703号室 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

703号室

■TikTokについておうかがいできればと思います。現在TikTokをおこなわれているのは岡谷さんですが、どんなきっかけで始められたのでしょう?

岡谷 私はあまり知らなかったんですが、友達がたまたまTikTokをやっていて、それを見せてもらって。その頃にその友人がアップロードした動画がすごくバズっていたんです。簡単な動画ですごい数の「いいね」が来たり、各SNSのフォロワーもすごい勢いで増えていたので、「こんなに影響力があるのはスゴイ!」って。だから、自分のやっている音楽でも広まるきっかけが作れるんじゃないかと思って始めました。

■自分の動画、作品自体についてはどのように作っていったのですか?

岡谷 結構TikTok内で流行った曲とか、TikTokでリクエストをいただいた曲をカバーするとか、そういう風に選曲のベース、判断材料としてTikTokを中心にしていたので、そんなところは結構同世代の方に楽しんでいただけるようなヒントに当てははまっていると思います。

■そういった時代の流れみたいなのを、TikTokを通して感じていると?

岡谷 チャートなんかを見ても、TikTokで流行っている曲が上位に来ていることは結構あったり、最近はその時期に発売、リリースされたというわけではない昔の曲なんかが上に来ていたりとか、TikTokはトレンドの中心になっている感じがしました。

■でもTikTokで歌というと…“パンケーキ食べたい”とか…。(笑)

岡谷 それは歌わないです!(笑)

■自分の意向、自分の趣味とかいうのは曲の選考条件には入れないのですか?

岡谷 入れていないです。でも自分の声、持っている声だったらこういうタイプの歌ってみたを求められているんじゃないかな?ということは考えてやっています。

■JELLさんとつばささんも「出たい」みたいなところはないのでしょうか?

つばさ 露出はした方がいいかな?とは思っています。ただ弾き語りのカバーとかが結構需要になっているところがあるので、出るという形だと、岡谷に歌ってもらってピアノを演奏して、みたいなのはたまにやっているんですが、やっぱり撮るのにワンアクション、撮るんだったらスタジオに入ってちょっと練習して、とかいうことになるけど、一人で弾き語りだったらパッと撮れちゃったり、手軽にできるんですよね。気軽に作って上げられるものというのも、TikTokの良さであったりもしますし。

■でも個人的になんかやってみたくないですか?(笑)

JELL “パンケーキ食べたい”をやってみようかな?(笑)

■それはぜひ。(笑) 動画の見せ方についてお伺いしたいのですが、例えば今投稿されているのを見ると、結構弾き語りで顔を出していなくて、ギターを弾いている姿だけが映っているという感じのものがほとんどですが、なにかこだわりがあるのでしょうか?

岡谷 最近はすこしずつ顔を出すようにしているんですが、それまではただ単にあまり顔出しをしたくなかったという。(笑) 例えば音楽のことで言われたら直そうと思うけど、顔面って直せないじゃないですか!(笑) 文句を言われても直せないから、私は沈んじゃうだろうなと。(笑) 自信がなかったというところです。あと他の弾き語り投稿の方とかを見ても、あまり顔を出している方っていないですし…。

■なるほど。それがTikTokの中ではスタンダードなやり方なんですね。そういえばYouTubeの「弾いてみた」「歌ってみた」も、なぜか顔を出していなかったり、お面をかぶったりというのがほとんどですよね。

岡谷 そうですね。でもやっぱり顔を出した方がいいよとよく言われるので、今後は徐々に顔出しの方向に持っていこうと思っています。最近出したOfficial髭男dismの“pretender”のカバーでは、思い切って顔を出してみました。

■どうですか?反応は?

岡谷 そんなに悪くはなくて「ああ、良かった」って。(笑) 顔のことは特に言われなくて…。

■それはよかった。コメントは気になりますよね。

岡谷 めっちゃ気にします!芸能の世界の人とかを見ていると、本当に厳しいツッコミにも耐えられていてすごいなって思いますし。SNSに顔出しをする、歌う顔を投稿するということに、もともと抵抗があったんですよね、自分的に。

■なるほど。でも不思議ですよね。ユーモアのある表情や動きを見せるというのが主流だと思っていたんですが、703号室のように音楽でもアピールできるんですね。

岡谷 私もそこは試行錯誤していきました。もともとはダンスをいっしょに手振りとか口パク動画とか乗せる専用アプリだと思っていたので、最初は自分の上げた動画で「合っているのかな…?」と半信半疑だったんですが、それが成功したので「ああ、やってみよう」ってなっていきましたし。

■その意味では、いろんな可能性がありますね。バズっている方にはバラエティーに富んだ名前が並んでいますし。コンテンツを作っていくうちに、自分の作風が変わったなと思うところはありますか?

岡谷 今までは結構自分の気持ち、なかなか自分ありきの曲というか、あまり共感ということを考えていなくて、歌詞とかが一番そうなんですが、それがこの曲でこういう風になってほしいとか、そういうリスナー目線で考えるようにはなったと思いますね。

■それは、ライブで聴いてもらうことと違いはありますか?

岡谷 ライブだと、結構話せる人とか時間って限られてくると思うんです。TikTokだと、ライブを観に来られない、遠くの地方に住まれている方とか、あとは小学生とか、小さい子とか、そんな方も気軽にコメントをくれるので、そこはすごく嬉しいですね。

■確かに。TikTokならすぐ返事が返ってくるというのもあるし。バンドとしても、効果を感じられていることはありますか?

JELL ライブとかをやっていても、お客さんが圧倒的に増えたと思います。客層も結構変わってきて、若い子が増えたし、「TikTokを見て来ました」みたいな人も結構います。それが結構大きかったですね。

■ではしばらくは続けて、何とかメジャーまで…。

全員 頑張ります!