映像チェック時に「私、こんなことしてたの?」と思ってしまうほど、憑依のような状態で撮影していました。
メジャーデビュー15周年を迎えたClariSが、30thシングル『Revive』を5月27日にリリース。表題曲の『Revive』は、テレビアニメ「勇者のクズ」第2クールオープニングテーマとなっている。これまでのイメージを刷新するロックサウンドと、衝撃的なビジュアルで話題を呼ぶ本作。楽曲制作からMV撮影の裏側まで、クララ、エリー、アンナの3人にいろいろと話を聞いた。
■まずは表題曲の『Revive』との出会いからお聞きしたいです。曲が先だったのか、あの衝撃的なビジュアルが先だったのか……。
クララ 曲との出会いが先です。テレビアニメ「勇者のクズ」のタイアップでお話をいただいたのが始まりでした。作品の激しさや熱量、アンダー感のある空気を、ClariSでどう表現するか。その答えを探すように、いくつかの楽曲に声を当てながらたどり着いたのが『Revive』です。
■これまでのClariSにはないロックな曲調は、3人で選んだのですか?
クララ はい。可愛らしくポップなロック調の候補曲もあったのですが、ClariSらしさを残したまま作っても、振り切れないなと感じていて。やるなら徹底的にカッコよく、今までと全く違う3人を見せたいという思いのもと、激しくてキャッチーなサウンドをあえて選びました。
■新たな試みの中、レコーディングでの苦労はありましたか?
エリー ボイストレーナーの先生から、「重心を下げた方が芯のある声になるよ」というアドバイスのもと、3キロのおもりを持ってレコーディングに臨みました。マイクの位置も下げて、2時間以上、ほぼ中腰のまま歌い続けたので、もはやトレーニングに近かったかもしれません。(笑) 曲に集中しすぎて、体感は一瞬だったのですが、その日はぐっすり眠れました。
■今までMVで披露してきたClariSのイメージから、かけ離れたビジュアルとの出会いもお聞きしたいです。
クララ レコーディングを経て、3人のロック魂が解放された感覚がありました。「ここまできたら、もっとやっちゃおう!」という勢いで生まれたのが、あの殻を破るようなビジュアルです。
■パンクな髪色も衝撃的でしたが、ご自身でも要望を出されたのでしょうか?
クララ 髪型や色に関しては、私たちがすべて決めました。色とりどりのウィッグを目の前にしながら、MV撮影の直前まで、自分に合うものを探していたんだよね。
エリー そうです。クララちゃんは金髪をかぶった時に、「これだ!」となっていたのが印象的でした。「えっ、もう地毛みたいじゃない?」と言いながら、テンションが一気に上がっている様子が見ていて面白かったです。(笑)
クララ 人生で一度は金髪にしてみたいと思っていたので、夢を叶えることができました!
■アンナさんは、まさかの赤髪ですね。
アンナ 私のイメージカラーであるオレンジにするなど、選択肢はたくさんありました。でも、クララちゃんとエリーちゃんに赤髪を見せた時に、「もうこれしかない!」という不思議な空気が流れたんですよね。(笑) 3人ともフィーリングで選んだんですけど、自然と良いものに引き寄せられていったように思います。
■アンナさんはビジュアル以外にも、煽るようなカメラ目線のパフォーマンスが衝撃でした。
クララ アンナちゃんは撮影中、どんどんと最高を更新してくれました。個人的には「Highになれよ」のところで、親指と人差し指をかざす仕草が強烈すぎて……。(笑)
アンナ あの仕草は、振り付けには入っておらず、全くのアドリブでした。自分の中の誰かが、瞬間的に生み出した感覚に近いかもしれません。リップシーンは、とにかく見ているみなさんが盛り上がってくださるので、私自身もノリノリで気分が最高潮になっていたんです。(笑) 映像チェック時に「私、こんなことしてたの?」と思ってしまうほど、憑依のような状態で撮影していました。
■エリーさんからも、MV撮影の感想をお聞きしたいです。
エリー 私もアンナちゃんと同じで、映像をその場で見た時は、「これ本当に私ですか?」となりました。洋館のようなロケーションに囲まれているうちに、「今なら魔法が使えそう」みたいな感覚になったのをよく覚えています。(笑) ただ、自分ではロックな表情をしたつもりでも、映像チェックしてみたら、まだまだ足りないと気付く瞬間もあって。「さらに挑発するにはどうしたらいいのだろう?」と、自分なりにもがきながら撮影をしていました。
クララ エリーちゃんは、まさに没入型のパフォーマンスを見せてくれたのが印象的でした。でも、いざカットがかかると、瞬時にいつものホワホワした空気に戻るのがたまりませんでした。
■クララさんは、MVのパフォーマンスで意識したことは何かありますか?
クララ 私は低めのパートを担いながら、暴れる2人をどっしりと支えるような立ち位置を意識しましたね。リップシーンも、派手に弾けるところと、肝の据わった落ち着きを出すイメージで表情を作っていきました。
アンナ 映像を見ながら、クララちゃんから見たことのない顔で睨まれた気分になれたのが嬉しかったです。(笑) 普段の穏やかなイメージが染みついているからこそ、あの表情が飛び出してきた時にはすごくグッときました。
■パフォーマンスで注目してほしい部分はありますか?
アンナ 3人で勢いよく前蹴りをする場面があります。振り付けを担当してくださっている先生がもともとテコンドーの経験者で、武道の動きを実際に取り入れました。振りの反復というより、蹴りや型を体に染み込ませる練習を重ねて、歌がより映えるカッコイイ見せ方を目指しました。
■前蹴りのコツはありますか?
アンナ もちろん踏み込む瞬間の勢いは大事なのですが、蹴ったあとの足をどう戻すかも迫力に直結するんです。派手に出るところだけでなく、引きの所作が「静と動」の緊張感を生むんだと学びました。
■このままアンナさんに、『Revive』の歌詞にについてもお聞きできればと思います。
アンナ 「勇者のクズ」の主人公・ヤシロは、正義を捨てながらも勇者であり続けるという矛盾を抱えた人物なんです。城ヶ峰ちゃんのような、かつて自分が理想としていた像を目にする度に、憧れと自己嫌悪が入り混じる。その葛藤が歌詞にも色濃く滲んでいます。「温度の無いこの手握る 依存上等で徘徊せよ」という一節は、命をかけることへの躊躇がないヤシロの冷たさを表しながらも、本当は温もりを持っている人間だという二面性とリンクしていると思います。そしてその揺れは、今の私たちとも重なるんです。「おびやかされている平和」や、「ヒリヒリするリスク取って」という歌詞のように、リスクを取ってでも進化を目指す“いま”の私たちを象徴する一曲にもなっています。
■エリーさんは、お気に入りの歌詞はありますか?
エリー 私は四字熟語が大好きなんです。『Revive』の歌詞には四字熟語のごとく、漢字が並ぶフレーズがちりばめられています。中でも歌っていて一番気持ちいいのは、「煩悩無双」かな。曲の終盤ということもあり、弾け飛ぶような感覚で声を出せるのがたまりません!(笑)
■ここまで新しいことをすると、ファンの方からも「こんなのClariSじゃない!」なんて声が出てもおかしくありません。そのあたりは怖くはなかったのでしょうか?
クララ 怖くなかったと言えば嘘になります……。積み上げてきた15年間を、わざわざ壊しているように映る不安はありました。でも挑戦しないと何も始まらないし、中途半端にやれば、受け取り手もきっと戸惑うと思います。新しいClariSを見せるという3人の思いが一致したタイミングだったからこそ、このチャレンジには怖さを超える楽しさがありました。サビ前の「まだここから」という歌詞が、個人的にはこの曲のキーだと思っています。15年間やってきてなお、「まだここから」と言葉にできる。ClariSという軸があるからこそ、変わっていけることを、この『Revive』で表現できた気がしています。







