iScream VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

思い出深い楽曲と新曲が揃い成長を見せた『i -Special Edition-』、3人からのクリスマスプレゼントのような作品に。

iScreamがアルバム『i -Special Edition-』をリリース。今年4月にリリースされた1stアルバム『i』の内容に加え、その後にリリースした“Catwalk”と“恋するプラネット”、そして新曲3曲を追加した、デビューから現在に至るまでの全てを詰め込んだ、これからの季節にぴったりな冬らしい作品となっている今作。この12月でデビューから1年半を迎えるRUI、YUNA、HINATAの3人に、今年の歩みや新曲の制作について話を訊いた。

■今回の『i -Special Edition-』 は、今年4月に発売したアルバム『i』の収録曲も入っています。アルバムをリリースしてからライブやイベントを重ねて、曲に対する思いも変わってきているのではないかと思うのですが、経験を重ねた今だからこそ一番印象深いと感じる曲を教えてください。

RUI 私は“茉莉花 -Jasmine-”だと思います。アルバムのリード曲だったこともあって、有線でも流れたので、iScreamを知らない方たちにも知っていただいたきっかけでもあったのかなと。ファンの方からも「今日ご飯食べていたら、お店で“茉莉花 -Jasmine-”が流れていたよ」といった声をいただいたりもして。私たちの楽曲がたくさんの方たちに届いていると思うと、とても嬉しかったです。

YUNA 私は“つつみ込むように…”です。この曲を通して幅広い世代の方たちにiScreamを知っていただけたと思いますし、自分たちの歌の表現力を広げてくれた曲なのかなとも思うんです。あとはこの曲をきっかけにMISIAさんに直接お話を聞くことができたり、自分が音楽を届ける立場の人間なんだっていうのを自覚した曲でもあったので、すごく印象的でした。

■YUNAさんは“つつみ込むように…”ではホイッスルボイスの披露もありますが、そういった歌唱法などの意味での成長もありましたか?

YUNA すごくありました。自分がホイッスルボイスを出せるんだって知ったのがこの楽曲でもあったので。すごく挑戦でもありましたし、3人ともレコーディングの時には今までのレコーディングの仕方とは違うやり方で録ったので、楽しかった曲でもあります。

HINATA 私は“Meant to be together”が印象的でした。ファンのみなさんに向けて歌った楽曲でもあるので、ライブとかイベントで歌うとみなさん喜んでくださる楽曲のひとつでもあって。私たちもみなさんを思う気持ちが強い曲ですし、みなさんがそれを受け取ってくださっているのを感じるので、お気に入りの曲です。

■2022年は初の有観客イベントやアルバムのリリースもあり、iScreamとして広がりのあった1年だったと思います。この1年で特に思い出深い出来事や成長したと感じる部分を教えてください。

RUI EXILEさんのライブのオープニングアクトとしてアリーナのステージに立たせていただいたんですけど、それがすごく印象的でした。そこで初めてiScreamを知る方たちもたくさんいらっしゃいましたし、アリーナの円形のステージで3人でパフォーマンスするのも初めてだったので、すごく自分たちを成長させてくれたステージとなりました。

■アリーナという大きいステージに実際に立ってみていかがでしたか?

RUI やっぱりアリーナだと距離が遠いこともありましたし、私たちを知らない人の心を掴むことをすごく意識しました。「お客さん1人1人に絶対に歌を届ける」っていう意思だったり、届け方を学んだ大きな経験だったなと思います。自分たちはまだまだですけど、自分たちの歌だったり世界観で、この会場を埋めるような歌を歌っていきたいと夢が広がった瞬間でもありました。「今度はiScreamで絶対にアリーナのステージに立ちたい」っていう新たな目標もできました。

YUNA 私はリリースイベントが思い出かなと思います。今までも「ファンのみなさんに会いに行きます」とは言っていたんですけど、なかなか各地のみなさんに直接会いに行ける機会がなくて、楽曲でしか届けられていなかったので。でも今回のリリイベで初めて自分の地元の大阪に帰った時に、「YUNAちゃんが大阪の出身でよかった」とか、「iScreamに出会って変わりました」とか、そういうお話をファンのみなさんから直接聞くことができたので、すごく大きな経験になったと思います。歌っている意味が感じられた出来事でもあって。自分たちの楽曲で、みなさんにもっと幸せだったりを届けることができたらいいなと思いました。

HINATA 私は初めての単独ワンマンライブが一番印象に残っています。やっぱりコロナ禍でのデビューだったので、なかなかみなさんの前でライブをすることもできなくて。それが少しずつ落ち着いてきて、ファンのみなさんと一緒の時間を過ごせたっていうのは、すごくありがたいことだなって思いました。ワンマンライブに向けての準備も本当に頑張ったので、みなさんも楽しみに待っていてくださって、自分たちの「みなさんに愛を届けます」の想いが実際に体現できて、みなさんとの関係性が築けた時間だったなと思います。

■今作はスペシャルエディションということで、『i』の後にリリースされた楽曲や新曲も収録されています。“Catwalk”は8月にリリースされた新曲ですが、“Meant to be together”の後に聴くことで、再スタートしていくような印象を受けました。みなさんから見て“Catwalk”はどんな楽曲だと感じていますか?

YUNA 再スタートみたいな意味を捉えてくださってすごく嬉しいです。この曲はパフォーマンスをしていてもすごく楽しいですし、3人で目を合わせてパフォーマンスするのもiScreamとしてのチーム力がより分かるのかなと思います。なので、この曲をアルバムに入れることができてすごく嬉しいです。

RUI “Catwalk”は背中を押してくれるようなメッセージ性のある楽曲なので、「気持ち次第で未来は変わり果てるから」という歌詞に、iScreamとしても「もっと頑張っていかなきゃな」とか、歌いながらも支えられた部分が本当に大きかったんです。リリースした直後もそうですけど、最近歌わせていただく時もより気持ちが入るというか。自分たちもすごくこの曲に勇気をもらっているので、みなさんにとってもそういう曲になってくれていたらいいなと思います。SNSでは「雨の日に聴いてテンションあげています」とか、そういう声も届いていて、すごく嬉しいです。

■おっしゃっていただいたように、歌詞はメンバーのみなさんにとっても共感できる内容だと思いますが、レコーディングの際も気持ちが入りましたか?

RUI そうですね。レコーディングの時は、この曲を作ってくださったm-⁠floの☆Taku Takahashiさんが一緒に現場にいてくださってたので、試行錯誤して感覚を掴みながら、1文1文を分析しながら歌っていきました。

■“恋するプラネット”はサウンドがすごく可愛らしい印象です。初めて聴いた時の印象を教えてください。

YUNA この曲は率直にめっちゃ好きな曲だなと思いました。女の子が好きなサウンド感なんじゃないかなと思います。今までの自分たちの曲は結構歌詞が特徴的だったり、メッセージ性に重きを置いた曲が多かったんですけど、この曲はどちらかというとサウンドが特徴的な楽曲だったので、自分たちの声の出し方だったりとか、歌い方とかもいつもと少し違っていて。ちょっと可愛くしてみたりとか、そういう面白みを持ってレコーディングしたので、すごく楽しかったです。

HINATA ちょっと昔っぽい歌詞が入っていたりとか、今っぽい歌詞が入っていたりとか、いろんなギャップが楽しめる楽曲かなと思っていて。それに合わせて自分たちも歌い方や声の出し方にこだわりを持ちながら、試行錯誤して作りました。“恋するプラネット”は振り付けもみなさんが一緒に踊れるようなものが入っていて、初めてのワンマンライブの時が初披露だったんですけど、その時も1番の振りを見たら2番からはみんな踊れちゃうみたいな感じだったので、みんなと一緒にダンスが楽しめるっていうのがポイントの曲になったと感じます。

RUI ちょっとラップっぽい部分をYUNAとHINATAが歌っていて、メロウな感じが続いているなと思ったら、急に2人が結構ガツガツとヒップホップっぽく歌ってくれたので、そういうのもすごく遊び心があるなと感じますし、聴いていても面白いんじゃないかなと思います。

■「ポケベル」や「トレンディードラマ」など、90年代を彷彿とさせる歌詞もありますが、そんなレトロなモチーフや文化に憧れや興味などってあったりしますか?

YUNA 最近では時代が一周巡って、90年代のファッションとかプリクラとかも変わったりしているので、憧れというか元々身近に感じていたものではありましたね。

HINATA うん。昔流行ったものがちょっと進化して今流行っているっていうことが起きているのが令和時代だったりします。(笑) 90年代の音楽だったりカルチャーにリスペクトを持ちながらも、自分たちらしさを加えて発展させて、自分たちの色として出していけたらいいなとすごく思っています。それを楽曲で表現しているものもあって。それも新しい音楽としてみなさんには届くんじゃないかなって思っています。

RUI 「レトロだからおしゃれ」みたいな感じが自分たちの世代の中でもあるので、だからこそこういう曲が歌えて嬉しいです。さっきHINATAも言ったみたいに、iScreamの曲は自分たちが生まれる前の時代のテイストを取り入れていただいた楽曲も多いので、聴いてくれる方たちの普段聴いている音楽によって、私たちの曲の捉え方も違って面白いんじゃないかなと思います。たくさんの世代の人たちに聴いてもらえたら嬉しいです。

■そして新曲の“ホワイト・ラブ”は、これからの季節にぴったりな楽曲ですね。

YUNA 最初の印象から、3人の声が乗った時にまた新しいものが生まれた感覚になったので、自分的にはすごくお気に入りの楽曲です。あと、私たちの声が入ってできあがった音源を聴いた時にすごく感動したんです。本当にほろりとしてしまったので、早くみなさんの元にも届いて欲しいです。

RUI iScream初のウィンターソングなんですけど、自分たちも冬ソングを歌えるということがすごく嬉しいです。“himawari”が夏ソングとしてみなさんに親しんでもらえて、iScreamのひとつの定番曲になったので、「冬のiScreamといえばこの曲だよね」とか、それが広まって「日本の冬ソングって言ったらこれだよね」ってみなさんがプレイリストに入れて聴いてくれるような、冬の定番バラードソングになったらいいなと思います。“ホワイト・ラブ”の題名にもある通り、本当にストレートに素直な恋愛感情と冬を混ぜた歌詞を歌っているので、すごく届きやすい歌詞とメロディーかなとも思うんです。なので、たくさんの人たちに聴いてもらえたらいいなと思います。

■バラードでありながら、聴いた印象としてはすごく迫力を感じるというか。先ほどおっしゃっていたように、初めての冬の曲ということもあって、歌の表現も新たな部分が見えたのかなと感じました。

RUI バラードでも迫力は欠けさせたくなかったので、自分的にはドラマティックなものをイメージしました。最後の落ちメロからラスサビの流れがストーリー仕立てになっていて、迫力が増していく感じがすごく好きなので、そこが聴きどころです。レコーディングの時、2人も部屋を暗くした?

YUNA 暗くしたよ。

HINATA 入ったら暗かった。(笑)

RUI そうだよね。(笑) 私も部屋を暗くして、イメージ的には真っ暗の中で雪だけがキラキラと降っているみたいな。そんな空間に1人でポツンっていて、そこで歌詞のストーリーを歌っているっていうのをイメージして歌ったんです。神聖な感じというか。

■実際にレコーディングブースを暗くすることでイメージに浸ったんですね。

YUNA 私も暗くしたんですけど、この曲は自分が歌う場面が文の最後の部分だったり、逆に始まりの部分が多くて。いつもの歌っている部分とは違うなと思ったんです。今までは結構声量を出して届けるっていうパートが多かったんですけど、“ホワイト・ラブ”に関しては2人に連なって大きくなるとか、2人に繋がって少し切なくなるとか、そういうのを意識して歌いました。なのでちょっと難しかったです。

HINATA 楽曲自体が「初々しい恋って積もっていく雪に似ているよね」っていうところを書いてくださった歌詞だったので、物語の1ページ目みたいな、何かが始まる瞬間みたいな歌詞の意味を考えながら歌いました。本当にみなさんに伝えたいっていう気持ちでレコーディングをしましたし、それがすごく曲に出ていて。自分たちでも聴いて感動するし、みなさんも感動してくれるんじゃないかなと思います。

■“ホワイト・ラブ”のミュージックビデオの撮影が最近終えたと聞きました。撮影はいかがでしたか?

RUI すごく幻想的でした。セットは全シーン白しか使っていないんですけど、その中でも4パターンのセットがあって。本当に全部芸術的でまるで美術館に来ているような気持ちでした。セットだけを撮っているシーンも何回かあるんですけど、それをモニターで見た時、本当に綺麗で。私たちもセットの写真を撮ったりしていて。(笑) そういう神秘的な世界観の中で撮影するのにぴったりな曲だし、私たちも感情を乗せやすかったです。繊細な自分たちの表現が大事な撮影だったので、自分たちの奥底から出る表現を引き出しながら、集中して頑張った撮影でした。

YUNA 今RUIが言ってくれたみたいに、ごまかしがきかないというか小物とかもひとつもなくて。本当に自分だけにフォーカスするっていう感じだったので、ひとつの動作でも、例えば目を伏せたところは「ちょっと切ないのかな?」とか、ちょっと上を向いた時は「誰かのことを思っているのかな?」とか、そういう想像が広がるミュージックビデオになっていると思います。ひとつひとつの動作をすごく丁寧に表した撮影でした。

HINATA 雪がテーマなので、雪が積もっているとか降っているとか、それが途中で止まっているとか、雪が降って積もるまでのいろんな過程をいろんなセットで表現していて。それをみなさんがどう想像するかはわからないんですけど、みなさんの想像に任せたいなってすごく思えるミュージックビデオですね。