私立恵比寿中学 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

大人と子どもが混じり合う10人の“永遠の青春”の葛藤と絆、そして挑戦。

私立恵比寿中学がTVアニメ『マッシュル-MASHLE-神覚者候補選抜試験編』エンディングテーマ“トーキョーズ・ウェイ!”を1月31日(水)にシングルリリース、そして同曲を収録した8thアルバム『indigo hour』を2月28日(水)にリリースする。“青春”がテーマのニューアルバムは佐藤千亜妃が作詞した3曲を骨子として、“永遠の青春”を感じさせる作品に。さらに今回は高学年メンバーと低学年メンバーに分かれてのユニット曲も収められる。インタビューでは安本彩花、星名美怜、中山莉子、小久保柚乃、風見和香、桜井えまに話を聞く。

■今回のインタビューでは高学年メンバーと低学年メンバーが半分ずつになりましたね。お互いから見たお互いはどんな印象ですか?

星名 最初は10個も歳が離れている子たちと仕事をするなんて想像もしていなかったのですが、1年、2年、3年と過ごしてる中で、それがだんだんと当たり前になってきました。最初は何を話せばいいのかもわからなかったんですけど、今の子たちって結構大人っぽかったりして、見ているコンテンツやSNSも一緒なので話題の共通性もあって、意外と話せていますね。昨日は雪が降っていたので、小久保と二人で大はしゃぎしました。(笑)

小久保 でもやっぱり私たちは、10年以上この仕事をやられているお姉さんメンバーのところに、途中から入ることになったので、最初はめちゃめちゃ緊張したし、「どう話せばいいんだろう?」というのがあったんです。でも最近ではレッスンでもたまに変なところでみんなでツボったりもできて、毎日楽しいなって思います。

■さて、先日アニメ「マッシュル-MASHLE-神覚者候補選抜試験編」のエンディングテーマ“トーキョーズ・ウェイ!”がシングルとしてリリースされましたね。みなさんの中で元々「マッシュル」を観ていた方はいますか?

星名 私は観ていました。1話目から面白くてシュールでゆるい感じなんですけど、観て行くうちにだんだんと話が重くなっていって、それなのに平然としているマッシュくん(主人公)がめちゃくちゃ面白くて。(笑) なので、「私立恵比寿中学がエンディング曲を担当します」と言われたときに「えっ、今観ているやつじゃん!?」と思いました。

■びっくりしますよね。「今見観ているアニメの曲を私がやるの?」って。

星名 でも、うちの「アニメ担当」は真山りかなので、真山の前で「このアニメ観てる」って言うと、「いろいろとご指摘を受けそうだな」と思い……黙って心の中で喜んでいました。(笑)

■やっぱりアニメ好きの真山さんも喜ばれていましたか?

星名 喜んでいましたし、今回はシングルのジャケットなどにも真山の意見が採用されています。こんなに記念的なことってなかなかないので私たち自身もすごく嬉しいですし、タイアップも久しぶりなので嬉しかったです。

中山 タイアップのことがメンバーに報告されたのがライブ終わりか何かのタイミングで、楽屋に集められて、いきなり動画を回されたんです。でも「世の中に出す映像だったらもうちょっと楽屋を綺麗にしなくちゃ!」と思って急いで片づけたら、「アニメのタイアップが決まりました!『マッシュル』です!」と言われて。アニメが好きなりかちゃんと歌穂ちゃんがすごく喜んでいたのを覚えています。

■その時に星名さんは心の中でコッソリ喜びを噛みしめていたわけですね。(笑)

風見 私たち(低学年組)はアニメのタイアップをやらせていただくのが初めてだったので、エンディングで自分たちの声が流れてくるのを聴いた時はすごく不思議でした。映像ではキャラクターたちが東京の高速道路を車で走っているんですけど、曲に合わせてキャラクターが動いてくれるのがすごく嬉しくて、毎週楽しみにして観ています。

■ギャグ系のアニメですが、エンディングはオシャレですよね。最後にはしっかり「オチ」もありますが。(笑)

星名 海外の友達から「これって美怜たちの曲なの?!」って言われました。私立恵比寿中学って名前だけ知っている方からしたら、こんなオシャレな楽曲を歌っているとは想像しづらいと思うのですが、「こんなにオシャレなら他の曲も聴いてみる」と言われて、すごく嬉しかったです。

■YouTubeに公開されていたダンス動画も素敵でした。様々なポーズを取る所が印象的ですね。

安本 今回の振り付けで一番重要なポイントは「ウェイ!ウェイ!」の所で手を上と前に突き出すところだと思っていて、これを「ウェイポーズ」と呼んでいきたいです。

風見 サビの途中でみんなで両手を天井に突き刺す所があるのですが、ここは「東京タワー」をイメージしているんです。(笑) 振付師の先生からも「自分を東京タワーだと思って!」とアドバイスをいただいたので、みんなで東京タワーになりきっています。

■“トーキョーズ・ウェイ!”を聴く時に、ぜひ押さえてほしいポイントを教えてください。

安本 私はやっぱり「ウェイ」推しなので、ぜひ一緒に手振りをやりつつ「ウェイ!ウェイ!」って掛け声をしてくれたら嬉しいです。

星名 間奏の所に「ウェイ」だけのパートがあるのですが、ライブの時にはもっともっと育てて、「ウェイ」を何回でも伸ばしてみてもいいんじゃないかなってくらい盛り上がる感じにしたいなと思っています。

中山 この曲では1曲を通して私たちの様々な表情を楽しめます。さっきまで可愛らしくしていたのに、急に真顔になってダンスで魅せたり、いろんな表情があるので、ライブではぜひそこを見てほしいです。

小久保 ウェイウェイタイムが終わった後に、ひたすらクルクル回っている所があるんですけど、そこでファンのみなさんもクルクル回ってくれたら面白いなって思います。(笑)

■ライブ会場でみんながクルクル回るのはシュールですね。(笑) でも「マッシュル」っぽくて面白いかもしれませんね。

桜井 そのクルクル回るところは、めっちゃ盛り上がった後にみんなキメ顔になって回っていて本当にシュールなので、ぜひ注目してほしいです。

風見 “トーキョーズ・ウェイ!”は曲としてはオシャレなんですけど、所々「マッシュル」に関連するワードが入っていたりするので、どこに入っているのかも注目してほしいです。

■そして2月28日にはニューアルバム『indigo hour』がリリースされますね。

星名 アルバムタイトルでは「ブルー・アワー(黄昏時)」の「ブルー」よりも深い「インディゴ」という色を使うことで、「より深い青春」を表現しています。20代になって青春を思い出すメンバーもいれば、今まさに青春真っただ中な学生のメンバーもいるからこそ表現できるようなキラキラした曲もあれば、儚さもある、そんな中に自己紹介ラップ曲もあったりと、突っ込んだ感じの私立恵比寿中学の、「いつもの棘のある面」も混ざりあっていて。この10人では初のアルバムなので、私たちの今の青春を描いている作品になったのではないかなと思います。

■今のお話を聞いて、ちょっと難しいですがこんな質問をしたくなっちゃいました。「あなたにとっての青春を一言で教えてください」。

安本 私的にはまさに私立恵比寿中学が青春です。現役の中学、高校の青春時代を私立恵比寿中学として過ごしてきて、家族と思える人もメンバーだったし、友達と思える人もメンバーだったし。学生の大事な期間のいろんなことをメンバーと一緒に乗り越えて、今もこうして現役として続けられているので、本当に私立恵比寿中学が青春です。

星名 私は「挑戦」かな。青春は「何かをやり遂げたことへの達成感」で感じる部分もあると思っていて。大人になると学生時代の友達と集まってどこかに行くにしても、スケジュールがどんどん合わなくなってくるじゃないですか。でも、それでも予定を合わせてどこかに行くっていうのも「挑戦」だと思います。あと、自分で学びたい資格とかを選んで、テスト勉強の計画を立てて、挑戦して、やり切った後の達成感も青春ですよね。だから青春は「挑戦」だと思います。

中山 ほとんどの人は「青春=中高生」だと思うんですが、私的には20歳を過ぎた今がすごく楽しいんです。過去に戻りたいって人もいると思うけど、私は進んでいきたい。それぐらい今が楽しいので、今がまさに青春だと思っています。

風見 ちょっと似ているんですけど、青春は「今を全力で生きること」だと思います。何歳になっても苦労することとか、挫折することとかいっぱいあるけど、それを乗り越えながら必至にもがいて、今を楽しんで、1日1日を大切に生きることを続けて行けば、いくつになっても青春って言えるんじゃないかなって思います。

桜井 私は「友達」かな。ひとりっ子なので、私は「兄妹と遊ぶ」っていうことが無かったんですけど、学校とかに通って、友達に出会って、ご飯に行ったり、遊んだりする時は、ただ喋っているだけでもすごく幸せだし「いいな」って感じるので、それが青春なんじゃないかなって思います。

小久保 私の青春は「放課後」かな。学校帰りに友達とイオン行ってアイスを食べたり、プリクラを撮ったり、カラオケに行ったり、ラーメンを食べに行ったりして、そういうのってだいたい学校終わりに行くので、「放課後はすごく青春しているな」って思うようになりました。

■わ~!社会人には低学年メンバーの回答が眩しいです。(笑) 今作には自己紹介曲“Knock You Out!”も収録されていますが、この歌詞はどのように作られていったのでしょうか?

星名 他己紹介みたいな形で「〇〇はどんな子だと思う?」というのと、プラス自分が思う自分というテーマで、みんなからキーワードを集めて、それをもとにKennyDoesさんがリリックにしてくれました。KennyDoesさんはファミリー(私立恵比寿中学のファン)でいてくれているので、KennyDoesさんから見た私たちのイメージも入っています。だから「みんなで作った」という感じがすごくあります。

■自分以外のメンバーの自己紹介詞で好きなものはどれですか?

中山 私は柚乃のパートが好きです。心菜がバリバリのラップでキメた後に、様子がおかしい柚乃が出てきて……。(笑) 私立恵比寿中学って様々なメンバーがいるので、キャラに合ったテンポ感だったりがすごく面白いです。

小久保 私は桜井のところが好きで、他のメンバーが一緒に歌っているところもあるんですけど、「私は私らしく」とかは歌っていてすごく楽しいし、力強くてカッコいいなって思います。

桜井 私は莉子ちゃんのパートで、一緒に歌う部分が歌いやすいし、リズム感も莉子ちゃんっぽい勢いやエンジン感が伝わってきて、すごくいいなって思います。

安本 今みんなが言ったように、掛け合いでメンバーと一緒に歌えるパートが多い中山と桜井のパートがめちゃくちゃ楽しいです。ちょうどさっき、ファンのみなさんにもコールを言ってほしいので、お手本動画を作ったのですが、テンションが上がって思わずみんなで言わないパートでも声を出しちゃって。(笑) ファンの方たちにも覚えてもらって、ライブで一緒にできたら、フェスとかでも注目を集められそうだなと思って、今から楽しみにしています。

星名 私は小林のパートが好きです。私の所までは割りと「ゴリゴリのラップ」みたいな感じのリズムなんですけど、小林のパートでゆったりし始めて、終わった瞬間、急に「ふ~」って言ったり、力が抜ける感じがすごく好きだなと思います。

風見 私は美怜ちゃんのラップパートが好きです。ここはメインのラップも難しそうだと感じるんですけど、合わせて歌うところだったり、リズム感だったりもちょっと難しいので、ファミリーのみなさんにも頑張っていただきたいと思います。(笑)

安本 ファミリーの方が作ってくださった曲だからこそ、「みなさんの想像している私立恵比寿中学ってこんな感じなんだろうな」という感覚があります。最後の方に職員(スタッフ)の声も入っているのですが、昔の楽曲にも職員の声が入っていた曲があったので、それを思い出してちょっとほっこりしました。

■個人的には安本さんの「美容オタク」「もはやミラーボール」が好きなのですが、後学のために美肌のマストテクニックを伺ってもよろしいでしょうか?

安本 そうですね……「悪いものを出す」ことがすごく大事だと思っています。肌にいいものをいくらたくさん取り入れても、古くなったものを外に出さないと意味が無いと思うので、洗顔は安いのでいいので、洗顔料をしっかりと泡立てて、摩擦が起きないように優しく優しく洗うことが綺麗な肌に繋がる第1歩だと思います。

■参考にします。洗顔料じゃなくてハンドソープで顔を洗っちゃダメですか?

安本 それは絶対にダメです!(笑) 刺激が強すぎます!

■反省します。(笑) そういえば“BLUE DIZZINESS”のMVでは、自転車に乗っている人とキックスクーターに乗っている人がいるシーンがありましたよね。あれって配役に何か意味があるんですか?

星名 どっちがいいか自分で選べたんですけど、私、小学生の時から自転車に乗っていないので、怖くてキックスクーターにしました。でも正直言ってキックスクーターもこの時初めて乗ったんですよね。(笑)

■なるほど。どっちにしても怖かったと。(笑)

安本 “BLUE DIZZINESS”、“CRYSTAL DROP”、“TWINKLE WINK”のMVは三部作になっているので、ストーリーが繋がっています。

■取材日の時点では、“TWINKLE WINK”のMVはまだ公開されていませんが、そのあたりにも注目ですね。今作アルバムには、ポジティブで「生まれ変わる」、「変化」をイメージさせる楽曲が集まりましたが、私立恵比寿中学はまさに今そういう時期なのでしょうか?

星名 最初は「中学生の子たちが頑張ってやっている」感じだったんですけど、そこからいろんな楽曲に出会い、「楽曲派」と呼ばれるアイドルになって、またフレッシュなメンバーが入ってきて。私たち自身も自分たちの見せ方に迷った時期もあったんですけど、でも今の5人ずつ姉と妹で分かれている構成って今までに無くて、だからこそ、姉曲の“Hello another world”、妹曲の“STAY POP”と、それぞれのユニット曲が初めてアルバムに収録されることになりました。そうして今までとは違う見せ方をしつつも、全員が集まった時の効果も魅力のひとつなので、2024年はその魅力をさらに強化していきたいと思っています。これまで15年もやってきたけど、まだ変われる、まだ見た事がないものを見せられると思ってもらえるグループになりたいです。

風見 私立恵比寿中学は私たちが入る前から「いろんなジャンルの曲があるよね」と言われることが多かったと思うのですが、今回のアルバムでまた新しいジャンルに挑戦して、できる幅がどんどんと広がっていると思うので、もっといろんな曲に挑戦して「ホントに私立恵比寿中学ってなんでも自分のものにできるグループだね」と言われるようになりたいです。

■そうなったら素敵ですね。ところで今作は大人っぽい歌詞が多めですが、みなさんは「もっと大人になりたいですか?」、それとも「子どもの頃に戻りたいですか?」

桜井 私は大人になりたい!車に乗りたいです。免許が欲しい。(笑)

風見 私も大人になりたくて、やっぱ未成年だとひとりでホテルとかにも泊まれないじゃないですか。私はひとり旅がしたいんです。お母さんも旅行好きなんですけど、早く大人になって国内旅行とか、いろんな国にも旅行に行きたいです。

小久保 私は子どもに戻りたいです。今の記憶がある状態でちっちゃい頃に戻って、生き直してみたいです。(笑)

中山 私は大人っていうか、早く30代になりたいです。大人=30代みたいなイメージがあるんですけど、20代の今もすごく楽しいのに、「30代は一瞬だよ」って言われるので、その「一瞬感」を早く味わってみたいです。

星名 私も大人になりたいですね。もともと性格は小さい頃からあまり変わっていないのですが、大人になると周りの環境が変わって、できることが増えて、今が一番楽しいので、常に私の人生は今が楽しいんだと思います。(笑)

安本 今まではこういう質問には大体「子どもに戻りたい」って答えるタイプだったんですけど、もうそうは言っていられない歳になったと自覚し始めていて……。(笑) 「もっともっと大人になりたい!」って思うようにしています。