと思っています。自分が音楽に背中を押されたからこそ、この曲が好きです。
MASAYA 僕は“Lily Flower”が好きで一番よく聴いています。もともと花が好きですし、今まで聴いてきた曲もこの系統の曲が多くて。爽やかだけどメッセージ性が強く、聴けば聴くほどいろんな一面が見えてくるのが面白いんですよね。あと、個人的に「掛け合い」のある曲が好きなので、この曲がカラオケに入ったら頑張って掛け合いを無理やりひとりで歌ってみたいと思います。(笑)
RYO 僕も“New World”が好きです。このジャンルの音楽だったら“New World”が一番好き。バンド系も曲もよく聴くので、そういう意味では“Human Made”も好きです。昔から暗い曲や病み系の曲を好んで聴いているので、初期曲も好きなんですけど、AVESTってグループでいうとやっぱり“New World”かな。
■今のAVESTの代表曲は“New World”という感じなんですね。今作の歌詞全体を見た時に“Human Made”の「丁寧に踏みゆく」というフレーズが頭に残ったのですが、みなさんが今作の中で一番耳に残ったフレーズはなんですか?
KEITO 僕は自分が歌っている“Lily Flower”の「君がいない暗い世界じゃ意味がない」という歌詞ですね。純粋にメロディも良いし内容も良かったので、絶対に僕が歌いたいと思い、「ココは僕に歌わせてください!」と直談判しに行きました。
MASAYA その流れで僕が「ずっと僕のそばで笑って」と歌う所で、文字だけ見たら軽く感じるのですが、歌を通して聴いた時に責任ある言葉だということを日に日に感じています。自分が歌えて良かったと思うパートだし、曲を通して聴く中でもそこがひとつのオチになり、意味が通るので好きです。その後に被せてKEITOが「光って」と歌う所まで好きです。
KOHEI 僕は“マスカレード”からなんですけど、この曲は僕らの間では「トンチキソング」って呼んでいて、ライブでは仮面をつけて、振り付けもラジオ体操から模しています。サビには「君の心はマスカレード 危険な果実 一口かじったらもう逃れられない」というフレーズがあるのですが、そこをどうしても口ずさんじゃうんですよ。癖になるというか。(笑)
■“マスカレード”のダンス動画を観ながら「あれ?自然に踊れるぞ?!」と思いました。やっぱりラジオ体操ですよね!(笑)
KOHEI 「初めての人でも一緒に踊れる振付は何かな?」って考えたのですが、ラジオ体操ならみんな絶対知っているじゃないですか。(笑) なので、「これでいこう!」となりました。
NAO 僕は“Lily Flower”の歌詞で、耳に残るというか考えさせられるフレーズが印象に残っています。「君に捧げる Lily Flower 真っ白い花が降り注いだら」とか、百合の花を渡したら天から降るシャワーって「どんな状況?!」じゃないですか。(笑)
■言われてみれば確かに……。(笑)
NAO 僕らの楽曲は刺激的だったり強かったりして、歌っている僕らも意味を考えさせられることが多いんですけど、逆にそれが楽しいです。でも受け取り方もいっぱいあるので、いろんな方に聴いてもらって、「どんなことを想像するんだろう?」と思いながら歌っています。そこは初期の頃からずっと変わっていません。
■ファンの方たちの考察は大歓迎ですか?
NAO ぜひ考察聞きたいです。この前の定期ライブの時に、久々に初期曲の“全て捨ててしまえば”を披露したんですけど、ライブ終わりにファンの方に「“全て捨ててしまえば”の主人公ってその後どうなったの?」って聞かれて、「おお、なるほどな……」と思って。初期曲では“Water Moon”と“全て捨ててしまえば”という2曲が「周囲と自分を比べる」とか「レールの上を走りたくない」って感じで似ているのですが、「“Water Moon”の主人公が、“全て捨ててしまえば”の人に繋がっているの?」と言われた時に、「いろんな考え方があるんだな……」とすごく面白くなりました。
RYO 僕は定番すぎるかもしれないのですが「何色にも染まらない」という歌詞が好きです。耳に残るっていうより、心に残ります。そうでありたいし、そうであって欲しい。昔の自分にそう
言いたいです。変に背伸びして大人になった感じがするので……。
■小さい頃から芸能活動をしていると周りは大人が多いですからね。それでは最後の質問です。AVESTは今作で2作目となりますが、グループとしての目的地はどこですか?
KEITO グループの目的地は、今はなかなか話せません。目標を作って過程を考えていく方がゴールには近いと思うんですけど、それ以前に僕自身としては、目の前の1個1個のことに向き合って「じゃあ今どうすればいいんだろう?」と常に考えていきたいんです。今は、来てくれているファンの方たちに楽しんでもらうことと、初めましての方や、僕らのことをまだ知らない方たちにどうやって見てもらうか、好きになってもらうかを考えています。
■個人としての目標も明確には決めていらっしゃらないのでしょうか?
KEITO 目標がないわけではなく、「ここに立ちたい」、「こうなりたい」はあるのですが、現状をしっかり見つめながらやれたらいいなと思っています。明確に答えられていないかもしれないのですが、着実に1歩ずつ、小さくても進んで行こうという感じです。
■AVESTは現実主義なグループなんですね。(笑)
KEITO 最初にグループができた時に「せっかくグループを組むんだったらドームに立ちたいね」とは言っていて、そういう想いはみんな絶対にあるとは思うんですけど、ライブをやっているうちに「あ、ドームに立つってこんなに難しいことなんだ」と思う事があって……。僕たちは現実主義で日々頑張りたいです。
KOHEI ただ「この2、3年くらいでZeppには立ちたいね」という話はしています。現実的にも「Zeppだったらいけるんじゃないか?」というビジョンもそれぞれあると思うので、まずは1歩ずつ大きくなって、まずはZeppのステージに行きたいと思います。
MASAYA グループとしてはそれを糧に頑張ったりするので、目的地が必要だと思うんですけど、僕個人としては目標を立てたくなくて。たとえば目標を全て達成してしまうと、これまでの目標は「通過点」になるじゃないですか。それが嫌なんです。とにかく広く「高みを目指す」という所にフォーカスして、あえて目標や達成項目は決めません。決めて失敗したこともあるので……。(笑)
■そういうこともありますよね。人生経験が豊かだからこそだと思います。
RYO 自分も「ここ」っていう具体的なものは無いんですけど、小学校の卒業文集に「札幌ドームに帰ってくる」って書いたんですよ。僕は北海道出身なんですが、グループを始めた時に文集のことを思い出して「それ(札幌ドーム公演)はやらなきゃな」と思いました。ドームツアーで札幌ドームに戻りたいです。
■凱旋公演は大きな目標ですね。
NAO 他のグループはライブ終わりのMCとかで「必ず僕ら○○に立つので、みなさん応援してください!」と口に出すことがあると思うんですが、僕らはそういうのは一切言った事がありません。言わないってルールがあるわけではないのですが、誰も口に出していないってことは、多分みんな同じ考えなんだと思います。僕も「言霊」は信じているのですが、夢や目標はどんどん変わっていきますし、例えば「ドームに行きたいです」って目標を表立って言ってしまう
と、「ドームがゴールになる」とファンの方たちも考えると思います。みんないろんな考えがあるからこそ、敢えて口に出していないんだろうし、目的地を決めていないからこそ……ということもありますよね。
■目標を決めると、グループの気持ち的にもそこで止まってしまう部分もありそうですね。
NAO あと会場のこともあります。僕らはコロナ禍でデビューしているのですが、「あの会場に立ちたいよね」って言っていて、その会場がコロナ禍で無くなってしまったり、共演したグループが解散してしまったということがありました。そういう変わり行く環境を見てきて、その中のどこに焦点を当てるかは時と場合によって変わってくるので。売れるのが目的地の人もいれば、海外公演が目的地の人もいると思うんですけど、バラバラだからこそ明確な目的地がなくて、目的地がないからこそ成長し続けられるし、ファンの方たちにも「応援したい!」と思ってもらえるんじゃないかなと考えています。
Interview & Text:安藤さやか
PROFILE
2021年3月ステージデビューの5人組Dance&Vocal Group。刺激的でメッセージ性の強い楽曲と歌詞表現に拘ったパフォーマンスでこれまでのメンズアーティストシーンにはない独特の世界観を創りあげる。
RELEASE
『Lily Flower』

Type-A(CD)
QARF-69148
¥1,200(tax in)

Type-B(CD)
QARF-69149
¥1,200(tax in)

Type-C(CD)
QARF-69149
¥1,200(tax in)
rock field
7月4日 ON SALE