■まぁ究極、財布さえあればなんとかなるというところはありますからね。それではカップリング曲“もーいーかい?”のお話も伺っていきたいのですが、ミュージックビデオが本当に可愛かったです。撮影で楽しかったことはありますか?
凛花 今回はみんなでウィッグをつけて、エルフ型の耳をつけて撮影させていただいたのですが、ダンスパートの時に耳がスポっと抜けちゃって。(笑) 途中で「すいません!耳落ちました!」とか、「えっ、耳どこ?!」と、撮影を止めることが何度かあって。それがすごく愉快でした。(笑) ウィッグもどんどん上がってきちゃったりして、私も前髪がオン眉になっていて、自分でズリズリと直したりするのが楽しかったです。(笑)
百花 私は間奏のダンスシーンで、そこはワンカット撮影だったのですが、あっちに行った時にはこっちの人が映らないようにとか、みんなで協力しながら撮ったのがすごく楽しくて。出来上がった後の達成感もすごくありました。
美雨 今回は4人で丸太に並んでゆらゆらしたり、ちょっと可愛いシーンが多かったのですが、セットの環境も相まって、撮影の合間もほのぼのしていて楽しかったです。休憩中にはスタッフさんが、その日に発売されたスタバの新作フラペチーノを買ってきてくれて。みんなで一気飲みしたら、その後はお腹がタプタプでちょっと気持ち悪かったです。(笑) でもすごく楽しいMV撮影でした。
もな 今回すごいセットを組んでいただいて、天井が広いスタジオに本物みたいな森が作られていたんです。神秘的でちょっと可愛い森でした。それを踏まえた上で、みんなが言っていたようなエピソードが繰り広げられていたと思うと、どうでしょう?(笑)
■綺麗な森の中でフラペチーノを一気飲みしたり、「耳どこ?!」と探しているのは、めちゃめちゃ面白いですね。(笑) 曲の方でこの曲ならではの工夫はありますか?
美雨 “もーいーかい?”は、アップテンポで楽しげな感じがあると思うのですが、2番に入ったあたりから少し不穏になって、ラストは情熱的な歌い方と歌詞も相まって、切ない感じになるんです。“ホラークイーン”は、あんまり人間っぽくないといいますか、隙が見られないのですが、“もーいーかい?”には、人間のドロドロした部分や、「一緒にいてほしいし、一緒に幸せになってほしいけど、あわよくば一緒に死んでほしい」という、人間だからこその感情が詰まっています。この2曲は対称的ですが、ファントムシータとしての軸は同じなので、いいセットになっているなと思っています。
凛花 ただ可愛いだけの曲には絶対にしたくなかったんです。衣装も可愛いですし、歌詞やリズムも振りも可愛いのですが、私たちはレトロホラーをコンセプトに掲げているので、どうしてもホラーな部分を出したくて。人間のドロドロした執着だったり、「もういいよ」と言っているのに良くなかったり、そういう人間の深さを表現したいと考えました。曲は「もういいよ」と言って終わるのですが、振付けは「良くないけど」みたいな顔で最後終わります。最後まで可愛いだけの曲では終わらせないというところにこだわりました。
もな 森の中でかくれんぼをしている様子とか、可愛い感じの部分の振り幅がないといけないかなとすごく思っていました。レコーディング当時は、MVをまだ撮っていなかったのですが、MV通りの風景を想像しながら、かくれんぼをしている様子や、跳ねていて可愛げがあって、追いかけたくなるような可愛らしさを出したいなと思い、レコーディングではいつもより振れ幅を大きく表現したりしました。
百花 サウンド的には疾走感があって軽やかな感じがしたので、楽曲のリズム感を大切にしました。歌詞は結構ドロドロした感じだったり、いびつな愛の形や執着が感じられたので、歌詞をそのまま受け取るだけではなくて、こういうことを言っているけど、本音が見え隠れしている感じだったり、そういった部分も意識しました。いろいろな解釈ができる楽曲だと思っているので、ただ普通に歌うのではなくて、「いろんな意味もあるんだよ」ということを考えながらレコーディングをしました。
■歌詞にちなんで、あなたのことを「見つけてほしい」人は誰ですか?
もな もうすべての人間です。
凛花 ファントムシータのことをまだ見ていない人たちというか、まだ知らない人には、一回見てみてほしいです。きっと刺さると思うので。
■こういう時は憧れのミュージシャンのお名前を出す人が多いのですが、そういう感じではないんですね。(笑)
凛花 迷子になった人に見つけてほしいですし、見つかりたいです。
もな 海外ツアーに行って、海外の方にもいっぱい聴いてほしいなと強く思いました。日本語で難しいと思うのですが、壁は言語だけではなくて、「ノリの壁」もあると思うんです。だから、見た目でも、歌詞でも、曲でも、テンポでも、雰囲気でもいいから、日本とか海外とか関係なく、もっと広く知ってもらいたいです。
百花 ホラーに苦手意識がある人にも知ってもらいたいです。私自身も実はちょっとホラーが苦手なのですが、ファントムシータの楽曲は、幽霊やお化けの怖さではなくて、人間の奥底の感情や、人には言いづらいけど、共感してしまう感情だったりします。「レトロホラー」と聞くと、ちょっと怖いのかな?と、一歩引いちゃうところもあると思うのですが、聴いてみたら意外と共感できるところがあったり、「なんかいいかも」と思ってもらえるかなと思うので、ぜひ聴いてみてください。
もな 私がアイドルである以上は、上とか下とかなくて、ステージの上に私がいるから、私じゃないみんなに聴いてほしいですね。
■アイドル精神が強いですね。それでは最後に次のシングルまでに成し遂げたいことを教えてください。
もな またこうして取材していただいたり、自分たちのことを言葉にする時に、「成長しました」と、胸を張って言えるような自分たちでいたいですし、それが顕著に出るのはライブやレコーディングだと思います。何事も全て無駄にしたくないといいますか、いろいろな経験をさせてもらえるからこそ、その全部を吸収して、自分が思っているよりも1、2個上の自分になれるように、いつでも頑張りたいです。
百花 私はダンスやパフォーマンスでもそうなのですが、特に歌声の振り幅をもっと広げたいといいますか、表現の幅を広げたいなと思っていて。ファントムシータの楽曲って、本当にいろいろな楽曲があるじゃないですか。今後もたくさんの楽曲をいただくと思うので、どんな楽曲が来ても、その楽曲の伝えたいことや雰囲気を、歌声を通してみなさんに伝えることができるぐらい、しっかりと技術を磨きたいなと思っています。
凛花 良い意味でも悪い意味でも、パフォーマンス中にひとりの世界に入ってしまうというか、自分自身にフォーカスしすぎてしまう節があることに最近気づいたので、次のシングルまでには、いろいろなところが見られるようになっていたいです。パフォーマンス中でも、お客さんの顔であったり、周りをしっかりと見ていきたいです。ダンスの先生に教えていただいたことで心に残っていることがあって、「ステージ上では泣くな」という言葉があるんです。表現者である以上、私たちは「伝える」ためにパフォーマンスしなくてはいけないので、自分の感情に浸るのではなく、大きなものを伝えることに尽力しなさいという意味の言葉です。それを聞いた時にハッとして。ステージ上にいる私は表現者でいたいですし、独りよがりになるのではなくて、伝えることに徹することができるようになれたらいいなと思います。
美雨 私も表現の幅をもっと広げたいと思っていて。パフォーマンス中の表情とかもそうですし、これからファンのみなさんが増えていくにつれて、私たちを遠目でしか見ることができない人も増えていくと思うので、その時に、見えるのは豆粒だけど、聴いていて衝撃を受けるぐらいの声の表現があったら素敵だなと思います。近くで観ている人には、今までよりも「ダンスは振り付けだけじゃなくて、こう表現したいから動いている」という感じで、ダンスがただの振り付けに見えないようにしていきたいです。このあいだのフェスで、中森明菜さんの曲をカバーさせていただいたのですが、中森明菜さんの映像を観たら、ただ立って歌っているだけでもすごくカッコ良くて、オーラがあったんです。そういう振り幅があるんだということを学べたので、それも含めてファントムシータはまだまだ成長していけると思っています。個々の目標もありますが、目指す場所はみんな一緒だと思うので、日々お互いを高め合い、刺激し合って、これからも成長していければと考えています。
Interview & Text:安藤さやか
PROFILE
歌い手Adoがプロデュースするレトロホラーアイドル。英語表記『Phantom Siita』/漢字表記『怪忌蝶』。現代のアイドルを「蝶」とするのなら、ファントムシータはそんなアイドル業界にとっては異端な存在である「蛾」。怖いとわかっていても手を伸ばしたくなるような、恐ろしくて、美しい。「アイドル」という言葉に相応しいアイドルになって欲しいという願いが込められている。誰かにとっては新しく、誰かにとっては懐かしい。本当の日本のアイドルがここにいる。
https://phantomsiita.com/
RELEASE
2nd CDシングル
『ホラークイーン』

初回限定Blu-ray盤(CD+BD+ブックレット)
※トールサイズデジパック仕様
TYCT-39329
¥2,200(tax in)

初回限定Photobook盤(CD+フォトブック)
TYCT-39330
¥2,200(tax in)

通常盤・初回プレス(CD+ブックレット)
TYCT-39343
¥1,500(tax in)

完全数量限定メンバー実写アクリルスタンド盤(CD+アクリルスタンド+ブックレット+3方背ケース)
[UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤]
※トールサイズデジパック仕様
PDCV-5090
¥4,400(tax in)
Capitol Records / ユニバーサル ミュージック
6月24日 ON SALE







