LEONARDO DICAPRIO × BRAD PITT VANITYMIX 2019 AUTUMN FEATURE INTERVIEW

LEONARDO DICAPRIO × BRAD PITT『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

■これまでの出演作でスタントマンとの間にそのような絆を築いたことはありますか?

L ブラッドが演じているクリフは、単なるスタントダブルではなくて、どちらかというと、スイス・アーミーナイフのような万能の存在だと僕は考えているんだ。愚痴を聞いてくれる相手であり、精神科医であり、ボディガードであり、アシスタントであり、ありとあらゆるものなんだ。リックはクリフに報酬を支払い、12もの仕事をしてもらっている。リックはクリフに仕事を与えているけれど、常にそばにいて支えてもらっているんだ。僕にもそういう人たちがいたよ。アフリカに8カ月もいる間、一人でいたくないときに、ただ黙って一緒にテレビを見てくれるような人がね。(笑)

B 僕も多少はいたかな。でも最近は一時的な関係だから、当時とは状況が違うんだけど、それでも、確かにウマが合ったスタントマンたちはいたよ。ただスタントコーディネーターの仕事は、僕らが怪我をしないように、自分たちが落下したりすることだけじゃないんだ。彼らは新しいアイデアを考え出したり、度肝を抜くようなシナリオを提案したりするんだ。もちろんスタントをどんどん進化させるというものすごいプレッシャーもあるし、僕らが(この映画で)演じているキャラクターたちは、パートナーシップが今よりずっと強かった時代の男たちなんだよ。だからスティーヴ・マックィーンとバド・エキンスや、バート・レイノルズとハル・ニーダムの関係についてもみんなでよく話したよ。バートからは直接、ハルとの関係について話を聞けたんだ。キャリアを通してペアを組むことが多かった当時の状況についてね。(スタントの)アイデアや、どんなシーンにするか、どんなファイトにするかということについては、彼ら自身が責任を負っていたんだ。彼らは一つのチームだったんだよ。そういう風に支えてくれる存在は非常に貴重だし、今でも形は違うけど、そうした友情は存在するよ。現実には…長い休憩時間がある。この仕事に伴うプレッシャーがある。華やかさや素晴らしいことがあると同時にプレッシャーもある。だから頼ることができる人、休憩時間に一緒に笑って話せる人との友情のおかげで、なんとか耐えることができるし、楽しいと感じることさえできるんだよ。

■この作品では、自分の期待通りにいかないフラストレーションも多く描かれていますが、今でもそういう気持ちになることはありますか?

L 役者はさまざまな人物を演じるから、必ずしも自分自身の人生や経験である必要はないんだ。それが僕らアーティストの仕事の一部だからね。とはいえ、今回のキャラクターには完全に共感できたんだ。この男を知っている、と感じられたよ。僕には役者の友人が大勢いるし、13歳の頃から彼らと一緒に育ってきた。だからどんな苦労があるのかわかっているんだ。苦労だけではなく、巨大な波のように襲ってくる不安感や、すべてが崩れ去っていきそうな感覚とかもね。なぜかはわからないけど、リックがどんな経験をしているのか、一瞬にして理解できたし共感できたよ。

B つまるところ、僕らはみんな人間なんだ。ごくわずかな誇大妄想狂の人たちを除けばね。もちろん、常に葛藤はあるよ。自信のなさをコントロールしなきゃいけない、事実を受け入れなきゃいけないとかね。自分たちがやったことの結果に意味を求めることは大きな過ちだよ。そうではなくて、一日の過ごし方に意味を求めるべきなんだ。最終的にはそこに行きつくと思うよ。

■この作品では落ち目のリック・ダルトンが描かれていますが、二人とも落ち目になることを心配したりしますか?

L これから先もずっと浮き沈みはあるよ。キャリアには引き潮の時もあれば、満ち潮のときもある。いいときもあれば悪いときもある。昔から僕は長距離レースだと考えてやってきたんだ。ブラッドも僕も同じ時期にブレイクしたから、同世代と言ってもいいと思うんだけど、そのことがわかっているし、感謝しているんだ。僕らは自分たちに与えられたこのチャンスに最善を尽くし、できる限り最高の人たちと一緒に仕事をしなければならないんだよ。

B 確かに僕らの仕事には賞味期限があるし、自分たちでもそのことはわかっているよ。でもそれがあるからこそ、自分たちが過ごしてきた時間に対する感謝の気持ちが深くなるんだ。そして、それはまた別のものに変わっていくんだよ。アンソニー・ホプキンスやジーン・ハックマンの素晴らしいキャリアを見てみればわかるよ。別の何かになっているんだ。自分がやっていることに意義を見出している限りはね。

■俳優のみなさんが、自身の賞味期限を延ばすためにできることは何かありますか?

L 素晴らしい保湿剤だね!(笑)

B そんなことはできない。不可能だよ!(笑)

PROFILE
LEONARDO DICAPRIO
父親はイタリア人、母親はドイツ人。10代前半から子役としてCMを中心に活躍し、1991年に「クリッター3」(日本劇場未公開)でスクリーンデビュー。93年の「ギルバート・グレイプ」で19歳にしてアカデミー助演男優賞にノミネートされる。「ロミオ&ジュリエット」(96)ではベルリン国際映画祭の銀熊賞(男優賞)を受賞し、「タイタニック」(97)で名実ともにハリウッドNo.1スターとなる。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13)では、ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門の主演男優賞を受賞したものの、アカデミー賞は受賞を逃す。「レヴェナント 蘇えりし者」(15)でアカデミー賞で4度目の主演男優賞にノミネートされ悲願の初受賞を果たした。

BRAD PITT
米ミズーリ州で育つ。大学卒業を目前にロサンゼルスに移住しグラフィックデザインを学んでいたが、演劇の道に進むためロイ・ロンドンに師事。TV出演を経て、1989年に映画デビューした。「テルマ&ルイーズ」(91)で脚光を浴び、「リバー・ランズ・スルー・イット」(92)などの作品で頭角を現し、「セブン」(95)、「ファイト・クラブ」(99)で幅広い層のファンを獲得する。「12モンキーズ」(95)でアカデミー助演男優賞、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(08)、「マネーボール」(11)で同主演男優賞にノミネートされた。近年は自身の製作会社プランBエンタテインメントでプロデューサー業にも力を入れている。

作品情報
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

LEONARDO DICAPRIO × BRAD PITT『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

8月30日(金)全国ロードーショー
監督:クエンティン・タランティーノ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
出演:レオナルド・ディカプリオ×ブラッド・ピット ほか

STORY
人気のピークを過ぎたTV俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は映画スター転身の道を目指し焦る日々が続いていた。そんなリックを支える付き人でスタントマン、そして親友でもあるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)。たしかな友情で結ばれた二人だったが、時代は大きな転換期を迎えようとしていた。そんなある日、リックの暮らす家の隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してくる。今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、再び俳優としての光明を求め、イタリアでマカロニ・ウ エスタン映画に出演する決意をする。そして1969年8月9日、それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える〈事件〉が起こるのだった。

LEONARDO DICAPRIO × BRAD PITT『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
LEONARDO DICAPRIO × BRAD PITT『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
LEONARDO DICAPRIO × BRAD PITT『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
LEONARDO DICAPRIO × BRAD PITT『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』