安田レイ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

安田レイ

この春、自身の大輪の花を咲かせる為に

春は新しい自分と出会わせてくれたり、何かに向かって走り出したくさせたり、何かを始めたくなったりと、自身の殻を破り、次へと進ませる力強い生命力を与えてくれる季節でもある。そんな春にピッタリなのが安田レイのニューシングル“blooming”だ。「開花」をタイトルにした同曲は、TVアニメ「レイトン ミステリー探偵社 ~カトリーのナゾトキファイル~」のオープニングテーマ。迷ったり悩んだりしているあなたの背中を強く押してくれ、肯定してくれる、そんなバイタリティ溢れる楽曲だ。自分に自信を持ち、進みたい方向に進んでいけば、きっと大輪の花を咲かせることが出来る。そんなことを信じさせてくれる、非常に力強く、何でもできる気持ちにさせてくれるワンダーな同曲。さぁ、あなたもこの曲と共に自身にとっての大輪の花を咲かせよう!

■今回の“blooming”は春にぴったりの、聴いていて非常に元気になれる楽曲ですね。

安田 ありがとうございます。この“blooming”に関しては、女の子に向けての応援歌という面もあって。私も好きで活用しているんですが、いまSNSがすごいじゃないですか。Instagram、Twitter、Facebook等々。みなさんいろいろな形で自分のライフスタイルを発信していますが、それを見て刺激をもらいつつも、逆にそれに疲れている人もいるんじゃないかなって。今の方が他人と自分を比べて、落ち込んじゃうケースも増えている気がするんです。みなさん基本、ああいったSNSにはいい面ばかりをアップしますもんね。

■そうですね。

安田 他の方の発信するそれを見て、比べて、それに対して自分はいつも通りの一日だったな…なんてヘコんじゃってる方もいると思うんです。そんなふうに他人と自分を比べても、そういいことなんてないし。もっとちゃんと自分を見つめ直したり、自分の良い面も悪い面も自身で抱きしめてあげる心の余裕が私たちには必要だなと感じて。そんなことに一人でも多くの人に気づいてもらいたくて、今回、歌詞を書いたし、歌いました。

■その想いは、どの辺りの出来事から芽生えたんですか?

安田 海外の方って、その辺り、自分ならではなんですよね。自分が好きとか、自分に対する自信もすごく表れていて。そういった要素が1%でも2%でも増えたら、私たちは変われるんじゃないかなって。

■欧米人に比べ、やはり日本人は他人と比べたがる気質がありそうですもんね。

安田 もちろん海外でも流行りはあって、多くの人がそちらを向く時もあります。だけど日本人ほど、他人と自分とを比べてはいないなって。私、幼少の頃はアメリカンスクールに通っていて、日本の学校に入った際に、「えっ、日本人ってこんなにも他の人と自分を比べるんだ!?」とショックを受けましたから。特にアメリカンスクールはいろいろな国々の人たちがいて、それぞれの違いも含め、お互いを自然と認め合っていましたから。日本の学校に移って、私も何度も傷ついたことがあったし。やはり自分とは違ったカルチャーは受け入れがたいところがあるんでしょうね。でもそれが変わっていけば、みんなもっとピースフルになるのにな…とは、幼い頃からずっと思っていました。

■なぜ日本人は他の人と自身とを比べたがるんでしょうか?

安田 みんなと一緒じゃないと不安になっちゃうみたいです。日本の学校での学生時代も、持っているペンケース一つでもみんな一緒だったし。しかも中を開けてみても、みんな同じペンが入っていたり。(笑) それがすごく謎でした。えーっ、私は使いたい色があるし…って。あと、みんなが同じタイミングでトイレに行くのも疑問でした。(笑) 私は一人で行きたいんですけど、みたいな。

■やはりアメリカンスクールはそれらとは違っていたんですね?

安田 もちろんアメリカンスクールでも友達と一緒に居たりすることもありました。だけど、みんな一人になりたい時は、そこから一人だけスッと抜けて、自分のやりたいことをしていましたから。対して日本では、なんか一人でいるのがヤバいヤツみたいな扱いで。「あいつは一匹オオカミだ」みたいな。それに対しての、「これってどうなんだろう…」との疑問は常にありました。

■では生きにくかったところも?

安田 アメリカンスクールではその辺り全く気にすることなく、伸び伸びと過ごしてこられたんですけどね。中学から私、日本人の学校に通い始めたんです。そこでみんなに合わせた方が楽なのも分かっていたんですが、どうしても自分のアイデンティティみたいなものを捨てちゃうのもな…と。正直、それで悩んだ時期もありました。なんか自分らしくなくなっちゃいそうだったんです。その気持ちは高校になってからも続いていましたね。特に女子は嫉妬しやすいし。そう考えると女子って怖い。(笑)

■いやー、話を訊いているだけでも面倒臭そうです。(笑) では、この“blooming”は、それに対して「どうなの?」との疑問も含んでいると。

安田 そうですね。他人と自分を比べなくていいんだよ。例え回りの人から「あなた変だよ」と言われたとしても、その人には変に映っているのかもしれないけど、その外の世界はもっとめっちゃデカいよ。例えそんなことを言われていても、自分のキャラクターをキチンと抱きしめてあげてね。そんなメッセージを曲に込めてみました。

■あとこの歌は、安田さんと同世代の女性に向けて歌われている印象も持ちました。

安田 そうですね。やはり同世代や自分より若い人たちの話を訊いても、「情報量が多くて追うのも疲れちゃって、今は全然SNSを見ていない」なんて子も居たりして。それを聞くと、「ああ、それってみんなと比べちゃうんで疲れちゃうんだろうな…」「そんなことしなくてもいいのにな…」って思っちゃう。それこそ比べる必要性なんて全くないじゃないですか。確かにSNSからは、「私も頑張らなくちゃ!!」や「いいなぁ…羨ましいなぁ…」と刺激をもらうこともあります。だけど、「自分とそれを比べなくてもいいよ」って。

■そもそも今回はどうしてその辺りをテーマに?

安田 他の人と比べちゃうって事を幼い頃から疑問に思っていて。そんな中、今回このアニメの主人公のカトリ―ちゃんが女の子なので、その女子っぽい気持ちや女子っぽいテーマを歌いたいなと考えた時に、「今の時代のSNSで、何かテーマが湧かないかな?」となったんです。そこからですね、このテーマに結びついていったのは。