ベリーグッドマン VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■なるほど。(笑) “オドリバ★ジャポニカ”はサウナの中で思いついたとおっしゃっていましたが、“サウナ”はどのように作られたんですか?

MOCA これはサウナに入ったことのないRoverが作った曲なんですよね。(笑)

Rover トラックがすごく良くて、イメージが湧くものだったんですよ。最初に「なんならみんなでNa Na Na…」の部分が出てきたと思うんですけど、めっちゃ面白くて爆笑して。

MOCA “チョベリグ”と一緒の感覚だよね。最初はふざけてると思っていたんですけど、Roverはガチで歌っていたっていう。確か昼過ぎくらいから集まっていた日で、夜11時くらいにそれを歌い出したので、「ついに頭がおかしくなったか?」と思いましたけどね。(笑) 

Rover 「サウナ!サウナ!サウナウナウナ! 」っていうのも、何も考えずに出てきた言葉なので、本当に僕の頭の中って気持ち悪いんだなと思いました。(笑) でも耳なじみがよかったんですよね。そこから最初は「それロウリュ&熱波で整いたい」って言っていたんですけど、「ロウリュとか熱波で整うわけではない」っていう、マジなサウナ論が始まったので、じゃあ「汗かきたい」にしようか……っていう。

■ロウリュと熱波からの水風呂、そして外気浴という順番で曲が進んでいくので、サウナ好きが高じて作られた曲なのかと思っていました。

Rover なんか出てきてしまったんですよね。(笑)

MOCA 僕はサウナ(307)の語呂合わせの3分7秒で曲が終わることに一番こだわりました。意外にギリギリすぎてめっちゃ苦戦しましたね。「どこにこだわってんねん」って感じなんですけど。(笑)

■展開も多くて、サウンドもすごくカッコいいですよね。

MOCA 今の僕たちのキーになるトラックメイカーのYUTAくんに「ストックないの?」って聞いた時に、「まだ自分の中でも消化できていないんですけど」って送られてきたもので。構成としてはこれよりももっといろんな展開がくっついていたんです。それを聴いて、Rover先生が「サウナだ」と。僕も「確かに!」とか言ったんですけど、何を言ってるか全然分からなかったです。(笑)

Rover イントロからフワッとしているし、湯けむりっぽいっていうか。

MOCA いや、ならへんならへん!(笑) 

■(笑) “Fave”は推しのことについて書いた曲なんですよね?

Rover 推しの曲を作りたかったわけではないんですけど、トラックを聴いた時に可愛い曲だなと思ったんです。僕ら、“とにかくこの瞬間だけはアイドルになりたくて”っていう曲を歌ったことがあったんですけど、今回は西野カナさんみたいな曲を歌ってみたいなと思って。でももう35歳くらいのおっさんやし、1人はサングラスかけてるし、でもめっちゃ絵面はおもろいんちゃうかっていうのが僕の目論見で。(笑) それでどんな曲を書こうかと思ってTikTokを見ていたら、アイドルとかサッカー選手とか漫才師とか、自分が推している人だけを切り抜いて動画を作っている人がいっぱいいるんですよ。それで「これや!」と思って、作ってみようという感じでした。

MOCA 僕がこの曲で一番面白いと思っているのは、「初めて出会って びっくりした 私だけが知ってる不思議な愛」のパートをHiDEXが歌っているっていう。(笑) サングラスが「私」って言っているのは面白いですね。ヒデも自分が「私」って言っているの気付いてないんちゃうかな?

Rover 音楽として捉えすぎて、いじられているのに気づいてない。(笑) 僕の中では結構力を込めたボケですね。

■新しいですね。(笑) 推しという言葉は比較的最近使われ出した言葉で、みなさんが言われる対象になることもあると思うんですが、どんな風に捉えていますか?

Rover 「推しが生きる全て」という人もいるわけじゃないですか。実際にベリーグッドマンのファンの方も、「このライブがあるから頑張れました」って言っている方もいるし、今日もTwitterで、3歳か5歳かになる娘に何が欲しいか聞いたら「Roverのサインが欲しい」と言われて、「私の力じゃどうしようもできない」みたいな話を呟いている方がいたりして。そういうのも含めて、生きがいみたいなことを他者とか好きなものに求めることって、めちゃくちゃ幸せなことだと思うんです。TikTokの推しの動画も、めっちゃ好きなんですよね。観ていると僕もその人のことを好きになっちゃうくらい素敵だなと思って。日本は平和だなと思います。

■“サクラヒラリ”は、提供曲として2015年にリリースされた楽曲ですが、これを今再録してアルバムに収録することになったのには何か理由があったんですか?

Rover 良い曲なのでずっと歌いたかったんです。10周年やし、4月で卒業とか新生活っていうタイミングとも合いましたし。

■別の人のために書いた楽曲を改めて自分たちが歌う際、普段と歌い方や曲を聴いた時の感覚などに違いはありましたか?

MOCA この曲は僕らの初めての提供曲で、「自分たちがライブで歌うとしたら」という作り方で制作した曲なんです。そういうのもあって、結構「すっ」と入ってきたと思います。自分たちの過去の曲を録り直す感覚に近かったというか。

Rover “サクラヒラリ”は、こよなく愛している曲の1曲でもあるんです。というのも、ベリーグッドマンが今よりも何でもない存在だった時に、提供させていただいたことによって音楽ってこんなに広がるんだと思ったんですよね。自分たちが書いた曲が他の人に歌ってもらって広がっていくことに希望を見出せたんです。でもやっていることは普段の制作と同じなので、「僕らのやり方って間違っていないかもしれないな」とも思えた曲なんですよね。

■広い景色を見せてくれた曲なんですね。

MOCA 広い景色と美味しいご飯を食べさせていただきました。(笑)

■4月からは47都道府県ツアーが始まりますが、意気込みを教えてください。

Rover 初めてのチャレンジなので、未知の楽しみがあるんですけど、まずは体調管理をしっかりしていきたいです。あとは阪神甲子園球場100周年の記念事業の一環とも言えるツアーなので、甲子園の100周年をみんなで祝っていけたらいいなと。ツアー中、キティちゃんとか47都道府県のなにかを集めたいですね。(笑) エナメルバッグとかにそれをつけて甲子園に入ろうかなと。(笑) 人生で47都道府県を5ヵ月くらいで行くって中々ないじゃないですか。そう思うとすごい経験ですよね。

MOCA 例えば青森とかは、今まで一度も行ったことがないんですけど、タカチャさんっていう八戸出身のアーティストの曲を、僕とRoverが路上ライブをやっている時にカバーしていたので、そういう人が生まれた街に訪れられる喜びをかみしめながら回っていけたらないいと思っています。

■まずは47都道府県の完走が先ではありますが、甲子園ライブへの意気込みも教えてください。

MOCA ずっと憧れていた念願の場所なので、まだ不思議な気持ちと興奮と、まだ先だろうという変な落ち着きと、いろんな感情があります。でも頑張っていたらいいことがあるんやなということを、会場に集まってくれたみなさんにお届けできるようなライブにしたいなと思います。

Rover 僕としては、雨が降った方が感動するんじゃないかなと思っていて……。(笑)

MOCA 寒いやろ!風邪ひくわ。

Rover 雨の日の僕らのライブって結構感動パターンが多いんですよ。なので、そういう意味で甲子園の神様が演出してくれたらいいなという期待を込めつつ。でもどういう状況であれ、大勢の人を盛り上げようとか、みんなにエールを送ろうという気持ちじゃなくて、今まで僕らのことを救ってくれた人たちを思い浮かべて、感謝のライブができたらいいなと思っています。それが波動となってみんなに伝わっていくと思うので。無理せずにというか、自分らしく歌うのみかなと思います。それで最後の最後らへんに雨が降ってくれたらめっちゃいいですね。(笑)

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
2013 年 11 月結成 「Rover」 「MOCA」 「HiDEX」からなる 3 人組ボーカルユニット。2016 年3月に『ありがとう~旅立ちの声~』でメジャーデビュー。彼らの代名詞と言える「パワーソング(応援歌)」は、10球団24名の選手の登場曲にも使われており、頑張る人の背中を押す、ストレートな歌詞はスポーツ選手だけでなく、学校や部活に励む学生をはじめ、仕事や家事に奮闘するファミリー層から共感を得ている。2019年1月には結成当時から目標に掲げていた大阪城ホールでのワンマンライブを開催。また同年9月に自身初となる野外ワンマンライブをユニバーサル・スタジオジャパンにて開催。2020年6月、新型コロナウィルスの影響で練習や試合が思うように出来ない球児を応援したい!という思いから、阪神甲子園球場で初の無観客ライブを行った。同年10月に、自主メジャーレーベル「TEPPAM MUSIC」を設立。アルバム『TEPPAN』 をリリース。2021年8月『第 103 回全国高等学校野球選手権大会東・西東京大会』テーマ曲『ナツノオモイデ』をリリース。2022年9月3日には大阪・泉南 LONG PARK にてべリグ史上最大規模のフリーライブ『超好感祭 2022 ~史上最強のビーチパーティー編~』を開催し、1万5千人を動員。2023年4月12日、ニューアルバム『ピース』をリリース。2023年11月には結成10周年を迎え、目標であった阪神甲子園球場でのワンマンライブを控える。さらに甲子園を成功させるべく、4月からは47都道県ツアーを開催する。
https://berrygoodman.com/

RELEASE
『ピース』

初回生産限定盤(CD+M-CARD)
CRCP-40652
¥4,000(tax in)

通常盤(CD)
CRCP-4065
¥3,000(tax in)

TEPPAN MUSIC
4月12日 ON SALE