竹内唯人 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

竹内唯人『XX』

■7曲目の“I Believe Myself (Prod. GeG)”からの流れで聴くと、歌詞が両方とも「俺」から始まっているっていうのが面白いなと思って。

竹内 “XX”の歌詞は、“I Believe Myself (Prod. GeG)”の歌詞とメロを聴いて、「もっと包み隠さずストレートに伝えてもいいんだな」って思って書いたんです。“I Believe Myself (Prod. GeG)”があったからこそ、こういう素直な歌詞も書けたんだと思います。

■これはリスナーのことも意識して書いた部分があったりするんですか?

竹内 リスナーに「こう聴いて欲しい」っていう思いは全くなくて。これは自分の人生像というか、自分の生きてきた時間みたいなのを歌って、それをみんなに知ってもらうっていう感じなので。みんなにどう思ってもらいたいとか、これを聴いてどういう風に前向きになって欲しいいとか、そういう意味や思いは一切入っていないんです。でもそういうのを感じ取ってくれたらそれはもちろん嬉しいなと思います。

■「やれることはやれ」とか、すごくストイックな歌詞だなと思います。

竹内 そうですね。今まで遊んでばっかりだったので、だったら「もう少しなんかやることあるだろ」っていう。少し後悔はしているので。

■同世代のリスナーも「これを聴いて頑張ろう」って思えるかもしれないですよね。自分に言われているような気持ちになります。アルバムが発表された時に出していたコメントで、GRPさんと曲を作るにあたって「地図に新しい道をふたりで作れた」とありました。やっぱり刺激になりましたか?

竹内 そうですね。刺激ばっかりでした。今まではいろんなプロデューサーさんとやってきて、元々ある国の中に自分が染まっていくみたいなイメージで楽曲を作っていたんです。でもGRPさんと楽曲を作る時は2人で何かを広げているイメージがすごいあって、それがすごい楽しくて。GRPさんと一緒に音楽作っていると、どんどん新しいアイデアが浮かんでくるので、この人がいないとダメだなと思っちゃいました。元々L.A.で音楽の勉強をしていたみたいで、またアメリカ行っちゃうんですよ。海外でトラックを作る時って、高クオリティのものを短い時間で作らないとダメらしくて。それがGRPさんもできているのがすごいなと思いました。GRPさんを見ていると、僕は「もう作曲したくないな……」って思います。(笑) 「ここまではいけないな」って思っちゃいますね。

■そういう海外の風潮みたいなものをGRPさんを通じて感じてみて、海外のプロデューサーとのコラボもやってみたいという思いもありますか?

竹内 プロデューサーさんとかはではないんですけど、「そこら辺にいる一般人がまたヤバイんだよ」ってGRPさんが言っていて。「有名じゃないけど、音楽がすごく好きだから、そういう人と一緒にセッションした方がいいと思う」って言われて。なので、そういうコラボもどこかでしたいなって思っています。

■今回、様々なアレンジャーやアーティストに参加してもらうにあたって、意思疎通はみなさんとされたんですか?

竹内 今回のアルバムは事前に打ち合わせをするとかがあんまりなくて。骨組みはしっかりした上で、あとはスタジオに入って「唯人くんやってみて」みたいな感じが多かったので。今までよりもスピード感がありました。なので、レコーディングまでになにかをしっかり準備して、「こういう風にしよう」みたいなのは全然無かったですね。

■そのスピード感があったからこそ、今までと違った点とかもありますか?

竹内 やる気ですかね。スピード感があったので、「早く次覚えなきゃいけない」みたいな、自分もそういうモードになったし、「しっかりできなきゃいけない」っていうのもあったので、ちゃんと自分を追い込めたかなと思います。

■一番歌うのが難しかった曲を教えてください。

竹内 “Land of Dreams”かな。難しかったけど、3時間くらいで終わったんですよ。辻村さんのレコーディングの仕方が、ちょっとミスったらすぐ止めて次みたいな感じだったので、やりやすかったです。

■今回のアルバムに限らず、いろんなアーティストとコラボしたり、友達になって曲を作ったりっていうのがあると思うんですけど、その経験が自分の楽曲制作に活きているなと思ったことはありますか?

竹内 そうですね。いろんな人とやると自分がやったことないフローだったり、メロディを身近で感じられるので、意識せずとも頭の中に残っている感覚はあります。“Land of Dreams”とかは、音楽始めて1年とかじゃ絶対にできないじゃないですか。こういうのも今成長できている段階で歌えたのは、めっちゃよかったなと思います。

■今気になるアーティストはいますか?

竹内 ASH ISLANDですね。韓国のラッパーなんですけど、彼とやってみたいです。ぜひ日本人以外ともやりたいです。

■メジャーデビューして少し経って、今作が20歳の集大成っていう思いもあると思うんですけど、これを出したことで、また次からはちょっとギアが違うっていうか、一歩進んだ感じになりそうですか?

竹内 そうですね。そういう気持ちで作ったアルバムです。これからやりたい音楽は決まったので、早く作りたいなって感じです。

■やりたい音楽というと?

竹内 ヒップホップの音を使ってJ-POPの進行をするっていうのが、すごい自分に合っているなと思って。元々大好きなジャンルがヒップホップなんですけど、でもヒップホップっぽく尖ったことは言えないし、そういう人生を歩んでいるわけでもない。でも聴いていてカッコいいなって思うのは海外のヒップホップの音なので、そういうトラックで日本のJ-POPの進行をしたら、すごい自分に合っているなって感じたので。それが今回のミニアルバムを制作したことで得た答えですかね。

■I Don’t Like Mondays.のSHOKIさんとか、竹内さんにとってあまり馴染みのなかった人とも一緒に作ることで、新しく取り入れた音楽性があったと思うんですけど、それ以外にもこういう音楽を作っている人とコラボしてみたいとかってありますか?

竹内 これからはラップが上手い人とやりたいですね。それこそ韻マンとか、一番近い世代というか、一番身近なところで音楽を尊敬しているのが韻マンなので。一緒にやって、もちろんトラックはGRPさんで。(笑) っていう感じです。前はバンドっぽい音で作りたいとか思っていたんですけど、それってバンドの人たちがやることだから、僕じゃないなって今は思います。今までは掘って探してっていう感じの繰り返しでしたけど、これからは自分がやりたいことを磨いていくっていう感じですかね。

■前お話を伺った時に、ライブは配信の方がコメントがある分、観ている人たちの反応を感じられていいっていう話もありましたけど、改めて今経験を積んでみて、ライブについて思うことはありますか?

竹内 初めて人前でライブしたのが去年の今頃だったんです。お客さんが1100人くらいいたんですけど、ステージに立ったら1対1000としか見れなくて怖かったんですよね。でも今は1対1×1000みたいな感じでライブできるようになりました。その多い人数に対して、1対1で歌えるメンタルがやっとできたんだと思います。今はとにかくライブでこのアルバムの曲を歌いたいです。

■ありがとうございます。最後に読者へのメッセージをお願いします。

竹内 ぜひCD買ってください!(笑) 初めてのアルバムだし、「どんな曲が来るんだろう?」って楽しみにしてくれている人もいると思うんですけど、今までにないような楽曲をしっかり作れたので、とにかくたくさんの人たちに聴いて欲しいです。

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
2001年生まれ、東京出身。2019年にABEMAの恋愛リアリティショー「オオカミちゃんには騙されない」に出演し、スタイリッシュなビジュアルと気さくなキャラクターとのギャップが同世代から人気を集める。同年10月にLINE RECORDSよりデジタルシングル『Only Me』でアーティストデビュー。2020年2月リリースの3rdシングル『ニビイロ』がテレビ朝日ドラマ「鈍色の箱の中で」の主題歌に抜擢され、Spotifyのバイラルチャート5位に連日ランクイン。2021年4月にリリースした『MIRAI feat. ($HOR1 WINBOY)』がTikTokで話題となり、Billboard TikTok週間楽曲ランキング5位、LINE MUSICデイリーランキング6位を記録。同年7月2日、メジャー1stデジタルシングル『After the rain』でメジャーデビュー。9 月には変態紳士クラブのGeGをプロデューサーに迎えた2ndデジタルシングル『I Believe Myself(Prod. GeG))をリリース。そして12月1日に自身初となるミニアルバム『XX』をリリース。https://grove.tokyo/creator/yuito-takeuchi
公式Instagram:https://www.instagram.com/takeuchi_yuito/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@takeuchiyuito
公式Twitter:https://twitter.com/Takeuchiyuito

RELEASE
『XX』

竹内唯人『XX』

CRCP-40632
¥2,000(tax in)

playlist Zero /NIPPON CROWN
12月1日 ON SALE

EVENT
■竹内唯人デビューミニアルバム「XX」発売記念イベント
日程:2021年12月11日(土)
時間:18:00スタート (集合:17:30)   
会場:HMV&BOOKS SHIBUYA 5Fイベントスペース
内容:サイン&2ショット撮影
https://www.crownrecord.co.jp/s/c01/artist/takeuchi-yuito/news?ima=3429&ct=jpop