玉屋2060%(Vo&Gt)、アサミサエ(Vo&Key&Sampler)、∴560∵(Ba&Cho)
新体制で原点回帰「早くて短い曲の方が、自分の中に当たり前にある血」。
Wiennersが新曲『何様のラプソディ』をリリース。本作は、昨年8月より3人体制となったWiennersの約1年ぶりとなるニューシングル。3月に開催されたワンマンライブイベント『TOKYO HOLI』にて初披露された“何様のラプソディ”は、新たな体制でのスタートにふさわしいショートチューンとなっている。今回はWiennersにインタビューを決行。『TOKYO HOLI』の手応えから、その後玉屋が飛んだという本場のホーリー祭で感じたこと、ライブで初披露された表題曲“何様のラプソディ”、そして“FUTURE”のリアレンジとなる新曲”SUPER FUTURE”についてなど、今の彼らの思いについてたっぷりと話を伺った。
■3人体制になって半年程が経ちましたが、手応えはいかがでしょうか?
玉屋 予想以上でしたね。この間開催したワンマンライブ『TOKYO HOLI』も、「小規模でいいから、これからやりたいことをお試しでやれる場所を作らない?」みたいな感じから始まったんです。でも凝り性な分、いざ始まったらいろいろなところに凝り始めて。それがすごくいい方向に転んだと思います。ライブハウスの規模感もめちゃくちゃ大きいというわけではなかったんですが、雰囲気もすごい良くて。あと去年、いろんなバンドに呼んでもらってツアーに出たりとかして、そこで知ってくれた人たちが来てくれたのも新鮮でもあって。本当に予想以上のものができましたね。
∴560∵ やったことのないことを本当にたくさんやったので、予想以上でしたね。というか、予想できない要素が多かったんですよね。トライが多くて「失敗してもいいじゃん」という心持ちで臨んだことがたくさんあって。それらがどれも失敗しなかったことが手応えに繋がっているのかなと思います。
アサミサエ まだ半年しか経ってないのかぁと思うくらい、密度の高い時間を過ごせたと思います。バンドを立て直す期間として、活動を落ち着かせる選択もできたのですが、メンバーが抜けたこの状況をネガティブな印象にしたくないということで意見が固まり、しっかり動けていましたし、周りの人たちもライブに誘ってくれて、そのおかげでこの半年間は充実させることができました。『TOKYO HOLI』も3人でここまで走り続けた集大成として、色鮮やかな印象を与えることができたと思います。手応えという部分では正直まだわからない部分もありますが、ファンのみんなも離れずに応援してくれている印象なので、ここからまた新たなWiennersをより固めて広げて面白がってもらいたいです。
玉屋 ずっと思っていることではあるんですけど、やっぱりすごく大事だなと思ったのは、やる側が「これやりたい」というものの方が伝わると思っていて。準備している時にテンションが上がっているものが一番いい。「これヤバくね?みんなに聞いてもらいたいよね」みたいな雰囲気で作っているものの方が絶対に伝わると思うので、そういう意味でもこういう場所を設けてやりたいことをやるっていうのは、すごく大事だったと思います。そのマインドだったから伝わるものもあったのかなと思います。
■演奏面ではどうでしょう?一緒に演奏するメンバーが変わると、演奏の感覚も変わってくるかと思いますが?
∴560∵ サポートドラマーとバンドをするのは初めての経験だったんですけど、すごく面白いなと思いましたね。ストレスとか困惑するというよりは、ドラマーが変わることで演奏の感じが変わるのを楽しめていたので、サポートドラマーと一緒にライブをたくさんやってこれたのはすごくいい刺激になりました。
玉屋 本当に楽しいですね。今まで4人でやっていた時は、作った曲の完成形を目指して演奏を固めていく作業だったんです。解釈が違ったら「そこはそうじゃない、こうだよ」みたいな話をしていたり。でもサポートドラマーに入ってもらうようになってからは、解釈の違いをあえて指摘しないようにしていて。原曲と違っていても「そっちに合わせよう」という考え方ができたり、「その解釈は面白いな」と思えたり。人によってノリから何から本当に違うので、それがすごく面白いなと思いますね。こんなに楽しめるんだって思いました。新鮮な気持ちでやれています。
アサミサエ サポートドラマーのみんな、もともとWiennersを知ってくれていて、好きでいてくれている人たちなので、曲の理解度も高いし、あとほんと勝手な印象ですが、「俺がこの曲をもっといい曲にする!!」みたいなハングリーさもある気がして、Wiennersの曲をより一層持ち上げてくれるような演奏で、とても楽しいです。特にライブで一緒に演奏していると、「練習の時やってなかったじゃん!!」みたいなアレンジを、「加える」というより「つい出ちゃった」って感じで入れたりしていて、私はドラムの前で、なんか後ろから覇気みたいなものを背中で感じて、テンション上げてもらっています。みんな口を揃えて、「大変だけど楽しい」って言ってくれているので助かっています。(笑)
■先日行われた『TOKYO HOLI』というイベントは、Wiennersの結成当初にも行っていたんですよね?このタイミングで復活させたのにはなにか理由があったのでしょうか?
∴560∵ このタイトルは後付けでしたね。「いろんなことにトライしてみよう」というライブのコンセプトだけが先に決まっていて、「タイトルはどうしよう?」と考え始めた時に『TOKYO HOLI』があったなと。当時から気に入っていたタイトルだったし、今やりたいこととも合致したので採用しました。
■ライブのMCでもおっしゃっていましたが、本場、インドのホーリー祭が『TOKYO HOLI』の2日後にあって、玉屋さんは実際に現地まで行かれたんですよね?本場はいかがでしたか?
玉屋 すごかったですよ。タガの外れ方が違うというか。10年以上前に一度行っているんですけど、その時も身の危険を感じるほどだったんですけど、今回もすごく興奮するなと思いました。本能的な興奮の仕方というか、楽しみすぎて興奮して、ちょっと危ないくらいっていうか。積極的に楽しんでいる人が多いっていうのが重要なんだなと思いました。
∴560∵ 10年ぶりに行って変わったことってなにかあった?
玉屋 これは悪い意味じゃないんだけど、渋谷のハロウィンみたいなノリに近かったですね。間口が広がったというか。今までは伝統的なイベントで、神様が目を瞑る日としてこの日だけはカースト制度もない状態で、インド全土で行う祝祭だったけど、今はとにかく色を塗って写真を撮るっていう感じ。外国人と写真を撮ると絵になるのか、街を歩いているとめちゃくちゃ「一緒に写真撮ってくれ」って言われましたから。とにかくたくさん写真を撮って、「SNSはやってないのか?」って聞かれたり、「バンドをやっているんだったらYouTubeを教えろ」って言ってその場で登録してくれたり。そういう感じでした。