大原櫻子 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■“ふわふわ”の制作はどのように進めていったんですか?

大原 この曲は本当に自分の好きなことを歌っている曲なので、お遊びだけどみんなに覚えてもらいたいし、根底のテーマも伝えたいっていう思いで作っていて。でも意外と時間がかかってしまいましたね。「あと一言が出てこない……」みたいな。特に2番の終わりとかは、レコーディングの時まで「どうしよう……」って考えていて。真面目に考えれば考えるほど笑えてくるので、そういう意味ではすごく楽しみながらの制作でしたね。(笑) あとコーラスに「ふわふわ」が多いから、“ふわふわ”っていう曲名なんですけど、コーラスもすごく聴きどころだと思います。

■“寄り道”もすごく温かい曲ですよね。

大原 これは最初、全く違う歌詞だったんです。それこそ恋愛テイストだったかな?ちょっとうろ覚えなんですが、最終的には犬の目線で飼い主への愛を描いている作品になっています。一番身近で支えているわんちゃんが歌っている歌というか。犬なり猫なりを飼っている人たちが聴いて、ほっこりしてくれればいいなと思います。

■犬の目線の歌詞となると、レコーディングの時の気分や歌い方も変わるんですか?

大原 全然違いますね。レコーディングの前、「犬のイメージはこんな感じです」と作詞家である姉から、具体的な犬の写真が送られてきたりして。「私は今日この子になるんだ」って思って歌いました。(笑)

■最後の「僕がそばにいる」という歌詞がすごく印象的で。犬を飼っていなくても温かい気持ちになれる歌詞だなと。

大原 私はわんちゃんを飼ったことがないんですけど、やっぱり犬は大好きで、人の家に行った時に犬の様子を見ていても、「なんでこんなに人間の心をわかってくれるんだ」みたいな瞬間がすごくあるんですよね。それを表現したいなっていうのはありました。寄り添ってくれる人がそばにいるんだっていうのに気づいて欲しいなっていう。

■3ヵ月連続リリースの第3弾“初恋”は、すごく可憐な曲というか、これまで連続リリースで発表してきた“Door”と“愛のせい”とは雰囲気が異なりますが、大原さんが最初に聴いた時の印象はいかがでしたか?

大原 「これが最初のリリースじゃないんだ」みたいな。(笑) でもこの順番はすごく気に入っていて。人ってこうやって一周するのかなって。”初恋”はすごくピュアな主人公の絵があったので、キラっとしてる声で歌いたいなとは思ってましたね。なのでずっと笑顔で。心から幸せな笑顔で歌うっていうのは心がけてました。レコーディングしていて、笑ってるか笑ってないかってすごい声に出るなと思いましたね。

■3ヵ月連続リリースでは、それぞれ異なる印象の恋愛ソングを歌っていますが、自分自身のストーリーとはまた違うものを歌う時は、その役に入るみたいな気持ちなんですか?

大原 うーん、でも「全部私」っていう気持ちもちょっとあって。自分の中の引き出しにあるものを引っ張り出してくる感じというか。

■ちなみにお芝居の役作りではどうですか?それも自分の中の引き出しを開ける感覚なのか、それともまったく違う感じなのか?

大原 お芝居では「これ引き出しの中にあったな……」っていうのは、最近あんまりないんです。役が難しすぎて。(笑) というのも、どうして難しいかというと、音楽って今現在のことじゃないですか。でもお芝居って、例えば1790年代の出来事とかってなると、「ちょっと待って……知らない!」っていう。(笑) 何もわからないところから始まるので、すごく難しいんですよ。でもそこの世界に1回行けると、すごく成長できるんですけどね。

■面白いですね。歌手活動をしていることがお芝居の方に活かされる感覚はあったりするんですか?

大原 ありますね。やっぱりライブをやっているっていうのがすごく大きいと思います。なにかを届けるとか、お芝居でも一発勝負があったりする部分もそうですし。あと歌詞を書いていただいたりすると、「なるほど。こういう表現力があるんだ」とも思いますし。ひとつの感情をこんな風に表現できるんだっていうのは、お芝居にも活かされたりすると思います。あとはお芝居で一番大事というか、一番その役柄を象徴するのが声だと思っているんです。そういった意味では、曲によっても声色が違っているので、そういう部分も関係していると思いますね。

■今年の12月には東名阪のライブハウスを回る「大原櫻子LIVE HOUSE TOUR2022 ライブハウスでFANFARE!!」が控えていますが、どんなライブになりそうですか?

大原 今年はバイオリンとピアノと3人で回ったツアーもあって、その後にビルボードライブでオーケストラ形態でのライブもやったりして、結構聴かせるライブが多かったんです。今回はライブハウスなので近い距離だし、声は出せずともみなさんと一緒に踊ったりもできるので、とにかく体を使って楽しいライブにしたいなと思っています。バンドとやるライブも久しぶりなので、わくわくしています。

■最後に今後の目標や展望を教えてください。

大原 常に葛藤しつつも、常に良い作品と向き合っていたいっていう思いがあります。歌でもお芝居でも、いいスタッフさんと巡り合ったり、いい作品に出会ったりしているなというのをここ2、3年すごく感じていて。やっぱり長く残る作品に携わりたいですし、長く歌っていける歌を歌っていきたいなって思います。

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
1996年、東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。2013年、映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」全国ヒロインオーディションで5,000人の中から抜擢され、スクリーン&CD同時デビューを果たす。2019年5月~7月にかけて、全国10か所で5th Anniversaryコンサート開催。7月3日からテレビ東京にて放送されるドラマParavi「びしょ濡れ探偵 水野羽衣」にてドラマ初主演・初主題歌。7月NHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」に山田天陽の妻・靖枝役で出演。7月31日、10枚目のシングル『I am I』をリリース。2021年3月3日、5枚目のアルバム『 l (エル)』をリリース。4月~6月にかけて、全国13箇所を巡るダブルコンセプトツアー「CONCERT TOUR 2021 ”Which?”」を開催。10月よりテレビ東京にて放送されるドラマParavi「つまり好きって言いたいんだけど、」にて主演を務め、自身が作詞・作曲した“ポッピンラブ!”がドラマ主題歌として起用された。
https://oharasakurako.net/

RELEASE
『FANFARE』

初回生産限定盤A(CD+DVD)
VIZL-2134
¥4,950(tax in)

初回生産限定盤B(CD+DVD)
VIZL-2135
¥4,950(tax in)

通常盤(CD)
VICL-6575
¥3,300(tax in)

Victor Entertainment
12月7日 ON SALE