BAND-MAID VANITYMIX 2019-2020 WINTER PICK UP INTERVIEW

BAND-MAID『CONQUEROR』

小鳩ミク(Vo&Gt)、SAIKI(Vo)、KANAMI(Gt)、AKANE(Dr)、MISA(Ba)

米ツアーも完売で世界征服へ前進!トニー・ヴィスコンティも参加のサード・アルバム

秋のアメリカツアーでは全公演ソールドアウトの快挙を成し遂げ、目標の世界征服へ前進を続けるBAND-MAIDが、サード・アルバム『CONQUEROR(カンカラー)』をリリースする。既にライブでも披露され、会場一体の大合唱が湧き起こる“endless Story”、デヴィッド・ボウイやT.Rexのプロデュースで知られるトニー・ヴィスコンティのラブコールで生まれた“The Dragon Cries”など、全15曲を収録した本作。激しさを進化させつつ、より壮大なスケールを描くことに成功した5人に、制作エピソードを語ってもらった。

■前作のタイトルは「世界征服」を意味する『WORLD DOMINATION』で、今作は「征服者」を意味する『CONQUEROR』になりました。世界征服は達成したんですか?

小鳩 いや。(笑) これから征服者になりたいっていう気持ちを強く込めて『CONQUEROR』にしましたっぽ。

SAIKI 私たちが征服者になりたいぞっていう意思表示のアルバムです。

小鳩 前作のときと同じで、目標として掲げていることをタイトルに持ってきましたっぽ。ただ、世界征服って、イメージとしても、言葉としても、すごく強いじゃないですか。だから迷ったんですけど、同じくらいインパクトがあって、さらに突き進んだものを考えた結果、『CONQUEROR』になりましたっぽ。

■自分にプレッシャーをかけるようなタイトルですよね。

小鳩 そうですっぽね。BAND-MAIDは曲でもなんでも、常に自分たちにプレッシャーをかけてやっているので、アルバムのタイトルにもそれが出ましたっぽ。

■BAND-MAIDは常に曲を作っているイメージがあるんですけど、いつ制作していたんですか?

AKANE 今回はすごいバラバラでした。

MISA 制作期間としては過去最長だよね。

小鳩 いつもはアルバムを作りますよってなってから、短期間でキュッと制作するんですけど、今回は常に曲を作り続けていた感じでしたっぽ。

KANAMI 前作が過酷すぎたので。(笑) だから早め早めにレコーディングも進めさせてほしいとお願いして、去年の8月くらいから制作は始めていたと思います。

■最初にできた曲はどれですか?

AKANE 最初に完成したのは“endless Story”かな。

KANAMI 去年の夏にZOZOマリンスタジアムでライブを見る機会があったんですけど、こういうところでBAND-MAIDがやるんだったらっていうのをイメージして、帰りのバスでボイスメモにメロディーを吹き込んだのは覚えています。

■じゃあ、帰り道の時点で「Oh-oh-Ooh-」のメロディーはできていたんですか?

KANAMI そうです、そうです。

小鳩 大きい会場でみんなに「Oh-oh-Ooh-」を歌わせたいねって。

KANAMI とにかく最初の「Oh-oh-Ooh-」を印象づけたいっていうのがあったので、ギターのリフもボーカルに沿う形で作ったんです。「“endless Story”ってどんな曲?」って言われたら、「Oh-oh-Ooh-」の曲だよねって言ってもらえるように、ド頭には特に力を入れました。

■一緒に歌ってくれと言わんばかりの曲ですよね。

小鳩 「冥途乃日」(5月10日に開催している毎年恒例のライブ)に初披露したんですけど、そのときからみんな「Oh-oh-Ooh-」を言ってくれていて。

KANAMI 思惑通りでした!えっへん!

SAIKI 日に日に“endless Story”の認知度が上がっているなとは、お給仕(ライブ)をしていても感じます。

小鳩 「いつ歌うんだろう?」みたいな待っている感はありますっぽ。

MISA  MVも早い時期から公開されていたので、知ってもらえているんだなって。

■歌詞もライブを意識して作ったんですか?

小鳩 すごくお給仕(ライブ)は意識しましたっぽ。あと、壮大なイメージっていうのは、作っているときから聞いていたので、集大成的な意味も込めて、いままでBAND-MAIDが作ってきた曲を詰め合わせたような、一本の壮大なる映画みたいなものを意識して書きましたっぽ。

■そういう壮大な曲を歌ううえで、SAIKIさんが意識したことは?

SAIKI レコーディングブースは狭いですけど、スタジアムやアリーナのようなライブ感を出せるように歌いました。BAND-MAIDとしても、ここまで明るくて伸びやかなメロディーは初めてだったので、ポジティブな気持ちになれる声質を意識して、あんまり強く歌いすぎないように気をつけました。お給仕でもやさしく歌うように気をつけていますね。

KANAMI すごく大切な曲なので、みんなと一緒にお給仕(ライブ)で育てていけたらなと思っています。

■今回のアルバムは、この“endless Story”と、最後の曲になっている“輪廻”がリードトラックなんですよね。“輪廻”は珍しく日本語タイトルですね。

小鳩 そうですっぽ。このところ英語タイトルばかりだったので、一発ここらへんで入れておこうと。(笑)

■“輪廻”という言葉に引っ張られているのかもしれないですけど、これが最後の曲になったのは意味深だなと思っていて。

小鳩 そうですっぽねぇ……。

SAIKI たまたまかもしれない。(笑)

小鳩 そういう部分での意図はなかったかもしれないですっぽ。(笑)

SAIKI 激しい曲で終わりたかったので、最後は“輪廻”がいいなとは思っていたんですけど……。

■「征服者」を意味するアルバムの最後の曲で、「例え声荒げても/世界は何にも救えない」と歌っていて、めちゃくちゃ意味深じゃないですか?

小鳩 征服したのに救えないっていう。(笑)

SAIKI そこは聴いた人それぞれで解釈していただければ。

小鳩 歌詞に関しては聴く人が自分の立場に置き換えて、自由な解釈で聴いてほしいと思っていますっぽ。

SAIKI ジェンダーレスな感じはずっと意識していて、むしろ聴いた人が感じたことを私たちに教えてほしいなと思っているんです。

■個人的には今回、正解を聞きたいような聞きたくないような歌詞が多いなと思ったんです。歌詞は基本、小鳩さんが書いているじゃないですか。僕は“Wonderland”を聴いて、小鳩さんが不倫でもしているのかな?って思ったんですよ。(笑)

小鳩 はははは!よく言われますっぽ。(笑) “Puzzle”(1stアルバム『Just Bring It』収録)を書いたときも「小鳩さん、大丈夫ですか?」って言われましたっぽ。

SAIKI 私もよく言います。(笑) 歌詞をもらったときに「悩んでる?」って返事したり。

小鳩 “モラトリアム”(『Just Bring It』収録)を書いたときも、プロデューサーの方に「なんか精神的に苦しいことがあったら言えよ」と心配されました。(笑)

■でも、元ネタがある曲も多いんですよね?

小鳩 そうですっぽ。映画とかからインスピレーションを受けたりしているので。決して自分のなかから出ているものだけではないので、ご安心くださいっぽ!