LinQ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

LinQ『anytime』

過去の涙を力に変えて上昇!全5曲のMVも制作された6人体制で初のCDが完成

2011年より福岡を拠点に活動し、数あるご当地アイドルグループのなかでも屈指の人気と実績を誇るLinQが、今年6月に6人体制になって以降、初のCDとなるミニアルバム『anytime』をリリースした。まるで現在のLinQを歌ったような上昇気流を感じさせる超ポジティブな表題曲をはじめ、アイドルらしい胸がキュンとするラブソング、シタタカな女性を演じてドキッとさせるダンスチューンなど、それぞれ色の異なる全5曲には、メンバーの想いがたっぷりと凝縮されている。1期生でリーダーの吉川千愛、2016年加入で副リーダーを務める海月らな、昨年新加入した最年少の金子みゆの3人に、それぞれの立場から本作に込めた強い気持ちを語ってもらった。

■6人体制になって初のCDがリリースされますが、もともと33人から始まって、変化は感じていますか?

吉川 はい。ものすごく感じています。

海月 大人数だった頃は、全員でミーティングをする機会が、ほとんどなかったんです。でも、6人になってからは、ほぼ毎日一緒にいて、週1回はメンバーみんなでミーティングして、月イチでご飯に行く会もして。6人で他愛もない話をしつつ、これからのLinQについて語り合ったり、それぞれの目標を語り合ったりすることで、メンバー同士の仲もよくなりますし、みんなで競い合いながらモチベーションも上げられますし、少人数ならではのよさを吸収しながら、6人で走っていけてる感じがしています。

■パフォーマンスの仕方も変わりましたか?

吉川 まずマイクをみんなが持てるようになりました。(笑) 会場によっては混線するので、大人数のときは全員はマイクを持てなかったんですよ。いまは全員がマイクを持ってステージに立っているので、歌もMCもそれぞれ責任感が強くなったと思います。

■実際、6人で活動を始めての手応えはいかがですか?

吉川 ありますね。みゆと(涼本)理央那は去年9月に入ったんですけど、2人もだいぶ慣れてきたし、2人のファンも増えていて。いままでのLinQとは違う、新しい魅力を作ってくれているなと感じています。

金子 私が加入したときは9人いて、6月に6人になったんですけど、6人のLinQしか知らないファンの方も増えているんです。昔からのファンの方も、「いまの6人めっちゃいいね!」と言ってくださることが多くて。私自身もフィーチャーされる場面が増えたり、歌割りが増えたりしているので、これからもっとがんばって、私を見てもらえる場面も増やせたらいいなと思います。

■まだ若いのにしっかりしたコメントしますね!

吉川 しっかりしていますよ。いま16歳だっけ?

金子 16になりました。高校1年生です。

吉川 私も高1の終わりにLinQに入ったんですけど、そのときとは比べ物にならないくらいしっかりしています。(笑) 実際、6人になってから新規のファンが本当に増えているんですよ。

海月 しばらくLinQから離れていたファンの方も帰ってきてくれていて。

吉川 今回のアルバムにも入っている“ふたりの愛SCREAM”は、私たちが最初に出したアルバム(2012年発表『Love in Qushu 〜LinQ 第一楽章〜』)に入っている“きもち”の第2章をイメージして作ってもらった曲なんですけど、久しぶりにLinQを見たという方が、すごい懐かしい気持ちになったと言ってくださって。初めてLinQを見た方も、おしゃれでいい曲だねと言ってくださって。

■昔のファンからも、新規のファンからも好評なんですね。

吉川 はい。LinQは大人数のイメージが強いから、SNSとかで「いまのLinQはLinQじゃない」って言われることもあったんです。でも、いまはそれを乗り越えて、いまのLinQ色を出せているなと思うし、私たちもやりやすいし、ぜひ新しいLinQを見ていただけたらうれしいです。

■6人体制で初めてリリースということで、制作の仕方も変わりましたか?

吉川 今回は全部色が違う5曲を用意してくださって。それを私たちは聴いて、この曲はこうしたいとか、希望を出したんです。たとえば、いままでサビは全員で歌ったり、3人ずつで歌ったりしていたんですけど、今回はソロでまわしていきたいですとか。このパートはこの人がいいとか、この人のあとにこの人が歌ってほしいとか、そういう細かいところまで一緒に決めて作らせていただきました。

■いままでもメンバーから意見は出していたんですか?

海月 6人になってからですね。今回は自分たちの意見をたくさん取り入れてもらったので、責任感も強くなりました。

吉川 言ったからには、ちゃんと歌えるようにがんばらないと。レコーディングでできたことでも、ステージで踊りながらになると大変な部分もあるので、そこはしっかり責任を持って練習しなきゃいけないなと思っています。

■では収録曲について聞いていきたいんですけど、表題曲の“anytime”は超ポジティブな歌詞で、いまのLinQ自身を歌った曲でもあるのかなと思いました。

吉川 この曲は「情熱に火をつけて 飛び立とう」という歌詞があったりして、LinQの九州魂を情熱に変えて、全国に飛び立とうっていう気持ちとか、いろんな想いが含まれていて。

海月 「上昇!」とか「上々!」とかが何度も繰り返されて、ずっと上を向いて走り続けていくっていう気持ちも込められているんです。

吉川 サビの「止まる理由を/ずっと探すよりも」とか、「辞める理由を/まだ探してるの?」とか、マイナスに聞こえるような言葉も入っているんですけど、もっとポジティブになれよって、自分に言い聞かせられるような歌詞だなって思うんです。すごい明るい曲なんですけど、意外と現実的な歌詞が入っていて。1期生は結成から9年経って、まだ辞める理由を探しているわけではないけど、私たちはマリンメッセ福岡(でのワンマンライブ)を目指して走っていて……何が言いたいのかぐちゃぐちゃになってきた。(笑)

■吉川さんは辞めたいと思ったこともあるんですか?

吉川 あります。けっこう初期なんですけど、普通の公立高校に行っていたので、両立が難しくて。レッスンもキツいし、学校のほうが楽しいなと思った時期もあって、もう辞めようと思ったんです。でも、メンバーや運営さんも親身になって支えてくれて、「すいません、もう一回やらせてください」と言って戻ったんですよね。

■一回、「もう辞めます」まで言ったんですね。

吉川 はい。メンバーにも言ったくらいだったんですけど、戻ってきて。(海月と金子の)2人はそれを知らないんですけど。(笑)

海月 初耳です!

金子 そうだったんですね……。

吉川 いろんなことが自分のなかでもあったからこそ、この歌詞が自分にも重なるというか、めちゃくちゃ刺さるんですよ。でも、そういうのって、アイドルにかかわらず、みなさんあると思うんです。

■そういう昔の話は、金子さんは先輩たちから聞くんですか?

金子 たまに聞きます。レッスンの休憩時間とか、楽屋とかで。

■印象に残っている話はありますか?

金子 千愛さんが2日で大学を辞めた話は驚きました。

■2日ですか!?

吉川 LinQは2013年にメジャーデビューしたんですけど、サプライズで発表されたので、知らずに進学すると決めていて、入学手続きもしていたんですよ。でも、やっぱり両立は無理だなと思って、教科書を買う前に辞めようと思ったんです。

金子 すごくないですか!?

■それだけの覚悟で活動してきたということですよね。海月さんが自分と重なるなと思ったフレーズはありますか?

海月 「(辛い)過去の涙(それさえ)力に変えられる」ですね。私は加入して1年くらいのときに、LinQのなかでの自分の存在意義みたいなことに悩んだ時期があって。そういうときに流した涙を思い出させるようなフレーズなんです。ここは3人ずつに分かれて交互に歌うんですけど、それが私はすごい好きで。それぞれ辛い過去ってあるじゃないですか。それをみんなで励まし合いながら、分け合いながら進んでいこうって言っているような感じがするんです。だから、自分にも刺さりますし、聴いた人にも共感してもらえる部分だと思うので、いちばん想いを込めながら歌っていますね。