SEAMO VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

SEAMO『Wave My Flag』

あの日あの時の自分と気持ちを重ねされてくれるSEAMO 15周年、10枚目の記念すべきニューアルバム

デビュー15周年を邁進中のSEAMO。先日の某フェスでは、なんとシーモネーターとSEAMOの1人2役の夢の共演も実現。片や天狗のお面一丁にて下ネタチックな歌を連発したシーモネーターと、ノラせ聴かせで場内を魅了したSEAMOの2WAYのステージに会場も終始大盛り上がりを見せていた。
そんなSEAMOから前作アルバムからわずか7ヵ月。早くもニューアルバム『Wave My Flag』が届けられた。タイプ様々な楽曲やシチュエーションの曲たちを収めながらも、それらは全てどこかいつぞやのSEAMOの姿をオーパラップさせてくれるものばかり。同時に我々のあの日あの時とも想いを重ねさせてくれる。聴く者に自身の旗を誇らしげに掲げさせ、思いっきり振りたい気持ちにさせてくれる今作についてをSEAMO本人に訊いた。

■前作リリースからわずか7カ月。まさに間髪入れずのリリースですが、一体どうされたんですか?(笑)

SEAMO そうなんですよ。(笑) こんなに短いペースでのリリースは自分史上初めてのことで。当初は「ミニアルバムでもいい」的な話だったんです。でも数えてみると10枚目のアルバムになるわけだし、せっかくの15周年でもあるので、やはりガチッとした作品を作りたくなって、頑張りました。そもそも今回のアルバムが10枚目だってこと自体、気づいたのは僕からで。(笑)

■「もしかして今回は10枚目のアルバムじゃないの?」って?(笑)

SEAMO そうそう。(笑) しかも僕の方から「あれっ、これ10枚目のアルバムだよね?」とスタッフに聞くも、誰も答えてくれず。(笑) しょうがなしに自分で数えたら、やはり今作は10枚目で。その後スタッフから一応「やっぱり10枚目のアルバムでした!!」との連絡があったものの、それ先に(スタッフの方が)気づこうよって。(笑)

■今作は実際そんな短いタームで作ったとは思えないほどしっかりとしているし、充実感もあります。

SEAMO 「やればできるじゃん、俺」って。(笑) でも今作に関しては、時間をかけずにタイトなタームの中でビシッと作ったのが正解でしたね。まとまりもあるし、瞬発力もある。それでいてリリックの内容も今までのSEAMOをちゃんとリプレゼン出来ていて。おかげさまで新たな自信にもなりました。

■では今作はけっこうポンポンと曲が湧いてきた感じ?

SEAMO いやいやいやいや。全くそんなことはないです。相変わらず今回もチューブを絞って絞って、しまいには途中からチューブを切って、ようやくひねり出してここまで仕上げた感じで。(笑)

■それにしても今作はトラックもトピックも種類バラバラですが、人間SEAMOのこれまでを振り返らせる内容のリリックが並んでいる印象を受けました。

SEAMO その辺り、当初はそこまで意識して書いてはいなかったんです。これまでは「今の瞬間を切り取る」みたいな曲がわりと多かったのに対して、今回は10枚目だな…15周年だな…というのが、自然と念頭にあったんでしょう。気づいたら自然とそのようなリリックの曲が並んでいました。いわゆる自分を振り返るリリックというか…。

■でも、あえてそれをセンチメンタルに響かせないところも今作のポイントかなと。懐かしく振り返りつつもキチンと前に進んでいる感があるというか。

SEAMO いやー、まさしくおっしゃって下さったとおりで。今作では、これまでとこの先を語ったものばかりになりました。“終わり良ければ全て良し”って曲でも歌っているんですが、まだこの先にスゲエことが待ち構えているんだよって。そんな気持ちです。今回は15周年という記念すべきところではありますが、まだまだこれも途中、通過地点でしかないというか。それこそ“未完の大器”です。(笑)

■それらも含め、今作はこれまで以上にSEAMOさんのいろいろな側面やパーソナルが伝わってくる作品でもあるなって。

SEAMO そうなんです。なので、タイトルも『Wave My Flag』にしたところもあります。

■それは?

SEAMO 自分の旗を誇らしく振れって。これも当初は“Wave Your Flag”にしようと考えていたんです。ちょっとした応援歌でもあったんで。だけど今回、15周年だし10枚目だしで、ヒップホップって究極の俺イズムじゃないですか。自分を語らずして何がヒップホップだ!!と。そこから、「ああ、俺は俺の旗を振ればいいんだ!!」と。自分の曲って、基本誰かに贈ったり、捧げたりをイメージして作るんですが、もうこの曲に関してはそれこそ「レぺゼン俺!!」って感じで。

■この曲は男塾の面々も参加していますね。

SEAMO Crystal Boy(nobodyknows+)とKURO(HOME MADE家族)、それからSOCKSに手伝ってもらいました。ここのところこのメンツで一緒に曲をリリースすることがあって。例えば2017年の「ON&恩」とか。実はあれが自分の活動の中での一つのトピックとして今でも記憶に残っていて。あの曲が出せたことでなんか自分たちのヒップホップの原点に戻れたというか。これでいいんだというのを学べたいい機会でもあったんです。

■これはスタジアムでみんなで一緒に声を重ねているアンセム感も擁しています。

SEAMO そこは当初からの狙いです。今年はラグビーのワールドカップもあるし、来年には東京五輪もある。そんな中、「スタジアムでもみんなで一緒に声を合わせられる応援歌を作ろうよ」と、各位を誘ったんです。マイクリレーで、グルーヴ感のあるもの。それを目指して作りました。おかげさまで僕のことをよく知っているメンツだからこその楽曲になりました。

■それは主にどの辺りが?

SEAMO みんなイイ意味で深読みしてくれました。(笑) 15周年で動いていることは知っているし、メモリアルでいろいろなことをやっていくんだというのをみんなが察してくれて。各人から出てきたリリックがどれも自分を振り返るような内容でしたから。むしろみんなの方がこのアルバムの内容を理解してくれていたのが嬉しかった。結果SEAMOの15周年にして、俺たちの付き合いってこんな感じだったよねというのを各位キチンと関係性として入れ込むことが出来ました。